グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2011年度 第10回 鉄鋼業界(通算10回)

2011年度 第10回 鉄鋼業界(通算10回)

鉄鋼国内商社 経験 M様

兵庫県西宮に生まれる。
学生時代はラグビー部・ワンダーフォーゲル部に所属するスポーツマン
大学卒業後、鉄鋼商社に入社。
チャレンジ精神旺盛な商社マンとして活躍する傍ら、社内のコーラス部長も務める一面も。

~ 一人の商社・鉄鋼マンの歩み ~

こんにちは。今日の講義は、講義らしい講義というよりも、どちらかといえば、僕の経験というか、そのままの入社を含めた社内での生き様、生活、この辺のことを含めながら、いささか教訓になるようなことがお話できれば幸いに思います。

総合商社とは

総合商社はどういうところかといえば、たとえば、食品部門・日常生活のライフスタイルの部門・木材、紙、パルプ部門・エネルギー関係・金属関係・輸送機関係・電力・インフラ関係・プラント産業機械関係・開発建設・金融、物流、情報関係・海外法人・管理部門など。
海外を含めてみますと、69カ国に事業所を設けて、119地域、まさにグローバルな商社になっているわけです。

私自身、背番号がついているのは金属部門でした。金属部門といえば、薄板、薄い鉄板ですね。この薄板なんかは家具、冷蔵庫。一方、特に専門化したのは自動車用鋼板。あるいは、建築用の鉄骨・配管パイプ・ステンレスとか特殊な硬い鋼のような鋼材、またそれぞれ加工から物流まで伴っていく。本当に川下に広くなってきているわけです。これが商社グループなわけです。

では、それぞれどういう特徴があるかといえば、当然のことながら、トレードビジネス、取引関係というのが一番の柱です。要は仕入れて、一定の付加価値をつけて販売する。これは商売の原則ですよね。
そこにはそれなりのノウハウ、知恵、企画が当然いるわけで、海外を含めて仕入れソースを探し、どれだけコストセーブできるかの知恵を出し、そして付加価値をつけるために、中間で加工したり、あるいは物流を簡素化したり。また、お客に対するサービスも取り込んでいく。

119箇所もグローバルに事務所を持っているわけですから、地域の政治経済の情報。あるいは253の多品種の商材を扱っている会社からあがってくる情報。この辺のことを把握しながら、お客さんに情報を提供していく。あるいは仕組みを作っていく。「これとこれを合わせたら、お客が望んでいるものができるかもしれない」というようなことで、そういう仕組みを作ったりしながら、オーガナイズ、組織化していくというのが商社の役割です。そういう意味では、一番大変で一番面白いところなわけです。

国内鉄鋼業について

2年目になって僕は基幹産業である鉄鋼のほうに行きまして、自動車メーカーを担当しました。いろんなバリエーションの自動車の鋼材に使う明細がありまして、それをうまくお客さんのニーズに合わせた形でデリバリーするわけです。
たとえば、大きな鉄のコイル10t、20tを納入すると、加工場でどんどん潰して部品を作ります。自動車部品を作ったら、ラックがあるわけですね。そこに、看板というような小さなラベルみたいなものをはさんでおく。だんだん物がなくなってくると、この看板が出てくるんです。
在庫をミニマムにしてあまり持たずに、入用になってきたら収めますよと、こういうシステムで生産していました。

それから、青森に6年おりました。青森で商売というのは、ゴルフ場を作りたい、スキーリフトがほしい、粉砕機、ごみ焼却炉、というような話もあったり、いろいろ耳立てて関心さえ持てば、いくらでも商売はあるわけです。
青森で一番面白かったのは、CAというコントロールドアトモスフィア、空気組成。今どこに行っても、りんごには「CAりんご」と書いてあります。このCAりんごを僕は青森に行って6年間惚れた商品なわけです。
CA、つまり空気組成というのは20%酸素があって、窒素、炭酸ガス。ここの酸素を、2%くらいまで下げちゃうんです。気密の倉庫にして、0度近い、1度くらいの温度にしてどんどん酸素を抜くとりんごが仮死状態になるわけです。そうすると、秋にすぐ出さなくても来年の夏にみずみずしいりんごが供給できると。
そういうシステムがスイスにあるぞということで、これは面白いと思って、津軽のりんご屋さんを廻りに廻りました。それで説得しながら、いくつかリスク張りながら、共同的にチャレンジするというようなことで、三つ、四つ、五つ、倉庫をこういうCA倉庫に切り替えたりしていったわけです。さらに20数人のりんご屋の御曹司のおじさんを集めて、ヨーロッパのりんご貯蔵の実態を見に行きましょうと、祭り上げて本社で稟議をあげて、組織して、ヨーロッパに二十日間あまり、りんごの貯蔵倉庫を見に行きました。初めて出張所レベルで、やろうと思えばなんでもできるということで、商売の面白さを十分楽しんだと思います。

またそれはコミュニケーションを取ることが目的でもあります。一緒になって、そういう商売をネタ作りしながら、楽しみながら人間関係を深めていったということでもあるでしょう。
いろんなメーカーの中で本当に腹を割った付き合いができるように人間関係を作り上げて本音をどう聞いていくか、これがやっぱり商売の原点です。それからフォローもしてくれる関係作りをしていかないと難しいわけで、正直やめたいときもあったけど、青森時代も青森木下山岳会の仲間たちともはねまくったり、ねぶたで踊りまくったり、いろんなサークル活動もやってきて、やっぱり仕事だけじゃなくてフォローしてくれる仲間がいたということも良かったと思います。

いろいろな環境の中でどう生きがいを見つけていくかというのは常に自分の問題として考えないとだめだと思います。まず仕事は与えられるのではなくて、積極的に教わりながら自分で作るんだよと。そういう意識を持っていないと、言われたことだけをやるようなことでは、これはもう会社としては使いづらい。やっぱり自分で判断して、こうしてみたらどうだろうということを考え、アイディアをいつも考えて出す。こういうようなことが大事だと思います。

就職活動される皆様に

就職活動というのも一生に一度かもしれないし、入ったら縁を大事にして、まず自分なりにがんばってどう努力するか。そうでないと、求め続けて得られるものじゃないよね。
そしてチャレンジする。それは自分一人で抱え込まずに回りを巻き込み、上司にも稟議をあげてアピールし巻き込んで、一生懸命チャレンジしてみて、自分も一緒になって仕事を作り上げる、ということが大事。悔いのないように頑張って下さい。つたない話でしたがこれで終わります。ありがとうございました。


>>業界研究 第11回 金融