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2017年度 第10回 地方銀行(通算92回)(平成29年12月14日)

地方銀行の現状と今後

  松本 雅登様   
    元㈱北陸銀行常務取締役東京支店長


 まず直近の銀行の状況については、日銀のマイナス金利
政策による貸出金利の低下により本業の国内資金利益が
減少、加えてこれから迎えることとなるAIによる業務改革や
仮想通貨の普及に備え、メガバンクは人員減や業務量削減を
見越した人員シフトの効率化策を打ち出した。
地方銀行は地方の人口の減少も見込まれ、
「規模の利益と効率化を狙い」ここ2~3年で10社以上の
持株会社形態の統合(20行以上の再編)を行っている。

◆ 銀行業務や地方銀行の役割について

 最初に民間金融機関の機能と種類、そのなかで地方銀行の位置づけを制度面と特徴に分けて説明を行った。そして営業地盤が地域的であり地方銀行の成長は地域経済・社会の発展があってこそのものであること、民間金融機関のうち地方銀行の占める預貸金のボリュームとシェアはメガバンクに引けを取らないこと、地方銀行の顧客は地域の住民と中小企業が中心であることを説明。また千葉県の金融機関についても言及した。
 銀行の業務は預金・貸付・為替が3大業務であり、他に投信販売等認められている業務について説明を実施した。そして、銀行の収益の仕組について、基本的な資金益(預貸金利ざや)・手数料益・外国為替益について説明を実施。

◆ 地方銀行の業績について

 2017年3月期は比較可能な2009年以降で最高益となった前期比11.2%の減益。これは日銀のマイナス金利政策により貸出金の利ざやが縮小したことが主因である。
 2018年3月期予想は日銀のマイナス金利政策継続により貸出の利ざやが一段と悪化し、債券の運用益も悪化が見込まれ、最終利益は17%減の見通し。

◆ 今までの地方銀行は

・1985年の金利自由化までは当局の護送船団方式により横並び・安定していた。しかし、金利自由化以降、
 業務の自由化も始まり競争が激化した。
・1990年までのバブル期は、地価・株価の上昇による不動産・有価証券担保貸出が急増。
・1991年以降、バブル崩壊により地価・株価の急落と景気の悪化により不良債権が急増。それによる金融機関の
 赤字決算、自己資本の減少により、自己資本を補うべく地方銀行を含め金融機関の一部に公的資金が注入され
 るが、破たんする金融機関も現れた。
・2000年代の初頭からリストラ等による利益で不良債権の圧縮、自己資本比率の上昇、公的資金の返済を行った。
・その後、収益の多様化とそれに対するリスク管理の高度化、コンプライアンス体制の構築、効率化、業界の再編等を
 経て現在に至っている。

◆ 現在の地方銀行を取り巻く環境

  1. 地方を中心に人口の減少と少子高齢化が進んでいる。
  2. 地方銀行の営業基盤である地域経済が縮小。
  3. 他業態やゆうちょ銀行等との競争激化し、業界再編が進んでいる。
  4. さらに、貸出金利低下による本業利益の減少が発生している。

◆ 地方銀行の今後の方向性は

 地域創生を図るべく地方公共団体等と連携し地域産業のバックアップ、インキュベーター機能の発揮、ビジネスマッ
チングや無担保貸出等のリスクテイクを含めた地域中小企業の支援が行われている。そして、収益の多様化とリスク
管理が高度化するなか、地方銀行同士の統合や業務提携、システムの共同化によるスケールメリット追及と効率化
が進展している。また、事業承継やM&A、資産運用、国際業務など専門的業務強化による顧客とのつながり強化も
図っていく方向となっているのが現状である。

◆ 地方銀行の組織とは(本店と支店)

 入行後のキャリアを総合職と一般職に分けて説明し、研修についても集合研修、現場での教育、自己啓発に分け説明を実施。中でも、総合職は3年程度のローテーションで異動することや女性の登用が進んでいることなどを説明した。

◆ 最後に総合職の業務、知識・スキル

 支店では「得意先係」「融資係」として地域の企業幹部や経営者、あるいは個人富裕層のお客様と日々接することと
なるが、まずお客様のことを知り、お客様本位で仕事をしていくことが大事であり、そのためには自己啓発等で自らを
高めお客様の信頼を得ること、また自らのキャリアプランをしっかり持って仕事をすることが必要であることを説明し
た。また、私自身の得意先係においての経験、失敗談を語って講義を終了した。
以 上