グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2012年度 第13回 損害保険業界(通算27回)

2012年度 第13回 損害保険業界(通算27回)

上村 和行 様

敬愛大学学生の皆さん、こんにちは。
私は、株式会社損害保険ジャパン 千葉支店法人支社の上村です。
1998年に損害保険会社へ入社し、2007年7月千葉支店法人支社へ配属となり、主に金融機関、官公庁を担当しています。
保険会社の社員はいろいろな部署に配属になるため、職種にもよりますが、平均すると4年ごとに住居の転居を伴った転勤が多くあります。

損害保険業界について

会社概要と業界

「保険」と言っても、日本国内では、損害保険会社、生命保険会社と2つ業界が存在しています。
本日は、損害保険業界について話をしたいと思います。

私がいる株式会社損害保険ジャパン(略:損保ジャパン)は、創業が1888年(明治21年)当時、東京火災保険として誕生しました。
従業員は約18千名。総資産は約4兆6000億円、正味収入保険料は、約1兆2,800億円です。
日本興亜損保と来年の2014年に合併が決まっており、損害保険ジャパン日本興亜株式会社という保険会社が誕生します。
日本国内の損害保険会社の多くは、ここ10数年で合併をくり返し名前を変え大きくなってきています。
損保会社が合併する目的は、おもに経費を削減し、企業体力を強化することにあります。近年の損保業界では、東日本大震災などの大規模災害や、多発する台風や集中豪雨といった自然災害による保険金支払いの増加、若年層の自動車離れによる自動車保険の保険料収入低下により、今後も業界にとって厳しい状況が続くと思われ、さらなる合併が進む可能性は高いと思います。

損害保険とは

損害保険の始まりは、様々な説があります。
特に有力なのが、紀元前300年頃に、古代ギリシャの海上で誕生したというものです。
海賊の襲来や嵐の直撃などに遭遇した場合には、船と乗組員を守るため、「船主と荷主の双方が、損害を負担する」という習慣が生まれました。どちらか一方だけが被害をこうむることがないように考案された、助け合いの知恵だったのです。
火災保険誕生のきっかけとなったのが、1666年にロンドンで発生した大火事です。
被災したロンドンの復興が進む中で、火災保険の仕組みが確立され、急激に普及していきました。
日本の保険制度もヨーロッパと同じく、海の上で始まりました。
江戸時代初期、南蛮貿易で活躍した朱印船。貸主から船主に資金を貸し付け、無事に航海を終え、日本へ帰港できれば、船主は、貸主に高い利子をつけて元本を返済する『抛金(なげかね)』という制度が始まりです。
1879年(明治12年)には、日本初の損害保険業者、東京海上保険(現在の東京海上日動火災保険)、
1887年(明治20年)に日本初の火災保険会社、東京火災保険(現在の損保ジャパン)が誕生しました。

一般的に損害保険とはよく自動車保険、火災保険、学生皆さんでは、学生総合保険が馴染みではないでしょうか。
わたしたちの日常生活には、交通事故・火災・地震・風水害・盗難など非常に多くの危険(リスク)が潜んでいます。
これらの危険(リスク)に対する経済的な対応方法は大きく3つに分けられます。
1つ目は自分自身で危険(リスク)を「保有」する(例えば貯蓄で対応する)こと、
2つ目は危険(リスク)を「回避」する(例えば車に乗らない)こと、
3つ目は危険(リスク)を「転嫁(第三者に移動)」することです。
この転嫁するということが「損害保険」で備えることになります。
損害保険は、契約者一人ひとりが少しずつお金を出し合い、事故に遭ったときの損害を補償します。
少ない負担で大きな安心を得ることができるといえます。

損害保険会社の仕事

損害保険会社といっても単に損害保険商品を販売するのではなく、販売するためにさまざまな部門が会社に存在しています。
まずは営業部門です。
営業部門では、保険商品を販売する代理店の新設・育成、お客さまへの企画提案を主に行います。
損害保険会社の営業部門に所属しているかといって、社員が直接、保険を販売することはありません。
代理店が保険商品を販売します。保険商品を多く販売するために、その代理店に対して育成等を行います。
次に資産運用部門です。
ご契約者皆様からお預かりした保険料をさまざまな投資商品に投資、安全に運営し、企業活動を支えています。
次に商品開発部門です。
さまざまな損害保険商品の開発やパンフレットなどの販売ツールを制作しています。
保険は目に見えない商品です。営業部門が代理店に対して、商品の魅力や、どのようにお客さまのニーズに応えて提案するのが効果的なのかを理解してもらうため、研修資料づくり、会議の立案、勉強会の実施までも行っています。
次にシステム部門です。
サービス向上のためのシステム企画や、IT活用の促進・管理を実施します。経営戦略にもとづいた情報システム戦略の企画を行うなど、会社全体の基盤となる部門です。
次に保険金サービス部門です。
事故受付から損害調査や交渉業務、保険金の支払いまで行います。
保険の価値は「事故が起こったときに試される」と言われ、会社の顔として、安心を提供する役割を担っています。
最後に国際部門です。
海外保険事業全般に関する戦略・施策の企画を行うと同時に、各部門と連携し海外事業活動をサポートします。

