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2011年度 第12回 電機業界(通算12回)

ソニー株式会社経験 石黒 啓司 様

ソニー株式会社に入社
商品設計・商品企画、マーケティングに携わる。
法人営業(B to B)の経験を経て、
現在は経営コンサルタント・商品企画塾・キャリアデザイン講師として幅広く活躍中。
プライベートはバイクやディンギー(ヨット)など趣味が多彩で、
お神輿は年間30回くらい担ぐベテラン。

~ 法人企業 企業向けビジネス(B to B)とは~

こんにちは。今ご紹介いただいた石黒といいます。なぜ今僕はここに立ってみなさんに話しているかというのをよく思い出すと、息子の就職活動がきっかけです。

B to Bビジネスとはどんなもの

さて、今日のテーマである法人営業、B to Bですね、ビジネスからビジネス。
法人営業といわれたりしています。企業と企業が直接取引するビジネスを言います。皆さんはいわゆる一般消費者だから、きっと世の中とか経済とか会社って、一般消費者向けのものを売っている産業のほうが多いんじゃないかなときっと思っている方もいると思いますが、おそらく同じぐらいの大きな業界です。だから、皆さんがこれからいろんな会社に入ったときに、そういう部門の仕事をすることもきっとあると思います。
一般消費者向けの商品だとなんとなくわかるでしょう。商品企画があって、お客さんの需要があって、好みがあって、それをいろいろやって作っていくと。ただ、企業相手だと、ちょっとそこのところが違います。
それを今日追って詳しく話したいと思います。

B to Bビジネスの企業例

もし皆さん、こういう職業についたときに、頭に置かなきゃいけないことがまずあります。
お互いにウィンウィンと、よく言いますよね。両方が勝つ。両方がメリットを享受できるようにというのがウィンウィンですが、一般消費者向けの商品を作っているときは、あんまりウィンウィンと考えないで、企業側が勝てばいいやというような雰囲気がちょっとあるかもしれないです。お客さんに気に入ってもらって、それでわれわれが売り上げ達成すればいいなと。
そういう意味では、一般消費者向けのものは、企業から一般消費者に向けて商品もメッセージも発信することが多いですが、B to Bというのは、双方向です。相当両方の間でコミュニケーションをとらないと、成り立たないビジネスです。

例で簡単に見ますと、たとえば建設でいうと、一般の個人住宅というのはコンシューマー向けのビジネスになります。ところが、企業向けビジネスというのは、たとえば商業ビル、それからダム、道路、これは相手がそのときによって企業にもなれば、国になったりしますよね。いわゆる、団体対団体の商売ということになります。これが建築関係でいうB to B。
食品なんかでいうと、スーパーで売っているようなものは一般コンシューマー向け。ところがB to Bでいうと、大きなレストランチェーンに、肉を小さく切って、レストランの要求に応じて納めるという、これがB to Bになります。

B to Bビジネスの一般的な呼び方は?

あと、B to Bっていうのが楽なので呼んでいますが、皆さんの頭に、B to B以外に何か僕がしゃべっている今日のテーマの、そういう商売のことを何とかって頭に浮かびませんか?
なかなか、こういうのって、いわゆる社会に出てみないとわからないことですが。
業務用。英語で言うと「ビジネスユース」、それから「プロフェッショナルユース」、プロ仕様といったりします。あと業界向けというので、「インダストリー」という言葉を使います。インダストリーというのは業界ということです。それから一般消費者じゃないから、「ノンコンシューマー」といったりします。まあB to Bだと、こういうような言葉があるんだなというのを、心のどこかの隅っこにメモでもしておいてください。

B to Bビジネスの仕事の流れ方

それから結構、機会があると思うんですがOEM・ODMという言葉は就職活動中を含めて覚えておいたほうがいいかもしれませんね。
OEMというのは、オリジナル エクイップメント マニュファクチュアリングといいますけど、たとえば、ボイスレコーダーなどをソニーで売って、ソニーのブランドで商売しています。エクイップメントというのは機器という意味ですが、オリジナルの機械を相手先ブランドで作ってあげて供給する。いわゆる相手先ブランドのビジネスですね。

それからODMというのは、これは最近だいぶ増えてきましたが オリジナル デザイン マニュファクチュアリング。デザインという言葉は、設計という意味があります。そっちの意味が強いですね。いい例でいうと、アップルなんかそうかもしれない。アップルって、工場持ってないですよね。アップル株式会社インドネシア工場、なんてないんです。アップルは何かというと、基本の商品のコンセプトだとか、概念だとかそういうものをきちっと練って、商品の方向性、ビジネスの方向性を、大事なところは決める。さあ、じゃあこれをどうやって作っていこうか、生産して供給していこうかという、ものづくりの部分というのはいろんな企業に委託しています。それを引き受ける会社がいっぱいあります。台湾とか、中国企業が結構多いです。そういうやり方をODMといいます。これもある意味ではB to Bビジネスですね。

