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2011年度 第6回 アパレル業界(通算6回)

 株式会社三陽商会 山形 久 様

大学卒業後、大手アパレルメーカー 株式会社三陽商会に入社。
婦人服のマーチャンダイザー(商品企画)、婦人服営業、ブランドチーフを歴任。
公益法人事務局長補佐を経て、現在フリーにてキャリアカウンセラー 大学講師として活躍中

アパレルとは

今日はアパレル業界についてですが、英語でアパレルを直訳すると、洋服とか衣服のこと。
アパレルとファッションとは違います。ファッションって一応定義があるんです。

流行は単なる“はやっているもの”なので、それがある条件を捉えるとファッションになるんですよ。それは「ある特定の時期とか場所で、それに対して多くの種類の人間がそれを受け入れて、それに従うアパレルのスタイルの変化というような過程」という、三つの条件がある。だから流行がきちんと定着しないとファッションにならない。逆にファッションって別に洋服だけじゃないんだよね。雑貨だったり、建物、インテリアだったり。

今日はそのファッションビジネスの中の、アパレルの部分という洋服に限られた話ということでご理解ください。

アパレル業界の川上~川下

アパレル業界の川上から川下について、特に川上の方がみんな知らない会社あるからその辺の仕組みと、どんな職種があるかを話したいのですが、その前に洋服ってどんなもので出来ているか。
特に素材とか服を分解したらどんなものになるか、話し合ってください。

>石油・ペットボトル・綿・革・絹・ポリエチレン・ナイロン・プラスチックゴム・キュプラ・
ジッパー・染料・塗料・麻・ポリエステル。

はい。みんな素材の名前をいっぱい出してくれてよかったんだけど、この中でもたとえば綿、シルク、麻、革、ウール。
ウールは羊の毛ですが、カシミヤだったりアルパカだったりいろいろな獣毛もあります、こういうのが天然素材。
キュプラ、レーヨン。こういうものは、再生繊維って言います。
一番最初に石油って出てきて、もうこれがすべてを物語っているんだけど、たとえばポリエチレンとかナイロンとか、ポリエステルは化学繊維って言うんだけれども、これは石油でできてます。
こういうものを作っているのが素材産業です。

実は日本の繊維産業の中でアパレル産業よりも素材産業のほうが歴史があるし、大きな会社がいっぱいあるんです。なおかつ、日本に占める全労働者の割合というのは、繊維産業ってまだ高いです。もともと江戸時代から明治になって、いろいろ殖産興業とか日本の産業が発達していく中で、繊維っていうのは、すごく重要な部分を占めていたし、第二次世界大戦のあとも、一番最初に輸出の主力商品になってきたのは、綿だったりシルクだったりという、日本の繊維産業なんだよね。ただ繊維産業の中でもアパレル産業というのは、日本は海外から比べると後発なんです。
この素材産業というのが、繊維業界の中で、川上の産業です。

それではアパレルはどうしているのかというと、素材を仕入れて・デザイナーがいて・洋服の形になっていく。ただ、大事なのは素材の特性だったり、素材の良し悪しによって作れる服や服の質も変わってくるので、実は素材産業とすごく密接なんだよね。
ここでマーチャンダイザーがデザイナーと相談して‘こんなデザインが売れそうだから作ろうか’とか‘こういうデザインだったらどんな生地が合うかな’と生地を選んだり素材を選ぶ。ただ、アパレルの企業がメーカーにお願いしてオリジナルの素材を作ってもらうことがほとんどです。

そこでこの業界ややこしいんだけど、テキスタイルコンバーターってあるのですが‘テキスタイル’って何かというと、生地のデザインです。たとえばチェックといってもいろんなチェックがあるじゃない。それはどんな色を使ってどんな柄にしようかというのを決めていく。あとはどんな素材を使うかとか、それが‘テキスタイル’です。だから、アパレルメーカーのマーチャンダイザーやデザイナーは、テキスタイルコンバーターの営業と打ち合わせをしながらオリジナルの素材を開発して、自分のところの商品を作っていく、という仕事の進め方をしています。

だから会社に入って一番最初に研修受けたのは、素材の勉強。もっと言うと、織り方にもいろんな織り方があります。とにかく商品知識や素材知識のことがわからないと、お客様に接客もできないし、まして取引先の商品を買ってくれるバイヤーにも、商品を説明できないし。
ですから、どの業界でもそうだと思うんだけど、まず入ったら、自分の会社の商品や扱うものがどんなものがあるかというのは、やっぱり勉強していかなければいけないんじゃないかな。

アパレル業界の営業

では、どんなところから洋服を手に入れることができるか?まず大きく分けて二つ考えられます。
店舗で販売しているところと、もうひとつが無店舗販売、通販のところ。この変化がここ10何年かすごく激しいので、アパレルの営業のスタイルっていうのが変わってきました。
実は僕が営業をやっていたころは、百貨店の売り場にいろんなブランドはあったんだけど、売り場の商品構成が、コート売り場・ドレス売り場・セーター売り場で、その中にいろんなブランドをバイヤーが集めて構成したセレクトショップ型みたいな感じだったから、他社との競合の中で営業として百貨店のバイヤーや店員の人と一生懸命コミュニケーションとることに努力をしてたんです。
今は、ブランドの力が強くなってきてブランド単位で場所をとって展開する。そういう流通の販売の仕方。
あとブランドの戦略の仕方が変わってきたので、アパレルも変わってきた。

