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2011年度 第9回 流通(小売)業界(通算9回)

株式会社西友 出身 鈴木 栄治 様

㈱西友にて食品バイヤー・商品企画担当・食品部長・専門店リーシング部長を歴任
㈱西友のPBとして誕生した【無印良品】の企画・開発に当初より関わり、業界の話題を集める。
1999年 コンサルタント会社 ㈱システムプランニングを設立して独立。代表取締役に就任。
これまで、100社以上の商品開発・営業指導・社員研修に関わり、
【売】【買】両面に精通する実践コンサルタントとして、
マーケティング・商品開発・販路開拓・販売促進・人材教育で活躍している。

~ 企業が期待する法人営業マンのあり方 ~

皆さんこんにちは。ただいまご紹介をいただきました鈴木でございます。皆さんがこれから社会に出て行くために、どんなことを学んだらいいだろうか、知ったらいいんだろうかということを、参考になればということで、お話させていただきます。

今後の社会環境、流通業界の動向

昭和39年 東京オリンピックの年が、大学の1年生でした。そして、ちょうど私が就職をする年というのは、昭和42年。オリンピック後少しずつ景気が下がり始めて、昭和40年くらいからどんどん悪くなってきた。そういうときに就職期にぶつかったんです。そのときにどんな会社がいいかな、どういうところへ勤めたらいいんだろうと考えたときに、あんまり景気・不景気に影響を受けない業種がいいなと思ったんです。

一つが、食品業界。もう一つは、流通業界。流通業界になぜ興味を持ったかというと、大学のゼミで、流通論というのがあったんです。初めてアメリカにスーパーマーケットという小売の業態があって、今すごく伸びているというのを勉強したんです。すごく興味を持って勉強しました。
当時の日本は百貨店が一番でしたから、これからは新しい流通業。今は小さくてもいいから、将来伸びそうだなということで流通業界を選びました。

今の日本は、成熟化社会です。今のいい状態をどれだけ保てるか、これがこれからの課題なんです。企業を伸ばそうと思ったり、商品をどんどん広げようと思ったら、海外です。これがグローバル。将来性は海外で通用するかどうかという企業をひとつポイントを見てください。

では、これからどんな業界が有望なのか。
まず5K。Kのつく業界。
1、環境ビジネス。省資源リサイクル、無駄省く。これがこれからの成長産業ですよね。
2、観光ビジネス。日本の歴史文化、景観、癒し、学び、体験、仲間作り。レジャー、レクリエーションも含めて。
地域ぐるみの地域おこし、地域開発、総合の事業です。この分野に若い人の力が必要です。
3、健康ビジネス。特にダイエット、アンチエイジング。もちろん健康用法とかの健康産業です。
4、高齢化ビジネスです。医療、福祉、余暇。
5、なんと少子化と言われながら、子供ビジネスなんです。子供服、おもちゃだけではないんです。教育費から何から。子供に対するお金は惜しまない。一人の子供にかけるお金はこれからどんどん増えます。

日本はこれから成熟市場から、今度は超熟へ。柿、これ以上熟したらあとは落っこちるだけですから。そうならないようにするのが、これからの日本の課題です。
そうなるためには、もうひとつのKが必要です。
1感動、2簡単・便利な機能、3海外。
この3Kがあって初めてこの市場の5Kとリンクしながら伸びる、と思ってください。

流通業時代に関わった「無印良品誕生秘話と成功の秘密」

西友で最初はお菓子のバイヤーから始まって、4年目で商品開発の担当にと言われて、そのときに西友のプライベートブランドを作ろうということで失敗もしましたが、その失敗の中から最後に成功した私の勲章、無印良品です。無印良品は1980年に生まれました。

実は1980年というのは、もう成熟化がちょうど始まって浸透した時代なんです。
経済発展して、消費者もお金がだいぶ回りだし、給料が上がりました。ライフスタイルが変わってきたんです。
消費者一人ひとりが、個性、感性、自己実現を目指した。だからブランド品よりも、自分の価値観に合ったものを求め始めた。そこに、生産者は気がついてなかったんですね。小売業者も。
こっちから一方的に宣伝すれば売れると思っていた時代が、もうずれ始めたんです。西友のオリジナル商品も一生懸命安く作ったんだけど、あんまり売れなかった。
そこの見直しから始まって、マーケティングを勉強してたどりついたのが、無印良品という考え方だったんですね。

無印良品の考え方はどういうことかというと、
・今までのやり方を否定する。
・そして、発想を変える。
・今のお客様は情報を求めている。

「安い値段でもなぜ買ってもらえなかったのか」というのはこの情報がなかった。
自分たちの都合のいいことしか言ってなかった。これを正しく正直に出そう。そうでないとお客さんに理解してもらえない。
安くなる理由を三つ見つけたんです。
素材の調達の仕方。最初、30年前に直接海外に買い付けに行ったんです。
カシミヤの原料やインド綿などを、インドや中国の一番奥地の羊毛業者・牧場主と直接交渉しました。だから安く買えたんです。それから、無理、無駄の製造工程を極力省いて、シンプルにした。最後に、包装を簡略化した。
こういう事情で訳あって安くしました、ブランドとしては売れないから、無印で売ります。
でも中身はいいものです、変わりません。

