グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2012年度 第11回 環境業界(通算25回)

2012年度 第11回 環境業界(通算25回)

飯田 孝司 様

早稲田大学理工学部を卒業後、新日本製鐵㈱に入社し、約25年間鉄鋼製造に従事しました。
その後三菱マテリアル㈱で環境事業に従事しました。
その間外国で開発された最新式ごみ焼却炉の技術導入・プラントの製造・販売・運転を担当しました。
現在は退職し、ディレクトフォース(社)で環境問題はしめ、各種研究活動に従事しています。

~ 環境ビジネスとその営業の実態 ~

環境問題とは

環境問題は私達にとって大変重要な課題になっているのは言うまでもありませんが、まず環境問題の分類をしてみましょう。大気汚染、水質汚濁などのいわゆる公害問題があります。日本では1960年台が水俣病等の公害問題のピークで、最近では大幅に改善されています。中国等の新興国が現在公害問題のピークで、今後の改善が望まれています。
最近は公害に加えて、地球温暖化や生物多様性の減少に代表される地球環境問題、それからエネルギー資源、水資源を中心とした資源問題が世界的な課題になってきています。

このように環境問題は国の命運を左右課題となってきているのです。一方私達の体への影響といった観点からみると、江戸時代までは衛生問題による消化器系の病気が多かったのですが、明治以降の工業の発展に伴い、大気汚染による呼吸器系の病気、現代は生活習慣病へと病気の種類も移ってきています。

環境ビジネスの概要

まず環境ビジネスの分類をすると以下のようになります。
①施設の建設、②施設の運転、③コンサルティング等の大きくは三つに分類されます。

①施設の建設は日本の得意分野で環境プラント会社がその役割を担っています。
②施設の運転は自治体が実施している場合が多く、民間の処理会社で運転している場合もあります。
③コンサルティングはシンクタンクやコンサル会社が担当しています。特に③の分野では最近女性の進出が目立ちます。

次に環境ビジネスの日本の市場規模を見てみましょう
年間売上は概ね50兆円程度で電気機械業、建設業等と肩を並べ、既に主要産業に成長しています。雇用規模は概ね120万人程度で、電気機械業、輸送機械業等の他装置産業並に成長しています。

また環境ビジネスを他のビジネスと比較した時の特徴は以下のようになります。
法令等の規制によって成り立つ産業で、具体的なビジネスの方法も:性の内容により大きく左右されます。また地域との結びつきが強く、装置産業でもあります。
総合的にみると長期的且つ堅実なビジネスであると言えます。

一方、グローバル化時代の観点からの見ると以下のことが言えます。
日本の環境技術の評価は日本人が考える以上に海外ではブランド力が高い。特に外国から見てニーズの高い技術は水処理技術、ごみ処理及び資源化技術、省エネ技術等です。
但し、外国とビジネスを行う場合、カントリーリスク(政治体制等)、文化リスク(商シュエ刊等)オペレーションリスク(労働者の質等)を考慮することが必要です。

また環境ビシネスの最近の特徴は以下のようになります。
民営化、グローバル化(外国での事業展開)、重点が地球温暖化対策から再生可能エネルギーに移行、災害ごみの処理(大震災の影響)等があげられます。環境ビジネスもこのような特徴をよく理解した上でビジネス戦略を立てていく必要があります。

環境営業の特徴と留意点

環境営業は一般的に大型案件が多く長期間の営業が必要であり、お客様に積極的に提案していくことが重要で、言わば大型公共工事の営業に類似しています。
また、営業していく上での留意点は以下にようになります。
①同じ最新鋭の他社の施設との比較を十分実施した上で、自社施設の特徴を理解しておく必要があります。
②お客様の組織の中でキーマンが誰であるか、またキーマンに影響力のある人は誰かを調査しておくことが重要です。
③お客様だけでなく、地域住民等の関係者の理解を十分に得られるよう努力することが大切です。
④客先の個別のニーズを十分に把握し、それを生かした提案を行うことが成功の秘訣です(最近は金額のみの入札より、総合評価方式が増えてきています)
⑤お客様と接触する期間が長いため、特に押し付けにならないようにすることが成功の秘訣です。

環境ビシネスの事例紹介

ビジネス事例の概要及びその背景は以下のとおりです。
概要は新ごみ処理施設を建設し、建設後は20年にわたる施設の運営を実施するというものです。
この案件の背景としては、
①ダイオキシン特別措置法でダイオキシンの排出量が規制されるのを契機に、多くのごみ焼却炉は更新又は大幅な改造を余儀なくされました。
②当該の数か所の市町村ではそれまで各市町村に各々設置されていたごみ焼却炉を、1ヶ所に統合して新ごみ焼却炉を設置することにしました。
③併せてその後の新ごみ焼却炉の運営もその建設業者と同じ会社に委託することとしました(民営化)。
案件推進の詳細説明は省略しますが、特に民営化した場合の、自治体と受託業者の役割分担、責任分担を明確にするために当該自治体と多くの協議重ね、それが現在私たちの民営化ノウハウの蓄積ともなっています。


>>2012業界研究 第11回 航空