どこかの会社で商品の骨格が決まったら、それを企業として受け止めて、全部作って供給してあげると。だから大体どんな会社でも、一般コンシューマー向けの営業部門と、B to Bの営業部門が分かれていますが、一般の消費者向けというのは、市場を予測してうんと作っちゃう。倉庫にたくさんあって、それをどんどん問屋さんを通したり、大きな家電店を通して売ります。
だけどB to Bビジネスというのは、基本的に受注してから生産します。注文がないと絶対生産しないです。そういう大きな違いがあります。企業対企業なんて、ごまかしがききません。お互いに成功して利益を出しましょうねというところが非常に明快です。ここで、信頼を失ってしまうと、その企業との仕事は一切できなくなっちゃう。そういう厳しい面を持っています。顔と顔を合わせて、お互いに打ち合わせを綿密にしてやる商売で、高い専門性が要求されます。
それから、品物を送り出す企業というのはネタを持っています。ネタを探しに行くには、その企業の中の研究所でネタをうんと探します。そのネタを絞り込みます。検証します。絞り込むときに検証が必要ですね。自分たちだけで検証するんじゃなくて、取引先にもちゃんと聞きます。皆さん、このネタどうですかと。それを、すり合わせて、最終的には次の商品像、これはもう自分たちの会社の中で商品像のイメージを作る。だけど、取引先の方にもこのネタで商品像でビジネスができると思いますかと聞きます。そのあと、試作を重ねて、なんとか動くものを作ってそれを評価してみる。そういうのを繰り返しながら、だんだん一台試作から、5台試作になって、最後は金型というものを発注して、量産体制に入っていきます。
その中で、よく工場見学を得意先を呼んでやったり、打ち上げの懇親会をやったり、プレス発表、宣伝広告を考えたり、納品をして、最後は売り掛け金の回収までやって、それで今回のこのビジネスの結果はどうだったんだろうと分析して、それでまた次のビジネスに行く。
場合によってはだめだったので、撤退ということも考えられます。会社というのはそういうことを繰り返しながらやっています。

B to Bの「やり甲斐」と「苦労」

ちょっと僕のペースで進めていきましたが、ビジネスtoビジネスって皆さんの目線から見て、自分にもできますか?っていう疑問が多少あるかな。
そういう目線で見て言うと、やりがいとか苦労とかはどんなところにありますか?というと、結果が見えるのが結構早いですね。要するに、一般コンシューマー向けの商品というのは、いろんなプロセスを経てお店を経ていくので、自分たちの耳になかなか直接店頭にでも立たない限り、お客さんの反応というのがなかなかつかみにくいけど、B to Bはお客さんと顔と顔を合わせていますので、よく見える。もうひとつは、かなり無体な要求をされることもあると思います。相手先も要求するのは無料ですから。
やっぱり商品を良くしたいとお互いが思っていますから。一般コンシューマー向けのものを作っているときは、いろんな意見が出てきますが、その中から自分で勝手にいいところだけ取ればいいわけです。ところが、顔と顔を向き合わせている相手ですから、言っていることはほとんど聞かなきゃいけない、という苦労はあるかもしれない。

それから、向き不向きはありません。確かに営業をやるときには、営業としての明るさだとか気転の利いたところとかあると思いますが、僕は一番大事なのは、志を持つことだと思います。その商売を自分でやらなきゃいけない、これは営業になるか経理の仕事になるかわからないですね。B to Bビジネスだっていろんなところがありますから。
仕事というのは、やってみなきゃわからないです。私自身も会社に入るときにエンジニアとして入ったんだけど、何ができるかなんてぜんぜんわからない。でも時間が自分を磨いてくれます。

でも一番大事なのは、志を持つこと。
その仕事に対して志、やってやるぞという志、
どうやったらできるんだろうという考える志、
勉強する志、わからなかったら、誰かに聞くという謙虚な気持ち、

みんな志です。それさえ持っていれば、どんな仕事についたって皆さん大丈夫です。
勝つときもあれば負けるときもある。でもそれに負けないように、自分に心の中に、背骨に一本志を持っていると、絶対そんなものには負けはしないで、ちゃんとした人生を送れますから大丈夫です。

学生へのメッセージ

今は過度の大企業集中。就活動やっている学生として何が大事ですかって聞いたら、企業を選ぶことだって言っていたけど、半分は正しい。
だけど、説教親父から見ると、企業をまず選ぶというのは、大きな間違いを犯している。自分がどういう道でこれから生きるのかっていうこと、自分の適性、どういう職がいいのか、それらを考えることのほうが先なんじゃないかなという気はしています。
皆さん持っている個性があるから、個性にぴったりあった仕事って絶対世の中にあるから、それを探し出すのは、ちゃんと志を持つことですよっていうことが言いたい。個性それぞれです。みんないろんな個性を持っているんだから、それを活かせばいいんです。

人事担当の独り言っていうのは、集めてみたらこんなこと言っていました。
「体育会系って結構評判いいですね、打たれ強いから」「頭はいいんだけど、常識がなくてな」
「なんで一流企業ばっかり望むのかな」「何で相手の目を見て話さないのかな」
いい話もたくさんありますよ。日本の企業だって、まだまだ捨てたものじゃないし、世代交代で我々はどんどん辞めていくから、仕事はどんどん増えていくと思います。

最後に、機会があってここで話をさせていただいて、本当にありがとうございました。目先のことで目いっぱいなんだろうけど、ちょっと時々は、これでいいのかなと思い出して、自分の志ってどこにあるんだろうということを考えてくれるようになると、道はどんどん開けてくると思います。ありがとうございました。


>>業界研究 第13回 不動産