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2011年度第11回 金融(メガバンク)業界(通算11回)

金融業界経験 堤 和雄 様

大学卒業後、三和銀行(現 三菱東京UFJ銀行)に入社
学生時代に英語留学で培った英語を、入社後さらにレベルアップさせ
銀行協会のベックハルト基金で米国留学。
その後、スイスチューリッヒ 中近東 香港を舞台に世界で活躍されてきた。

~ 金融業界について ~

みなさんこんにちは。今ご紹介いただきました堤でございます。
私が大学を出ましてサラリーマン生活に入ったのは、この大学がちょうどできたころで、皆さん方に、どういうふうにして私が銀行の業務に取り組んできたか、社会人としてどういうふうにやってきたか、やがて皆さん方が実社会に出て行かれるわけですが、どういう心構えでいられたらいいのかなというのを、お話していきたいと思います。

銀行のこと~ひよこの時代

私の話を少ししますと、私は三つにわけました。ひとつは、社会に入ると、最初ひよこの時代。22くらいから30前半、その次が若鶏。それから親鳥。これは大体50代くらいですと。これぐらいに分けてお話します。

ひよこの時代。
まず一週間、新入社員を全部集めまして、集合研修をやります。
銀行の仕組みだとか、人事のご担当、あるいはシステムのご担当だとか、事務関係のご担当だとかが、缶詰で研修するわけです。その研修が終わりますと配属になります。指導員とペアになって、育成していくというのが、大体ひよこのときなんです。
仕事の中身はなにかというと、私の場合で言うと、朝から晩まで札勘定。お札を数えることです。慣れてくると集金に行かされます。お客さんのところにお金をお預かりに行くという仕事。そういう仕事を約2年間。

重要なことは、へこたれない事。つまらないと思うんです。単純作業がものすごく続く。
2~3年間それを我慢してください。もうひとつ重要なのは、好かれる人間になってくれと。好かれる新入社員になってほしい。これは何かというと、礼儀作法と、コミュニケーション能力。この二つです。2~3年我慢すれば銀行の場合は転勤しますが、違うポジションに、また違うシチュエーションで行きますので、だから辛いだろうけど、歯をくいしばってやっていって欲しいということを、ひよこのときは申し上げたい。

私はどうしたかというと、3年目に銀行で公募の試験を受けてアメリカの大学院に行きました。大学院に行って、英語をもう一回勉強しなおそうということと、新しい語学をもうひとつやりたいということでドイツ語を選択しました。
それから営業をやりたいと思ったので、マーケティング一本にしぼって勉強しました。
マーケティングを勉強したときに、アメリカの企業というのは、ケーススタディというのでやります。要するに消費者を徹底的に分析する。この人はどこでどういうものを買って、うちの品物はどの層で売れているのか、若い人に売れているのか、中堅に売れているのか、店舗をどこの場所に持っていったらいいか、そういうケーススタディを2年間ほどやりまして、アメリカの支店で1年くらい実務をやらせてもらいました。

日本へ帰って東京の支店に行きまして、そこでは主に新しい仕事で、融資・貸付といいますが、企業や個人への貸し出しということで、いつもいつもお客さんの話を聞いて、お客さんがどういうことをしゃべろうとしているのか、なにをやろうとしているのかということを早く理解し、お互いに意思疎通ができるよう、‘人が何を言っているのかを聞く’訓練をずっと続けていたんですがそれが役に立って実績を上げたというのを覚えています。

そこで非常に勉強になったのは、こっち側から話を聞きに行くこと。
貸し出しというのはお客さんが来てお金を貸してくれというとき貸すのも必要なんですが、もうひとつは、いろいろな話を聞いてお金借りられませんか、ということも2wayでやったわけね。それで、非常に喜ばれたのを覚えています。

銀行のこと~若鶏の時代

次が、若鶏の時代。
すぐスイスのチューリッヒに行きました。スイスの金融の中心地です。そこで、今で言う証券業務や、為替など朝から晩までいろいろな勉強をやらせていただきました。
そういうことを勉強して、帰ってきてから、今度は本部に来て、その縁で国際金融部。

だからアメリカ行って、ヨーロッパ行ってあとは東南アジアだけだという頭がありまして、日本の本部で国際企画部に行ったんですが、そこで香港支店を中心に、東南アジアを強化していくと。
今でこそ東南アジアが非常に大事だというふうになっていますが、そのときはあんまりそういうことを言う人いなかった。私は欧米は古いと言ったものですから、銀行の中で大騒ぎになりまして、おまえなんだと。まだ若鶏の時代ですよ。いい加減にしろと言われたんですが、私は自説を曲げなかった。

