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2012年度 第8回 IT業界(通算22回)

伊東幸子 様

私は、皆さんと同じ経済学を大学で学んで、IT業界の会社(日本アイ・ビー・エム株式会社)にシステムズエンジニア(SE)として就職をしました。そこで10年働き、その後、大学生のキャリア支援をする仕事をしています。文系の大学生がIT業界、SE職に就職するというと意外に感じられると思います。実はIT関係の仕事やSE職には文系の知識や経験を活かせる場面がたくさんあります。今日は、皆さんが来月から就職活動を開始されるにあたり、IT業界も選択肢になり得るということを知っていただこうと思います。

~文系出身でIT業界で働くには~

IT業界での仕事

私が担当していた仕事は、一言でいうと、「お客様の課題に対して最善の解決策(ソリューション)を提供する」というものでした。
銀行の勘定系と呼ばれるシステムを担当していたときは、たとえば、トラブルでサービスが停止してしまう時間を少しでもなくしたい、新しい金融商品に対応するシステムをできるだけ簡単に作りたいといった課題が提示されました。
これらの課題に対して、どういうハードウエア、ソフトウエアを組み合わせ、何を新たに開発すれば解決できるだろうか?お客様のお話をよく聞いて、社内外の知恵を結集して解決策を考えます。
これを提案し、提案が受け入れられれば実際にシステムを作って、本番で動かし、保守していく。提案がうまく課題を解決することができて、お客様が喜んでくだされば、次の提案がまた受け入れられることにつながっていきます。

「最善の解決策」を実現するためには、自分の会社のハードウエアやソフトウエアでなく他社の製品をあえて勧めることもありました。目に見える製品ではなく「解決策」という目に見えず、かつ、提案段階ではまだ形がなく、1つ1つがオーダーメイドなものを、どうすれば買ってもらえるでしょうか?
私がその頃の上司に言われたのは「Sell yourself. Sell IBM.」という言葉でした。
まずは自分を売り込みなさい。自分を信用してもらい会社を信用してもらうことがビジネスにつながります。忙しくて休みが取れないことも多かったですが、課題がうまく解決できてお客様が喜んでくださることがSEとしての最大の楽しみでした。

IT業界には、通信事業者、コンピューターメーカー、システムインテグレーター、コンピューター販売会社、サービスプロバイダー、半導体メーカーなどなど、たくさんの種類の会社があります。
私が担当していたような技術寄りの仕事も多く、文系でも技術職として採用してくれる会社(比較的大手企業およびその関連会社に多い)であれば、入社してからの教育を通じて、IT技術者として活躍することが可能です。
もちろん、コンピューターとネットワークに関しては、その分野を専門に学んだ理工系の学生がいるので、深い専門技術や知識が必要とされるところは彼らの出番です。
「コンピューターとネットワークを使って解決策を作っていく」仕事は、専門技術や知識だけでは完成しません。
お客様が抱えておられる課題をうまく聞き出す力、場合によってはお客様自身がまだ気がついていない課題を提案していく力、社会や経済の動きに合わせてお客様に今後必要になってくる解決策を提案していく力、いろいろな会社の人達と協力して共同作業していく力が必須です。
技術にはすごく詳しいけれどコミュニケーションが苦手な技術者と技術がわからないお客様との間をうまくつないでいく力などもとても重要です。このあたりの力は、文系の人が大学生活を通じて学び身につけてきた力が大いに活かせるところだと思います。

SEなどの技術系寄りの仕事だけでなく、営業としてお客様との関係作り、契約処理をメインの仕事にする道もあります。この場合も、ITに関するさまざまな技術を勉強し、解決策をSEと一緒に作っていくセンスを磨くことが求められます。IT業界での仕事をするには、どんな職種であっても一生勉強が必要になります。

IT業界に向いている人

・楽をするのが好きな人:
 ITの仕事は、コンピューターとネットワークを使ってさまざまな課題を解決し、人間が楽をするためのものです。
 楽をするのが好きな人、楽をするための工夫、努力をすることが好きな人はこの業界に向いています

・情報機器のみならずファッションやお店などでも、新しいものが好きな人

・これから勉強して一生ものの力を身につけたい人

・ 人に対するサービス精神が旺盛な人

これからの大学生活どうすごすか?

私が大学生だった1980年代は、文系の大学生は大学であまり勉強をしませんでした。
それは、大学時代に勉強しなくても、企業が入社してから社員を会社の仕事に合わせて教育してくれたという事情があったからです。90年代以降の不況を通じて、企業には新入社員の教育にお金をかけられなくなってしまいました。

今の企業は、入社してからあまり教育しなくても早く仕事ができるようになる人を求めています。就職活動(企業にとっては採用活動)の際に、大学生までの生活を通じていろいろな力をすでに身につけている人を採用したいと考えています。
企業が大学生に求める力は、たとえば、経済産業省が提唱している社会人基礎力(前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)、考え抜く力(課題発見力、計画力、創造力)チームで働く力(発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力)があります。

みなさんは、それに対応するにはどうしたらいいでしょうか?
大学生活を通じて、どんなことでもいいので何か1つのことに打ち込むこと。まずは一人で出来る限りやってみる、その後誰かとやってみる、やったことをわかりやすくまとめて人に伝えていく。これが大事だと思います。
アルバイトやサークル活動もいいですが、IT業界の場合は、これまでお話してきたように、大学の勉強で経済学や社会について学ぶことは、この業界での仕事をする上で重要な力になってきます。今までにすでに打ち込んできたことがある人は、それらをうまくまとめて、(できれば、今日の話に出てきたIT業界で求められている力や、社会人基礎力に関連付けてまとめられると尚良いです)就職活動のエントリーシートに書いたり、面接で話したりできるようにしておいてください。
まだ何も打ち込んだことがない人は、これからでも遅くないので、何かに打ち込んでみてください。打ち込みたいものが見つからない人は、今まで受けてきた大学の授業を1つ1つ思い出し、そこでどんなことを学んだのか、それらの授業を受ける前と後で自分が得たこと、力が身についたことは何なのかを考えて文章にしてみてください。

就職活動へのアドバイス

学部3年の12月から、就職活動がスタートします。
まだみなさんは実感がないかもしれませんが、大卒時の就職活動は、さまざまな業界や企業に接することができる大きなチャンスです。
ぜひ、できるだけ積極的に動いてみてください。まずは12月に入ったら興味がある業界と企業を選んでエントリーをしてみること。悩んだり億劫がったりせずに、まずは動いていくことが良い就職先にめぐり合う最大のポイントです。

>>2012業界研究 第8回 コンビニエンスストア