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2011年度 第7回 食品業界(通算7回)

株式会社エヌエイチファイブ 植木五郎 様

大学卒業後、鳥清ハムに入社(現在の日本ハム)
食の安心安全を信念に取締役常務執行役員 惣菜事業本部長、コンプライアンス推進本部長に就任。
現在は食肉チェーン店などへの経営コンサルティングを手掛ける株式会社エヌエイチファイブの代表取締役。

~食の安心安全をテーマに中小企業の実態を学ぶ~

今日は、皆さん方が企業の情報を取っていくにはどういうポジショニングをとらないといけないか、何を見なければならないかということをバックにしながら、食品会社の話をメインに現代の企業はどうなっているかを皆さん方にお話をしていきます。

食品業界の安全・安心

さて、賞味期限と消費期限の違いが分かる人いますか?
消費期限というのは、大体5日くらいまでの間で‘日が過ぎたら急激に味が落ちたり品質が落ちたりするので、食べないでください’というのが消費期限。一方、賞味期限は‘全然大丈夫なんだけど、ある程度行ったら味が落ちてくるから早めに食べて’というのが基準です。
元々、最初は消費期限も賞味期限も書いてなかったんです。製造日を書いていた。あとはお客さんが勝手に味わって決めてよというのが、昔の日本のルールだったんです。それでは事故が多くなるので、お客さんに大丈夫なルールを作りましょうというのが、賞味期限と消費期限なんです。
消費者に安心して食べていただくにはどうしたらいいかという苦労の一環なんですね。
食品の安全と安心については、十分配慮するような時代になった。それが会社のグッドのポイントなんですね。

もうひとつ特にお話ししておきたいのがグループの話です。私が入りました日本ハムというのは本体がありますがグループ会社が野球を含めて約100くらいあるわけです。そういうグループの全体が、日本ハムの評価につながるようになっている。最終的には、そのグループ同士で人が行ったり来たり異動したり、日本ハムのグループ会社と他社のグループ会社が一緒になったり、そういうことが次々と起こっているわけです。
一時期、食中毒問題や狂牛病問題で食品業界が大騒ぎになりました。親会社は自分たちの会社を守らないといけないから、子会社を潰してしまうところもありました。ところが今は、‘悪いのは従業員のせいにするんじゃないと。上の指導が悪かったから責任を取ると。グループ会社の雇用も守ります’という具合になりつつあります。従業員を守る・雇用を守る、という会社でなければ、これからはだめだということで言われています。

大学生が就職したい企業、企業が欲しい人材

では、特に皆さん方がそういう状況を理解した中で「就職をしたい企業」というのはどういうところなのか、ということになるのですが。
「働きやすい会社」とはなんですか?働く側からみて「いい会社」というのはなんですか?
1、 休みが取れるか
2、 労働時間が少なく済んでいるか
3、 残業がいっぱいないか
というのが、今の働いている人たちの「いい会社」を決めるポイントです。

今度は、昭和の初めはどういう勤務状態であったか?
1、 勤労の汗。豊かさをつかむ
2、 昼夜健康で滅私奉公。
3、 土日返上はあたりまえ。時間を考えずに働いた。働かされたというよりも、働いた。
これが、皆さん方の環境と大きなギャップなのです。

なぜこんなことを言ったかと言うと、皆さん方就職して大騒ぎして入ってくるんですが、実際には、3年間経ったら、3割の人が辞めるんです。七五三という言葉があるんです。3年経つと中卒の人は7割辞める。高卒の人は5割辞める。大卒の人は3割辞める。これ昨日今日の話ではない。昔からこれと同じことを言われている。

最初の説明会のときに、私は必ずやります。惣菜事業本部長だったので、「新入社員ごくろうさまです、惣菜事業部のことについてお話します。うちの職場へ来ていただいて非常にありがたい。」いろいろ説明して、最後に「どうも会社が馬にあわないとか、この会社には納得できないなということがあったら、早く辞めてくれ」と。
3年も5年も10年も経ってから辞めてもらったら困る。最初の3年や5年は、会社は従業員を教育するために投資しているんです。10年位経ったらそういう人がメインになる。会社がプラスになる。だから10年経って辞められたら困るわけです。教育だけ、投資しただけで何も残らないということ。

だから、肉はなんとなく好かないとか、ハムは嫌いですとか、こんな人が多いところは嫌ですというような人は最初一週間したら分かるでしょうと。「気に入らないと思ったらすぐに辞めてくれ。長いこといるな」と、こういうことを私は必ず言った。
これ人事部に嫌われまして、せっかくいい人を集めたのに、ちゃんと植木さん教育してくださいよ。
人間は教育でしょう。教育したら立派な人が育つんだから、教育してください、といわれて怒られた。

でもね大学生になった人は今までの間に立派に教育できあがってますよ。自分は気が強いとか、やさしいとか、音楽が好きだというのはもう大体決まっているんです。皆さん方もそうでしょう。本質的なのもは変わらない。あとは、名刺の渡し方とか、頭の下げ方、あるいは牛肉はどうで豚肉はどうで、海外はどうだとか、そういう知識はどんどん教育できますが、稼ぐのが好きだという人じゃないと、商売にならないんです。理屈じゃない、稼ぐのが好き。人に負けるのが嫌い、こういう人じゃないと具合悪いです。要するに、何のために就職するのかというところを、皆さん方に考えていただきたいのです。

