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2011年度 第3回 石油業界(通算3回)

石油元売会社経験 U様

石油元売会社に入社。
営業職として地方を廻りセルフスタンド立ち上げに携わる。
企画・人事を経験し、5年前に人材派遣会社に転職。
シニアビジネスに取組み、現在活躍中。

石油業界とは

 石油元売りという言い方を一般的にします。
石油元売りというのは、明確な定義はないのですが、原油を製油所に持っていき、それを精製して、販売網を持って売るところ、というのが石油元売りというような、定義をされています。

 では、その石油元売りという業界がどのようなところかをご説明します。全般的な石油元売りの仕事の流れを話しますと、まず、原油の輸入をします。非常に大きいタンカーですね、サッカーコート何面かなというぐらいの大きなタンカーで製油所につけます。そこで専用の装置みたいなのがあってそこに原油をいれます。細かい話はちょっと省きますが、そこから、ガソリン・灯油・軽油も採れれば、工場やボイラーなどで使われる重油も採れる、いろいろなものが採れます。
 例えばみなさんだったら、ガソリンを買ったり、灯油を買ったりが身近なものかと思います。あとは石油化学製品ですね、スーパーのレジ袋の原料になるポリエチレン、カップ麺の容器に使われているポリスチレンなどいろいろな石油製品ができます。こういうものを商売にするのも、石油業界のひとつの仕事です。

 また営業という仕事に落としてみますと、産油国との交渉、タンカーを傭船(ようせん)している会社、タンクローリーで運んでいる会社、ガソリンスタンドの計量器や洗車機、これも直接、石油には関係なくても石油の元売り会社に入ったらいろいろな上流から下流まで、非常に幅広く営業する仕事があると思っていただければと思います。

営業は泥臭い世界、でも温かい

 私の場合はガソリンスタンドの特約店さんを担当していました。
特約店というのは、だいたい家族経営が多いんですね。社長さん、息子さん、で奥さんが経理やってます、みたいな形態ですね。そういった小規模のところでは、やっぱり人と人とのコミュニケーションがないと営業できないんですね。

 例えば、当時は毎月ガソリン1リッターの値段を交渉するんですね。「原油価格がこう上がりました」「為替でこうです」「来月分は、リッター1円上げさせてください」と。
ところがお客さんからすると、「いやいやマーケットは5円下がったよ。5円下がったのにあんた1円も上げんのかい、うちを潰す気かい」とまぁこんな話になるわけです。すると他社からより安いものを買ったり、となるわけですね。
「いやUさんが、あんな意地悪するから僕は他から買ったんだよ」と、これは大問題です。ですからリッター20銭ぐらいの刻みの単位の話で社長と5時間くらい、お茶も飲まずに交渉するわけです。

 時には「いやいやここまで頑張ってくれてね、Uさん一生懸命やってるんだったらいいよ」って言ってくれる時もあるわけです。全ては言ってくれないですよ(笑)?そう言ってくれたりすると、「ありがとうございます、じゃぁ次なんかで返しましょう」とこのような小規模のお店に対してはそういう営業をしてました。
だからこれが産油国を対象にするともっと単位は大きくなります。もう桁違いです。ただ、そういう仕事もあるし、私が担当したような価格交渉をするような仕事もあります。

値段を決める以外に代理店の販売促進もします。
例えばスタンドがオープンしたらのぼりを出したり、ティッシュを配ったり。一時期ウルトラマンシリーズをイメージキャラクターにした時に、お客さんを集めるためにイベントをしましょうと提案。すると「Uさん、ウルトラマンの中に入れ」って言われて、実際に入っていました。けっこう身長なんかぴったり。暑いですし、前も見えなくて。子供たちに「おい、チャック付いてるじゃねぇか」、「飛べっ」とですね、まぁいろいろ言われながらもやりました。