これらの部門で、保険会社とお客さまが唯一、接点がある部門は保険金サービス部門となります。
お客さまが事故に遭遇されたときは、保険会社にご連絡をいただき、事故の確認・調査を行い、事故を解決し、保険金をお支払いします。

営業部門の仕事

損害保険商品の販売は代理店が行っています。その育成や支援を行うのが、営業部門です。
規模拡大のため、新しい代理店の設置、ライバル他社の代理店とも取引を開始する必要があります。
その代理店が当社の損害保険商品を販売できるように、各種提案や情報の提供を行います。
代理店は、保険会社と委託契約を結び、保険会社の代理人として保険商品の販売を行いますが、保険専門に販売する代理店だけでなく、自動車販売会社、金融機関など、本業に関連した損害保険商品を販売する代理店もあります。

損害保険会社営業の仕事

損害保険会社の社員が日頃どのような仕事をおこなっているか、どのような時に大変さや、やりがいを感じるか話したいと思います。
私の所属している営業部門は、特に専門性の高い代理店、お客さまとして、金融機関、官公庁などを担当しています。
例えば、金融機関への主な営業は、金融機関の窓口で住宅ローン融資を受けるお客さまに対し、火災保険がスムーズに販売できる環境にすることと、また、その金融機関が取引している企業へ、預金、融資だけでなく、さまざまな損害保険商品の提案、リスクコンサルティングを実施することです。
他社の商品も販売している中、当社の商品が選ばれるよう、様々な提案を行い、金融機関が「お客さまへ売りやすい」「お客さまがわかりやすい」「お客さまから喜ばれる」と思ってもらうよう、本店や各支店に対して勉強会等を行います。

保険の営業を行っていて特に大変なことを3つ話したいと思います。
まず1つめに、「保険」は見に見えない商品です。
事故が発生し、初めてお客さまが「保険」を実感します。お客さまがイメージいただけるように販売方法を考えます。お客さまごとにパンフレットや提案書を独自に作成するため、多くの時間と労力を費やすこともあります。
2つ目に、代理店設置と代理店指導です。
保険商品の販売は、代理店が行います。
保険商品を拡販するため、代理店数を増やす必要があります。代理店は保険会社の社員でもなく、独立した組織です。
代理店を数多く増やし、かつたくさんの保険商品を販売する優秀な代理店へ育成する経営コンサルティング的な能力も必要となります。計画通りに進まない時もあり、何度も代理店へ足を運ぶこともあります。
そして3つめに成績の達成です。
代理店が販売する保険料を管理し、その販売額(保険料)を達成する必要があります。
会社が決めた目標販売額に対し、自分自身の目標額を上司と決め、その成績に向かって仕事を行います。自分自身で目標を決めることができますが、仕事は会社から与えられるのではなく、自分自身で計画的に仕事を作らなければなりません

やりがいを感じる時は、私が携わったお客さまが事故なく1年間無事に過ごし、次の年も継続いただいた時です。
保険会社の仕事は、お客さまが事故した時に「保険に入って助かった」とお声を頂いただいたときに感じると思われがちです。
確かにそう感じるときもあります。
私の場合、ご契約頂いたあと、何事もなく「保険に入って、安心して仕事、生活しています」とお声を頂いた時が、一番やりがいを感じます。損害をいくら保険でカバーしても、解決するために多くの時間、労力、精神力を使います。お客さまにとって、損害をカバーしたとしても良い思いはしないと考えています。

最後にこれから就活される学生の皆さんへ

当社が求める人物像です。求める人物像は4つです。
Leadership(リーダーシップ)・Earnest(アーネスト)・Action(アクション)・Dare(デアー)
仕事は与えられたものを行うだけでなく、自分だけの仕事をするものでもありません。
組織の中で自ら行動し、みんなを引っ張っていくという、リーダーシップ、行動力が必要です。
また、自分の考えを押し通すのではなく、より多くの意見、要望をきちんと聞いて応える誠実さが重要です。
そして、高い目標にも果敢に取り組む、「挑戦」の精神を持ってください。
前に進むということは、自分自身、今までやったことがないことに挑むことです。
高い目標を持って、何事にも挑戦し、自ら成長してください。
本日はご静聴いただき、ありがとうございます。


>>2012業界研究 第13回 総合商社