「無印良品」

そして、商品名の上につけた。すぐ目に入るように、しかもわかりやすく、だから簡単なキャッチコピーにした。
一目で理解できる。だから、無印良品の商品は、すべてこの情報と、商品名とグラムと値段、それと、このブランド名。これしか付けていません。これで、文化人、知識人、今の若い人たちが賛同してくれたんですね。

こういうことを、「世の中の動きを見ながら、変える」ということです。だからこれが発想の転換。
わかりやすく情報をつけるということです。
そして、無印良品のお客さま、誰にでも買ってもらおうなんて考えはおこがましい。この無印良品の思想、考え方に納得してくれた人だけをお客様にしよう、こう思ったんです。
「自然、生成り、シンプル、飾らない」これが無印の考え方です。
それに同調して、自分たちのリビングで邪魔されないようなデザイン。いつでもどこへ持ってきても合う、シンプル。
無印良品でそろえたい。そうなってきたお客様だけをターゲットに。無印良品のメインターゲットは、35歳なんです。
一番のコアな主力の世代。30代。無印良品の生き方、考え方。そこから、そういうふうにもっていったということです。

企業人に求められる5つのワークと地頭力

大事なことは、新しい仕組みづくりをどう作るか。
そのためには、これから皆さんが企業に勤めたときに、働くわけですから。
ワークです。ワークには5つの要素が必要です。

まず、ヘッドワーク。頭を使え。
世の中を動きを、どういうものが伸びるか、勉強してますか?経験してますか?知識持ってますか?ヘッドワーク、これが原点です。

2、フットワーク。足で稼げ。行動して、そこから新しい情報を得る。
3、チームワーク。団体でやるものは、全部チームワークがある。総合力で戦っている。だから連携だとか、
総指揮だとか、そういうものにうまく連携して活用しあう働き。
4、ネットワーク。いかに人脈、情報を取るか。ネットワーク大事ですよ。
5、私はこれが一番大事だと思います。ハートワーク。気配り、気遣い、心配り、やさしさ。人間付き合いですよ。
これから社会に入ってこれが一番求められます。先輩、後輩、上司、部下。取引先、売り先の関係。全部、人間性が出ます。これを磨いて勉強しないとだめです。実践してみてください。

それから、地頭力。心を養う。地頭力って聞いたことある?地頭力とはなにか。
これは有名なIT企業さんが、入社試験で出したんです。

「富士山を動かしてください」

どうやって皆さん答えます?これが地頭力を問われた。おもしろいでしょう?論文です。
すなわち、何を求められたか?原理原則、基本に忠実で、不可能なことをなんとか可能にできないかと、一生懸命悩み、考え、延々に挑戦し続ける人間を「地頭力人間」と言うんです。
自分が本来持っている人間の知能。人間は考える葦であるということわざがあるように、それを発揮できるかどうかを問われた。だから、延々と書いた人が合格したんです。答えは、別に合っていなくていい。組み立て方ですね。

これからは、デジタル化とアナログ化、すなわちIT活用と、人間が持つ力。これをバランスよく使い分ける能力、知識を持つか。これが大事です。

社会人に求められる7つの頭文字【あ】【す】【は】【し】【あ】【わ】【せ】

セールス基本7原則ってあるんです。「あすはしあわせ」と覚えてください。「明日は幸せ」これをやったら明日は幸せになるんです。私、今実践しています。一日一個ずつ実践してください。
「あ」挨拶を積極的に。「す」スマイル、笑顔。「は」はい、返事。はい、とは拝啓の「拝」と書きます。謹んで、という意味です。「し」姿勢。立ち居振る舞いというのはすごく大事ですから、態度・背筋を伸ばしてきびきびと。「あ」ありがとう、感謝。「わ」話題。営業活動では話題豊かにまず会話、いきなり仕事の話に入らない。打ち解けないと進みませんから。「せ」清潔、整理、整頓、後始末、これ全部です。これは、すごく大事なことなので、「明日は幸せ」と覚えてください。

最後にこの言葉、詩を送って終わりたいと思いますが、
企業の社長さんに‘どんな社員がほしいですか?’とアンケート取ったら見事に詩に書いた人がいるんです。

『いつどこで何を頼んでも、
素直に明るく喜んで引き受け、
すぐに取り掛かってくれる人がある。
そんな人は使いやすく、
だから仕事はその人のところに集まる。
仕事が多いと文句を言うが、
仕事を頼むのは、あなたを信用し、
あなたを重要視しているからだ。
同じ使われるなら、仕事を頼まれやすい人となろう。
仕事が能力を磨き、仕事が自分を鍛えてくれる。
仕事の多いことを感謝しよう。』

これが、これからみなさんが社会人になったときに、要約すると一番求められていることかもしれません。まだまだお伝えしたいことはたくさんあるんですが、これで私のお話は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。


>>業界研究 第10回 鉄鋼