グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2017年度 第11回 通信・IT業界(通算93回)(平成29年12月21日)

2017年度 第11回 通信・IT業界(通算93回)(平成29年12月21日)

 今回の講義は、IT企業における法人営業職の活動の一端を紹介するが、各業界の営業職についての基本的な業務内容に関する講義との重複を避ける意味と、今後の就職活動に役立ててもらうことを考え、IT業界の概要を知ってもらうことに時間をかけ実施した。


IT業界の営業職とは!!

中山 憲二様   
  元日本オフィス・システム株式会社取締役常務執行役員

◆ IT業界のプレーヤーたち

・業界構造とそこで活躍する企業の紹介
 1.メーカー;
   富士通、NEC、日立など日本企業、IBM,HPなど欧米企業があるが、ハードウェア製品をはじめ製品・
   サービスを幅広く提供する総合企業群
 2.ソフトウェア;
   マイクロソフトに代表される外資系ソフトウェアメーカー、日本企業としてはサイボウズ、ワークスな
   どがある。ソフトウェアは業務用アプリケーション、セキュリティ対策製品、各種ツールなど非常に多
   様な分野で多くの企業が活躍しており、近年はソフトウェアからクラウドサービス提供へのシフト傾向がみられる
 3.ネット、クラウド;
   グーグル、アマゾン、楽天、DeNAなど、今最もホットな企業群で、アプリとサービスを組み合わせたビジネスモデ
   ルなどで日々多くのベンチャー企業が現れている。特に最近は、マネーフォワード、ソラコム、プリファードネット
   ワーク、AIインサイドなどFINTECH,IOT,AI分野で活躍するベンチャーに注目が集まっている。このような企業の
   情報収集手段としては定期的に開催されるIT関連の展示会ホームページの出展企業リストをチェックする方法も
   ある。
 4.サービス(コンサル、SI);
   コンサルティング、システム開発、アウトソーシングなどの法人向けITサービスを提供する最も企業の多い分野。
   外資系以外では、下記に三分類される。
    ①メーカー系列会社;富士通マーケティング、NECネクサソリューションズなど
    ②ユーザー系列会社;金融系、商社系、メーカー系、流通系など
    ③独立系会社;大塚商会、トランス・コスモス、富士ソフトなど多数

◆ 何を販売しているか?

 IT企業の営業職が顧客に提供するものは何であるか? それは、顧客企業がITを活用して事業活動を円滑に営めるように支援する事と定義できる。事業活動は、調達、生産、販売、サービスなどの価値創造活動や会計、人事などの基盤的活動に分かれるが、いずれもIT無くしては効率的な運営は難しい。
 ITは;
  ①事業活動を直接的に支援するアプリケーション・ソフトウェア
  ②アプリケーションの稼働を支えるプラットフォームとしてのオペレーティングシステムやミドルウェアといった
    ソフトウェア
  ③①と②を稼働させるインフラストラクチャーとしてのハードウェア、データセンター、ネットワークで構成される。
 SI企業は、顧客毎の特性ニーズに応じてこれらの構成要素を最適に組み合わせて提供しており、ハードウェア
製品、ソフトウェア製品、クラウドサービスなどを取捨選択したうえで、システム開発サービス、インフラ構築サービス、
運用アウトソーシングなどを提供としている

◆ IT営業の二つのスタイル(技術職の概要も含む)

 IT企業にはハードメーカー、ソフトメーカーのように特定の自社製品を販売することを事業の柱にしている企業と、特
定のメーカー製品に依存せず顧客ニーズに合わせて最適な組み合わせを統合して提供するSI企業の二つに大別さ
れる。後者を商品がないところから営業をスタートする「課題解決型営業」、前者を商品があるところからスタートする
「手段解決型営業」と呼び、営業スタイルの違いを概観する。メーカーなど手段解決型の事業において営業に求めら
れるのは自社・他社の深い製品知識であり、技術に求められるのは製品サポート品質と同時に、変化する市場ニー
ズを先取りする製品開発力が重要になる。
 一方、SI企業など課題解決型の事業において営業に求められるのは、顧客の事業と課題ニーズの把握力であり、
技術に求められのは顧客の個別ニーズに応じたオーダーメイドのシステム構築力になる。SI企業の技術職はプログラ
マー、プロジェクトマネージャー、システムアーキテクト、サービスマネージャ―など多様であり、文科系学生でも就職
後の学習研鑽により十分活躍できる領域であることを認識してほしい。

◆ 営業活動の流れ

 どのような商品やサービス販売においても、購買プロセスを買い手の心理に即してひも解くと、最初は売り手である
営業パースンに対して「この人物は信用できるのか?」と不信感を持っているものであり、そこをクリアできた次には、
売り手の勧める商品やサービスが「本当に役にたつのか?」と必要性に確信が持てないことが多いものである。更に
そこを乗り越えた先には、「他の会社にもっとよい商品・サービスがあるのではないか?」とか「今急いで買わなくても
いいのではないか?」といった疑問を持つものである。営業職は、これら顧客の購買心理における「不信」「不要」「不
適」「不急」といったハードルを越えないと注文を獲得し営業活動を成功裡にクローズすることができないのである。

◆ 営業に必要な力

 最後に営業を始めとした職業人として必要な力を伝えて講義を終了したい。
先ず、必要な「知識」とし、
 ①IT技術に関する基礎知識
 ②自社製品・サービスに対する知識
 ③同業他社製品・サービスに対する知識
 ④顧客企業の業界や業務に関する基礎知識
 ⑤会計に関する知識
 ⑥企業法務に関する基礎知識
が必要になる。しかし、これらの知識は意欲さえあれば就職後の学習で十分に学べることなので恐れる必要はない。
強いて言えば会計や経営管理の知識は大学で学習したことが生かせる部分なので復習しておくとよい。
 むしろ重要なのはコンピテンシーという行動特性、価値観、考え方であり、これは皆さんが大学でも学んでいる「社会
人基礎力」と重なる部分が多い。就職面接の現場においても採用する側は短い面接時間の中でこのコンピテンシー
部分を重視している。
 様々なコンピテンシーの中でも「信頼感」「チームワーク」「責任感」「コミュニケーション力」などが
特に大切であり、職業人としての土台になる。

以 上