当時はまだデジカメや携帯のカメラがなかったので写真をとってあげるんですね。「ガソリン入れに来た人はウルトラマンと一緒に写真とってあげますよ。現像したら貼っておきますからお店に取りに来てくださいね」取りに来るともちろんまた給油してくれるんですね。中には歩いて来る人いますよ、ひどいですけどね、それは。
そのような販促を提案したり手伝ったりと、こんなこともやっています。

会社の魅力

私の入った会社は、カリスマ的な創業者がおりまして、ちょうど今年(2011年)で創業百年を迎えます。
その創業者の「人間尊重」という言葉が社内にあります。非常に人を大切にする。
当時、良かったところはひとランク上の仕事をさせてくれたところです。他の会社では課長が出るような場面でも、弊社ではヒラ社員で対応したりと。支店長クラスの仕事は課長が出ていったりということをやってきて人を育てることに非常に、力を入れていました。

「失敗は授業料」と。
失敗してもいいよと。なにか失敗しても次に繋げて同じ失敗しなければ良いよという言い方をしてくれました。
失敗を僕がやったらそのあと引き継いだ後輩にはこういう経緯があったからやってはいけないよというふうに、引き継げるわけですよね。だからこういったその「失敗は授業料」というのは、この会社で良かったなと。

あとはですね「卒業証書を捨てよ」という言い方をするんです。創業者がポリシーを持っていまして、「学校で仕事をするんではありません」と。
例えば、「自分は何々大学何々学部出ましたとか関係ないですよね、仕事には」という言い方を必ずします。要は、「ゼロからのスタートです」と必ず言うんです。「会社が人を育てるから今までの学歴関係ないんだから、ゼロからのスタートでみんながんばれよ」って、こういう言い方をしてます。

この辺が大体、この会社で営業やってきたところで良いところかな、というふうに思います。

学生へのメッセージ

 自分が、今までこのようにして社会人になって成長したなと思うのは、挫折とか、失敗とか、苦労とかが、やっぱりポイントになっているのではないかと思います。

 会社って先輩がいっぱいいます。60歳の方からいるわけです。最初は、僕も生意気だったので「そんな年寄りの言うことなんてきかねぇよ」なんて思ったんですけど、よくよく考えたらですね自分より40年上なんですね、そうしたら40倍の経験をしてる、ということにある時から気付いてやっぱり彼らが言うこと一回聞いてみようと思うようになりました。

 これはなぜかというと皆さん学生なのでどちらかというと学歴・学校の成績で、測られる部分ってあるじゃないですか。
でも、会社の物差しって全然違うわけですね。お客さんからしてみたら40年目の社員も1年目の社員も一緒なわけです。
 だからそういう目で見られるってことを覚えなくていけなくて。多分、その40年差の60歳の人たちというのはそういうことを苦労してるから僕らに言ってくれてるんだな、というように思いました。
従って、やはりその先輩たちの言うことを受け入れるってことをしていかないとなかなか仕事というのは、特に営業は難しいと思います。

 あと、営業のポイント、やっぱり自分自身が商品なんですね。
だからさっき価格交渉の話もありましたが、いくら良いものを持っていっても「別に他の人からも買えるけど、やっぱりUさんから買いたい」と、「あなたが担当だから買いたいんですよ」と、これが営業のいちばん楽しいところです。

最後に、同期はゼロのスタートなので、いい意味でライバルだと思ってください。
2年目3年目にはすぐ差が出ます。どこまでやる気を持ってやったか、同期と情報交換しながら競争心を持つということ。もちろん社外でもいいですよ、入社して1年目でどんな仕事してる、俺5年目だけどこんな仕事してるよ、というのもひとつの自分のモチベーションを上げるきっかけになったりします。
情報交換をしてきながら自分は成長しているかどうか、それがやっぱり仕事のやり甲斐、生き甲斐につながっていきます。
石油元売り業界だけをお薦めするつもりありませんけれども、非常に楽しい業界であります。ホームページとか見て興味あるなーと思ったら、ぜひノックしてみてください。これでおしまいにします。ありがとうございました。

>>業界研究 第4回 運輸