なぜかというと、営業のときにお客さんから、東南アジアへ進出したいという要望が8、9割あった。銀行はそれに対応しきれていない。東南アジアはこれからで、拠点の整理ができていない。だからこれからやるべきだということで、この時代に私はアジア戦略と、銀行で南下作戦というのを作った。
企画部で練り上げて、行内を納得させまして最終、香港支店に行ったんです。

香港支店で私は営業の責任者としていきまして、営業の極意はなにかというと、できるだけ多くの人に会えと。
私はどこどこの何ですと。私はこういうことに興味を持っています、私はこうしてほしいんです。コミュニケーション能力プラス、自己宣伝に近いんですが、皆さん方の自分自身を売り込んでほしい。それが営業の第一番。
それから二番目は、よく言いますが、行動するということ。知識とか知恵よりも、足。行動力。今はメールを入れたり電話で済ませるのもありますが、必ずその人に会って、名刺をもらってこいと。商売はそこから始まると。それから次の展開に開けるように、次のステップへ持っていくと。
これをやりますと、どの業界でも大体営業は出来上がります。

銀行のこと~親鳥の時代

次のステップで、親鳥へ出世していくわけです。
これは経営者、経営陣と一緒です。若鶏のときはもう実行あるのみ。ガンガン前へ進むと。夢を描いて、夢は僕の場合、「営業で社内で一番になる。」そのためにどうするかと考える、自分でステップを突き進む。でも親鳥までくるとちょっと違うんですね。これは責任感というのが重要です。責任感と、部下を育てるという力。両方いります。

実例を出しますと、私が支店長で赴任して、ぱっと店に入ったときに、これはいかんと思いました。明るくない。だから僕は明るく楽しく、これをとにかくやろうと思って、皆さん方が何を考えているか全員にペーパーを配って、みんなが俺に何を望んでいるのか、名無しの権兵衛でいいからと、書いてもらいました。
そうしたら、なんと一番多かったのは「会議をやめてほしい」というやつです。「会議が多すぎる」と。シャッターが下りてから、延々20時、21時、22時と。それがなんと18回会議があった。それをゼロにした。いらない。
コミュニケーションをこっちから取っていくからということで、それを直ちにやった。

それから私と副支店長、毎朝二人でお客さんをお出迎えしたわけです。
おはようございます、いらっしゃいませと。私は在任中全部続けた。彼らにもそれをやらせた。
そうすると何が起こるかというと、お客さんが、「支店長ちょっと…」と言って、私を呼んでくれるんです。
支店長に本音を言うわけ。お宅の店ずっとお付き合いしているんだけどここがこうだよなと。もっとここをこうしたらいいなとか、そういうことを言う。
だから情報の入手のためにも朝の挨拶は非常に重要。私も声が大きいんですが、副支店長の小さい声がそのうち大きくなりました。

三つ目は、お客さんが店の中がきたない、暗いと。変えたほうがいいんじゃないのと言って、そういう工事をやると、それは支店の経費になるんです。たとえば1億かけて店をちょっとモダンな格好をしたら、その後1億稼げ、とこうなるわけです。
私も考えに考えて、それで店舗の持ち主と銀行に相談して、店舗の屋上に広告つけてくれということを本社へ行って会長と社長にお願いしまして、頼みますからつけてくださいと。あんまり私が何回も足を運ぶものだから、折れてくれまして、店舗面積のネオン広告ができた。そしてその広告の収入で改装したわけです。

そういうことは全部トップがやらなきゃいけない。銀行の支店だとか持ち場全体にかかわる重要な決定を下すか下さないかというのは、スピードを持ってやるには、この親鳥の時代しかないです。そういうことをやるんです。

学生へのメッセージ

ちょっとだけ、今まで私の経験を申し上げてきましたが、私は営業一筋でございます。
だから営業で、とにかくいろんな人に会うということが大好きでして世間話をすると。それから商品の話はずっと後でいい。そこに通って、ネットワークを作って、一生懸命やっていると業界の方やいろんな方がいろんな応援してくれます。
あんまり自分でやろうとしなくてもいい。あんまりいろんなことやるとノイローゼになりますから。
だから一歩一歩やっていたら、ステップバイステップです。

今、世の中は、インターネット社会ということになっていまして、業態の変化というのが起きている。
銀行というのは、今まで私は銀行業と言っていたけど、これからは総合サービス業。もう一歩進めて、総合サービスデリバリー。そういうところまで業態が変化している。

だから就職する入り口はいくらでもある。
そのドアをたたくかたたかないかは、皆さん方のお心ひとつでございますので、人生に対する、社会人に対する心構えを持っていかれて、ぜひご奮闘していただきたい。
あんまり硬いことを考えずに、それを乗り越えて、ぜひがんばってください。ご検討をお祈りします。


>>業界研究 第12回 電機・機械