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「人手不足と働き方改革~千葉県内の取り組み~」総合地域研究所シンポジウムを開催(11/2)


2024年11月2日(土)、総合地域研究所主催の2024年度シンポジウム「人手不足と働き方改革~千葉県内の取り組み~」を敬愛大学稲毛キャンパスにて開催しました。千葉県の人手不足、働き方改革の現状を概観するとともに、具体例として空港や教育の世界においてどのような対応策が採られているのかを共有し、今後の進むべき方向を探りました。

開会

織井啓介総合地域研究所所長(国際学部教授)から開会の挨拶が述べられ、開催の主旨と問題意識が説明されました。データによると、これまでの全国の有効求人倍率の推移には、3つのピークがありました。1つ目は高度成長期における倍率の上昇、2つ目はバブル期における上昇、3つ目は現在の人手不足による上昇です。前の二者は、背景に好調な経済成長があり、現在は鈍化した経済成長と少子高齢化がある点が異なるといいます。こうした違いを踏まえて、人手不足への対応と働き方改革のあり方を探るのが、本シンポジウムの目的です。

第1部

株式会社ちばぎん総合研究所調査部長の小高正浩氏による「千葉県内の人手不足と働き方改革」の報告が行われました。全国および千葉県の企業では、人手不足感の高まりと人材採用の困難化が進行していることが説明されました。こうした事態に対応するため、シニアや女性、外国人などの多様な人材の登用や活用、労働時間や雇用形態の柔軟な見直しが必要であると述べられました。課題を社会全体で議論し、協力して工夫をすることの重要性が指摘されました。

第2部

株式会社JALグランドサービス代表取締役会長・一般社団法人空港グランドハンドリング協会代表理事・副会長の宍倉幸雄氏による「空港の人材不足と働き方改革」の報告が行われました。多様性のメリットを会社や業界全体で享受し、新しい価値を生み出すことを目的に、海外人財の採用や育成を進めていることが紹介されました。指導法の改善やマニュアルの整備、円滑なコミュニケーションの促進などの具体的な施策が紹介され、これらの実践には日本人の意識改革が必要であることが述べられました。

第3部

敬愛大学の中村敏行経済学部教授による「教員の人手不足と働き方改革」の報告が行われました。近年の小学校教員採用候補者選考の倍率の低下、教育現場での中堅教員や臨時講師の不足などの現状が紹介され、必要教員数の確保に問題が生じていることが説明されました。これらに対して、長時間労働の原因となる業務の見直しや処遇(給与)の改善などの対策が進められているといいます。対策を効果的に行うためには、歩みを止めず改革を継続することが必要であると述べられました。

閉会

閉会にあたり中山幸夫学長より、来場者の方々に参加のお礼が述べられました。また、社会で必要となる知識・スキルは高度化しており、大学の対応が求められていることが説明され、近年の本学の取り組みが紹介されました。具体的には、2025年度の情報マネジメント学部の新設、3つの副専攻による専門職養成プログラムの導入などです。今後の大学の課題には、授業やインターンシップ等における企業との連携強化、働き方改革にもつながるICT・データ分析を中心とする社会人向けの職業能力育成プログラムの提供などが挙げられました。2026年に迎える学園創立100周年と大学開学60周年を節目として、こうした課題に向き合いながら「地域と共に歩む」決意が語られました。

当日の様子

満席となった会場

質疑応答の様子

質疑応答の様子

質疑応答の様子

アンケート結果

参加者の満足度は、「大変満足」と「満足」を合わせて88%(n=43)となり、「各分野の状況が分かりやすく説明されていた」「別々の視点でのお話を聞け社内に持ち帰るものが得られた」「県内の実情や企業の取り組みがわかった」等のコメントをいただきました。今後に期待するテーマとして、以下のような要望が寄せられました。本学の地域貢献のあり方や総合地域研究所の運営の参考にさせていただきます。ご協力をありがとうございました。
今後に期待するテーマ(抜粋)
・県内企業の外国人雇用の現状と課題
・千葉経済の活性化(東京にない魅力・強み)について
・成田空港機能強化による千葉県や日本の波及効果、明るい話題をお願いしたい
・中小企業でも参考になるような規模のお話があるとうれしい
・少子高齢化対策、首都圏への人口集中の弊害