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2017年度 第8回 総合商社(通算90回)(平成29年11月30日)

グローバルな仕事と海外生活の勧め!

     眞弓 博司様   
         元丸紅ドイツ副社長

◆ 総合商社の機能

 総合商社がどのような仕事を行っているかを理解できている人は少ない。その理由は、取り扱っている商品が一般人には馴染みのない生産財が多いこと、事業が多岐にわたり、又世界各地に広がり、いくつもの顔を持っているため本当の姿が見えないことによります。
 総合商社の最も特徴的な仕事は、
   ①世界を駆ける貿易
   ②世界中の市場開拓
   ③海外プロジェクトの企画・遂行
   ④M&A
 でしょう。
 一般社団法人日本貿易会がそのホームページで説明している商社機能は8つありますが、その機能ひとつ、ひとつが独立している訳ではありません。実際に商社マンが日々遂行している業務は複数の機能を同時に行っております。

◆ 生産財のマーケティングと国際会議

 商取引機能は商社の原点ですが、取り扱う商品は生産財であり、且つグローバルにマーケティングが展開されます。そのマーケティングの特徴は、消費財とは全く異なる手法で遂行されます。
 生産財マーケティングの特徴は、
   ①商品に国際規格があり、ブランド化が困難
   ②販売促進は、マスメディアは一切使わず、プロ対プロの直接個別交渉による
   ③販売先は特定の企業で数が限定される
   ④取引契約は長期契約が原則
   ⑤取引金額は多額である
 ことです。
 一定の取引期間が経過し、売り主・買い間に信頼関係ができると、買い手と売り手がパートナーとなり、長期的視野にたち、商社側から見れば顧客維持型マーケティング、買い手側からみれば原料購入のパートナー関係となります。
国際商品である石油化学製品の国際会議では、石油化学製品の製造業者だけでなく、需要家であるバイヤー、商品をグローバルに展開するトレーダーが参加し、共通の課題や未来の技術・新商品の討論を展開する。この国際会議には一般人は参加できない。その商品のプロが仲間であるメーカー、トレーダー、バイヤーと話し合う場であります。
 国際ビジネスに参加するには、英語を初めとする言語の勉強だけでなく、貿易実務、経理・財務、経営分析、世界経済の動向、商品知識と市場の動向、新技術、新商品等多くの知識が必要ですが、特に国際ビジネスマンとして心得ておく重要なことがあります。それは“日本の歴史・文化・習慣を知り、相手につたえられることです。
 国際ビジネスの世界は多民族社会です。このような世界では否応なく自分が日本人であることを思い知らされますが、それ故日本の歴史・文化・習慣を語れないようでは相手にされません。素性がわからない人は疑われ、敬遠され、ビジネス仲間に入れない。国際ビジネスの現場は、“人と人とのつながり”なのです。

◆ 商社活動の事例

上記商社機能の具体例として、講師が経験した事業と取引事例を紹介する。
☆Episode-1 イギリス企業の買収と経営
  日本で学び、マスメディアより得た知識と、買収した会社の経営から知り得た“イギリス”とは大きな隔たりがありま
  した。方言が多い国、多民族社会と人種差別、階級社会、イギリス教育制度に起因するビジネスマンのプレゼン能
  力・ディベート能力の高さ等、イギリスの良さと欠点を知りました。一方、プライベートでは親切な隣人にお世話にな
  り、多くのイギリスの習慣を学びました。現地社会に早く溶け込む為には、自分から積極的にアプローチし、日本の
  歴史・文化・習慣を伝えることにより、日本人として理解と信頼を得ることが大切です。

☆Episode-2 ハンガリーの化学品メーカーからドイツ、フランス、オランダ市場の販売代理店権を獲得する交渉
  ハンガリーで生産される石油化学製品をドイツ人、フランス人を差し置き、日本の商社がドイツとフランスに販売し
  た事例です。欧州には多くの民族があり、戦争により離散・融合・対立を繰り返して来ました。未だに第二次世界大
  戦でのドイツ・ナチスへの恨みは骨髄に徹する人々がいます。民族間の対立が背景にあり、その対立とは無縁の
  日本商社が欧州原産の商品を欧州市場で販売することができました。
以 上