もうひとつ大きな要因だなと思うのは、外国の高級ブランドが日本で現地法人を作るようになってきています。
なので、取引形態とかも含めて変化してきています。
そこで小売の取引条件、「買取」「委託」「消化」があるんだけど、僕らがやっていたときは主に「委託」でした。
「買取」はデパートが買ったら、デパートの責任で最後まで売ってくださいという商品です。
「委託」は納品に伴ってお金はもらえるんだけど売れ残って返品されたら差し引きお金を返さなきゃいけない、デパートの方もなるべくお金払いたくないし、少なく済ませたい。だから在庫を持つことはデパートにリスクがあるということ。
でも在庫が少ないと、ひとつ売れたらすぐ次の商品を店頭に出せないということがあるので、メーカーはなるべく在庫を増やしたい。だから他社と競い合いながら‘うちの商品をこれだけ持ってくださいよ’と、バイヤーと毎日のように商談をしていたんです。
ところが今は「消化」という取引が主流になってきています。これはお客さんがデパートに行って洋服を買ってレジに入金した段階で、初めて売り上げが発生するという仕組みなんです。だから商品は入れたければどんどん持ってくることは出来るし、商品のリスクを負って管理しなければいけないのはメーカー、アパレル側なんです。
なので今はバイヤーとの日々の取引というのが、ほとんどなくなってきているようで、商品が売れる店にうまく回せるようにすることが大切という状況らしいです。

SPAとは

最近の流れについてひとつだけ説明します。SPAってありますが、今このSPA型の会社がだんだん伸びてきています。というか、みんなこの方法に移行しています。SPA型の企業というのは、英語の略なんだけど、Speciality Store Retailer of Private Label Apparelって言いますが、
要は生産から販売まで一貫してやる会社。さっきは、素材はこういうところで作って、それを買ってアパレルをやっていますよ、店舗は百貨店で売ってますよという、分業制みたいな形だったじゃない?でも、今はユニクロだったり、アメリカのGAPが一番最初にこれをやり始めたんだけど、生産から店舗開発、企画、販売、全部ひとつの会社でやる、これがSPA型の会社。こういったものがどんどん増えています。
これが今のアパレル業界の流れじゃないかなというふうに思います。

アパレル業界の職種

アパレルを構成するには、大まかにこれだけの職種が必要です。

・マネージメント関連
これがマーチャンダイザー(商品企画)・デザイナー・パタンナー

・生産関連
実際は自前の工場じゃなくて協力工場という形が多いです。アパレルの企業にいる人が、次のシーズンに間に合わせるために工場のラインを確保したりするのが生産管理。物流は倉庫を含めて、運送のところまでです。

・販売
今話していた百貨店などの販売のところ。

・情報活動の分野
これは新しい情報を吸収して、会社のデザイナーや企画にフィードバックする。
そういった部署の人たちが含まって、アパレルの企業は構成されていると思ってください。

今の企業はマネージメントをやってもらえる人を求めているわけだから、アパレルの総合職を目指す人は、すごくコミュニケーション能力が求められる職種というふうに思ってください。どの企業でもコミュニケーションって大切なんですが、アパレルって、相対する人の数が半端じゃなく多いので、いろんな人がいるので、その辺はすごく求められると思います。自分でこんなことやってみたいとか、こんなブランド作ってみたいとか、こんな店舗開発してみたいとか、そんなような大きな夢を持っているといいんじゃないかな。
それと販売職、やっぱりコミュニケーション。とにかく明るくて元気で、いろんな人とも平気で話していける人。そういった人たちが求められていくんじゃないかなというふうに思います。

アドバイス

30年も前なので皆さんと就職活動のやり方は違うんだけれども、
大学のときは、広告業界に行きたいなとずっと思っていました。
そのとき考えたのが、広告は別に広告の会社に入らなくてもできるんじゃないかというふうに考え始めたんです。だって、どんなメーカーだって会社の宣伝部の人たちがいて、広告って成り立っているでしょう。それで三陽商会に入って何年かしたら宣伝とかやってみたいなというのがありました。

だけど、今までお店で買っていたものをいろんな角度から知ることによって、商品知識が身についたり、会社の先輩とかいろんな部署の人の話を聞いたりとか、あとは取引先の人と付き合っていくなかで、仕事の別の意味の面白さがだんだんわかってきて、営業も楽しかったし、ましてマーチャンダイザーって、自分で商品の計画を立てられるし、売り上げの構成、商品の値段も自分でつけられるし、そんなことは楽しいなと思いつつ、やっていました。

だから、どんな業界でも実際やってみなければ本当の楽しさがわからないというものはいっぱいある。
今は業界研究したりして、自分がどうしようかなって選んでいる時期だと思いますが、その中でも‘私はこれに興味があるからこれだ!’と決め付けないで、自分が本当にしたいことってどんなことかっていうのをよく考えて、’それは本当にその業界じゃなきゃできないのかな?’と思ってください。
他の業界でもできる可能性はなんだってあると思うので、自分で気づいてないものをまた新たに発見する、そんなようなことで就職活動を進めていっていただいたらいいんじゃないかなと思います。
これで今日のお話は終了させていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。


>>業界研究 第7回 食品