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2012年度 第10回 精密機器業界(通算24回)

川村 收 様

1974年、株式会社リコーに入社。法人営業25年経験の後、リコー東北株式会社 代表取締役社長・リコーテクノシステムズ株式会社 代表取締役社長執行役員等、経営を12年経験。
現在、企業OBを組織化した一般社団法人ディレクトフォース及びアブセックにて企業支援や、ボランティアで活躍中。

~ リコーグループでお客様に学んだこと ~

複写機(複合機)業界とリコー

複写機の世界シェア(ガートナー調査 2012年)は、上位5社で72.4%のシェアを占め、このうち4社は国産メーカーが入っています。グローバルで、国産メーカーが強い競争力を誇っています。日本国内では、上位3社(リコー、キャノン、ゼロックス)で78.6%のシェアを占めています。(リコーは3年連続国内No.1となっています)。

私は、その業界の一つ、(株)リコーで永きに渡り、販売・サービス部門で大変お世話になりました。複写機と言えば、昔はリコピーと呼ばれたアナログの青焼き複写機に始まり、今やデジタル複合機に大きく進化し、コンピューターの端末機器でもあり、IT・ネットワークの入出力機器としても重要な役割を果たしています。
ビジネス領域でも、複写機(複合機)のみならず、それに接続する「ITサービス」や「ネットワークソリューションサービス」などに拡大され、重要な経営ツールとなってきています。このような中で、法人営業マンのユーザーへのアプローチも大きく変化してきました。

現在の営業の仕事は、ユーザーの立場で熟考し、ユーザー個々に最適解決策を提案・サポートする事です。「ユーザーとのコミュニケーション」が最重要の仕事なのです。営業マンはこれらを実現する為に「プロとしての高い専門性」「ユーザーへの深い関心」「目標に対して強い責任感と達成意欲を持つ事」「自ら気づき、考え、行動する力」「ビジネスマナー(挨拶、時間を守る等)」を期待されています。

就活でリコーを選んだ理由

30社程度会社訪問をしました。
リコー訪問をして、第1に創業者(市村清)の経営理念「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という言葉に出逢い、心を動かされました。高い志と愛の深さと広さを感じたのです。
これらを“人間尊重の経営”と理解し、このような創業者に育てられた会社で仕事をしたいと思ったのです。

第2の理由として、リコーは「危機に強い」という事です。1965年の無配転落から見事に再建した事。

加えて第3の理由は1972年にPPC(普通紙複写機)市場に新規参入した事です。当時はゼロックスの“一人勝ちの”マーケットであり、リコーの今後の成長に賭けてみようと思いました。加えて、私は「入社後はPPCの法人営業を志望する」と決意しました。

お客様に学ぶ

リコーに1974年入社し、研修後、最初の3カ月間、他社PPC使用顧客をリコー機に置き換える特別チームに配属となりました。1日10社~15社の訪問活動。当初は訪問しても断りの連続でした。
当時は今と異なり、顧客情報管理システムも未熟で、営業マンは自分で管理・運用していました。特に他社顧客の情報は整備されていない為、訪問の際、非常に苦労しました。そしてその時点で次の4点の「お客様よりの学び」を得る事が出来ました。

第1は「他社の事を他社以上に理解する事が重要」。他社の経営理念、製品、販売体制、サービス体制などを研究し、我が社との違いを明確にユーザーに訴求する事が求められました。ユーザーの信頼・信用を得るには、自社の事を理解する事はもちろん、他社の事をそこの社員よりも理解する事が大切だという事に気づきました。

第2に「社会人、ビジネスマンとしての基本行動の徹底」が大切という事です。ある競合した他社に優秀な営業マンがいました。彼は見積もり提出日時に「1分遅れて」提出しました。実はその1分の遅れで彼はその商談から脱落してしまったのです。後にその会社の総務部長が教えてくれました。「約束を守る」「時間を守る」事が出来ない会社は信頼、信用出来ない。どんな優秀な営業で、提案書が素晴らしく、見積書が一番安くてもダメと。「当たり前の事を当たり前に出来る事」がビジネスマンにとって不可欠という事を教えてくれたのでした。

第3は決定権者に早い時点で会見する事。そうする事で商談時間の短縮、見込の確度、見込客の事務機に対する考え方の理解度などが格段とスピードアップされます。

第4に「上司・先輩からのアドバイスを素直に聞いて実行」という事です。当時の私の日々の行動目標は「1日10社~15社の訪問活動」に加えて「1日に延3時間ユーザーと話をする事」でした。当初はどちらの目標からも程遠い結果が続きました。上司や先輩からは、日々マンツーマン指導を事細かく受けました。ユーザーとのやり取りをすべて報告し、質問の仕方、答え方などロールプレイングで鍛えて貰いました。仕事中は大変厳しいですが、その後、よく飲みに連れて行ってくれ、面倒をみて貰いました。仕事の悩みはもちろん、個人的な悩みもじっくり話を聞いてくれました。そのような中で日々成長する事が出来、目標も達成する事が出来ました。

学生の皆さんへ

どの業界、業種においても、営業職の仕事は厳しい面も多いと思いますが、やりがいも大きいと思います。会社を代表して、社長の代わりにユーザーに訪問し、ユーザーへのお役立ちに貢献出来る事は素晴らしい事だと感じます。
ユーザーからの“ありがとう”の一言で、日頃の苦労は吹き飛びます。このような時、営業マンとしての誇り、使命感、責任感、重要感を学びました。
厳しい経済事情下、どの業界においても、ソリューション営業の重要性がますます高まってきています。今、優秀な営業マンが求められているのです。

学生の皆さんも、ぜひとも営業職にチャレンジされる事を期待します。
これまで、敬愛大学様(大学・短大・高校)より、18名もの方々がリコーグループに入社され、活躍されています。
「三愛精神」のリコーグループ各社にエントリーされる事を念願致します。本日はお話をさせて頂くご縁を頂戴し、大変有難うございます。心より感謝致します。


>>2012業界研究 第10回 環境