グローバル時代の仕事

そういう事実を踏まえて考えると、自分がしっかりした個性を持って、認識をしていないと、社会と戦えないですね。
そのうえなおかつ、世間と相当ずれていますのは皆さん方はいわゆる学校の中ではゆとり教育を受けてきた人たちでしょう。
競争するのはだめよと。相手をやっつけることよりも、みんなで仲良く手をつないで歩きましょうよと、そういう時代。

世の中は違うんです。グローバル。韓国の会社と、中国の企業と競い合いしないといけない。まことにやられますよ。
ぜんぜん性格が違うから。海外の人たちは、自分の主張を明確にする。そういう人たちとこれから戦っていかなくてはいけませんから、皆さん方は大変なんです。やさしい教育をうけて、世間に最後に放り出されたような感じですから。

グローバルの時代、その代表なのがトヨタ。内定者中から10人くらいを選んで海外に語学研修に出すというのを募集するというんです。ソニーでは、新卒の採用の中で3割は外国人にしようと。ファーストリテイリング、いわゆるユニクロさんですね。ユニクロさんでは、13年以降は、1500人採用するけど、そのうち1200人は外国人にしよう。日本人はもう300でいいよと、こういうことになってくるわけです。
全員が世界で働けるようにならなければならない。楽天さんは役員会は英語にするという話がありました。
そういう具合に、企業の中でもどんどんグローバル化が進んでいる時代なんですね。

働く目的 なぜ就職するのか?

さて、会社へ入ってどこへ行きますか?というのは、皆さんの希望通りには行きません。行った会社が決めます。
「上司は選べないけど、部下は選べる」と、こういう話がある。
私はこの言葉が好きでよく言うんですが、自分の好きな上司のところで仕事ができるのではありません。上司のほうは自分の好きな部下を選ぶことができます。これはぜんぜん違うんですね。
ここのところ、頭の中に入れておいてください。少なくとも組織というのは、上の人が決めるんだから、上の方向にあわせなきゃというのが、ここです。

では働く目的は何でしょうか?というところに戻るわけです。
働く目的は、給料もらいに行くんですよ。
働くための雇用の約束事は、給料いくら払いますよという約束で、会社は採用するわけです。自分の性格と、自分の目的とをしっかり認識して、じゃあどういう人をその会社は選ぶのか。
皆さん方が会社を選んでいるように見えますが、そうじゃないんです。会社のほうが皆さん方を選んでいるんです。
こういう人に来て欲しいなという何かポイントがあるんです。
こういうことを皆さん方は自分で勉強しないといけないです。教えてもらうのではなしに、自分で勉強しないと。

それでグローバル、グッド、グループという会社の話をしたわけです。

ここが言いたいところなんです。
労働条件は親会社と変わらない。
有給も取れる、ボーナスももらえる、
産前産後の休暇があるよとか、あるいは労働時間も取れるよ。コンプライアンスもちゃんとやっている。
親会社は子会社の責任を取るべきだという時代になった。
まだ100%親会社と給料は一緒じゃありませんが、ほぼ同じような感じになってきました。
それでそれなりの会社は独立して活躍するようになってきた。

だから皆さん方が就職を狙うときに、
「日立を狙うのではなしに、日立のグループ会社を狙いなさい」 と、こういう表現になるわけです。

日立は1社です。グループ会社は1000あるんです。
日本ハムは100あると申し上げましたね。同じ日本ハムのルールで、全部やっている。
日立は日立のルールでみんな従業員の面倒を見ているわけですから。ここがポイントなんです。
だから皆さん方が就職するときに、その会社の親会社はどこかというのを調べておいてほしいんです。どこのグループですかと。
NECなのか、日立なのか、パナソニックなのか、日本ハムなのか、伊藤ハムなのか、プリマハムなのか、ということをちゃんと調べて。
それは親会社の大きさによって違うし、親会社の考え方によって違いますよね。
苦しいときに雇用を守るよという宣言した会社と、そうでない会社とではおのずと違ってくるでしょう。
そういうことも含めて勉強していただければ。

皆さん方が定年を迎えるころは、少なくとも70になってますから。
70まで働くというのもひとつ頭に描いてください。
私がいまだにこういうところに来て紹介されるは何かというと、「日本ハムの植木さん」なんです。
70過ぎても、最後は会社の名前で呼ばれる。私のブランドは日本ハムなんですね。そういうことを理解してほしい。

そのためにはしっかりやってほしい。
ただ皆さん方はひとつ恵まれているのは、ここ。いわゆる大卒なんです。大学というのは中退ではだめですよ。
大学のブランドなんかはあんまり効果ありませんから。そんな大差ないです。大学を出ていればいいので、必ず出てもらいたい。

以上です。ますますがんばってください。


>>業界研究 第8回 電機・機械