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2017年度 第13回 印刷・広告・書籍業界(通算95回)
                 (平成30年1月25日)

企画立案について

坂本 昭様 
    元DNP取締役

◆ 私の業務経歴

 私は大日本印刷(DNP)の企画セクションで約30年間マーケティングと販売促進の企画提案に携わりました。そこでの仕事はDNPの得意先となる菓子メーカー・新中華そばの商品開発、Jリーグ開幕時の入場券企画、Jリーグデータセンターの開設、医科向け医薬品のプロモーション、アイスクリームのCM,CF企画制作等様々な仕事を経験し、その後本社プロジェクトのICタグの事業化、(株)丸善(丸善書店、丸善出版、丸善)とDNPの業務資本提携を基に双方の売上拡大を具体化する、というミッションを持ち取締役として事業企画そのものを立案して自ら実行してきました。43年間会社生活を送りましたが、企画提案に明け暮れる毎日だったと思います。 

◆ 企画とは何だろうか?-「企画」と「奇画」の違い-

 企画提案は皆さんが憧れたり、やってみたい楽しい仕事です。でも、皆さん方のように同年代の同じ価値・同じ感覚を持つと違って社会と会社には10代の人から60過ぎの人まで、様々な年代の人がいますから、通じない感覚、通じない言葉や考えが企画提案を理解してもらうところに立ちはだかります。当たり前ですが、これを突破するためには年齢や考え方・感覚に左右されない提案が必要になります。私はこれだけを基準に考えてきました。
私の私見ですが、
「企画」とは極めて仕組まれた思い付きを形にしたものだと考えています。
ここには現状の調査~仮説の立案までの極めて精緻な分析と、当然のことながら今までと違う新しい考え方や仕組みが組み込まれていなければならないと思います。
ですから企画を考えるとき、今の仕組みはどうなっているのか、市場はどんな状態か、これから先社会は何に左右されるのか等々の経済状況に大きく影響されますからこの把握と分析を基に次の新しい仕組みはどうあるべきかを考えなければなりません。
しかし、自分が考え思いついた企画は自分にとって可愛い企画ですから絶対正しい、絶対いい物、絶対新しい、と確信するのですが、これが妄信につながることが多いことも注意が必要です。ひとつの課題に対して10個位は思いつくのですが、使えるものがひとつあれば運が良いですし、要するに意外に使えないというくらいハードルは高いと思うべきでしょう。このような使えない自分よがりな考えや提案を私は「奇画」と呼んでいます。
企画をやりたい、企画提案のような仕事がしたい、という人のほとんどが自分の思いは正しいと確信しているのですが、世代の違う人達には全く通じない物ばかりで、私も若い頃苦労した覚えがあります。これに陥らない努力が毎回必要になります。

◆ 企画書の作り方、企画の進め方

 企画書は企画者の意図・企画内容等計画した事を誰にでもわかりやすく説明し理解してもらうための道具(書類)ですが、得意先の社内を一人歩きする書類でもあります。企画に参画した人達全員の意思のまとまりとして全員が認識し理解していなければなりません。作り方は色々な考え方がありますが、およそ以下の要素と項目を盛り込んでおけば、企画書としての機能は果たせると考えます。ページだてや組み立て方は、その時の企画によって変化しますので、相手の理解しやすい形にまとめる事が大切です。
1.オリエンテーションのまとめ
    前提条件(与件)をまとめ、得意先が要求している事の確認をし、目的を明確にする
2.調査・分析
    調査した資料・社内資料等、企画構築にあたっての背景となった環境の分析をする。
3.課題の抽出
    解決すべき課題を発見・提示し、何を解決するのかを具体的に提示する。
4.対象の設定 
    具体的な企画実施対象を設定し、そのプロフィールや特徴を明らかにする。
5.目的の設定
    与件・課題から何を目的に企画実施するのかを明確にする。

◆ プレゼンテーション

 プレゼンテーションは企画案の発表の場です。相手にわかりやすく伝えるかがポイントです。当然やり直しはききませんし、失敗は仕事が来ないという結果につながる重要な場です。
1.まず、自分自身の印象が大切
    得意先の人も人間です。企画の良し悪しだけではなく、一緒に仕事をしたくなるような人に依頼したいわけで
    身だしなみ・表情・喋り方等信頼でき明るい印象を与える事が大切です。
2.相手にわかり易い言葉で説明する 
    ビジネスですから、色々な年齢の人が参加します。自分と同じ年代の人だけではありませんから誰が聞いて
    同じ意図・同じ意味に・正確につたわるよう、国語として言葉を選びながら説明する必要があります。
3.企画書は事前に全て頭に入れておく
   企画書は相手が書面として確認するための書類です。記載された事を読み上げるのではなく、ページ全体の
   図や考え方を相手が理解しやすいよう臨機応変にに説明する必要があります。

◆ おわりに

 企画の考え方からまとめ方、プレゼンテーションまで様々な話をいたしましたが、皆さんの感想は、きっと面倒だなということではないでしょうか。企画提案は単なる思い付きではなく極めて仕組まれた思い付きを形にしたもの、ということを忘れないでほしいと思いますし、企画提案する力は誰でもが持っている力だと思います。
是非、難しい課題に挑戦して、社会に様々な提案をしていってほしいと思います。
皆さん方が大学で様々なことを勉強されて、有能な企画人になれるよう期待しています。