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2017年度 第4回 総合スーパー(通算86回)(平成29年10月26日)

「積小為大」・・・小さいことを積み重ねることがとんでもないところに行くただ一つの道

邊見 敏江様  
  前 東京大学大学院経済学研究科 特任研究員
   元㈱イトーヨーカ堂 常務取締役

◆ はじめに

私は、1960年に株式会社ヨーカ堂(現イトーヨーカ堂)に入社しました。鉛筆以外重い物を持ったことはありません。本部から一度も離れることなく、経営企画担当一筋でした。創業者の伊藤雅俊さんに仕え、執務室は最短で2メートル、最長60㍍の近さでの仕事でありました。伊藤につけられたあだ名は「コンピューター」です。コンピューターが流通業にも、イトーヨーカ堂にも導入されていない時代であります。多分、仕事が早く、正確で、どんな課題にも答えを出す、こんなことを表現されたものと思います。

キャリア教育特殊講座における共通テーマは、「営業経験の話」です。先に述べたように私には営業経験がありません。入社時1週間売り場実習させられたのみであります。そこで本テーマにふさわしい人間でないとお断りしたが皆様の前に立つことになりました。最初にお断りさせていただくとともに、皆様のご了解をいただきたく思います。

表題には「積小為大」と書きました。「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの」、を掲げました。これは二宮尊徳(金次郎)の教えであります。「大事をなさんと欲せれば、小積りて大となればなり」であります。一つが全てです。一つが出来なくて二つは出来ない。小さいことで良いですから、そこからスタートしてください。

◆ わたしのキャリア

1.近年の状況 
退職後東京大学大学院経済学研究科(東京大学ものづくり経営研究センター)に勤務しました。3年前から一般社団法人コンコルディアクラブでCAOに就任しました。諸外国との交流、協力強化など、アフリカ諸国の発展に寄与せんとする仕事であります。

2.キャリアの紹介
1960年以降10年刻みに代表的な仕事を紹介します。やりがいを感じた代表的な仕事でもあります。
私は、「やりがい」のある条件は4つあるとかんがえます。
  ①「自発性」、人様に言われたこと、指示されたことでないこと。
  ②「切実性」、やり遂げなければならない使命感、責任感の認識。
  ③「創造性」、創意工夫が出来る仕事であること。
  ④「処女性」初めての仕事であること。これらが「やりがい」をもたらしてくれると思っております。

(1)1960年代:社員から見た長期経営計画を立案。
  「私達の未来」という小刷紙です。どこでも長期計画といえば「会社の立場」で立案するのが通例ですが、働いてい
  る従業員から見た期待・理想像を立案、社員に約束をしたのであります。
(2)1970年代:株式上場に向けた経営基盤の整備。
   会社を公器のモノとすることで経営の質を高めんとするために、自らを追い込んだものであります。最初の「新株
   式発行目論見書」の表紙を乗せておきました。
(3)1980年代:「IYグループのマネジメントの革新」を答申しました。
   グループの事業も多岐にわたり、規模も拡大しました。セブン-イレブンやデニーズなど。これらのグループに属す
   る会社が同じ「鳩のマーク」の元、経営理念と哲学を共有しながら、マネジメントプロセスを守り、ともに発展せん
   とするものであす。コーポレートからの適度の関与と、各カンパニーの自治独立の最適バランスを図ろうとするも
   のであります。
(4)1990年代:中国事業の開発:異文化への事業移転であります。
   海を越え、異文化への技術移転、店舗展開であります。外国資本初のチエーン展開権を得たものであり、ライセ
   ンサーとしても是が非でも成功させなければならない事業でありました。すべての交渉、契約書の作成、会社の
   立ち上げ、再建を成し遂げました。
(5)2000年代:東大での研究員活動と諸大学での講演、客員教授活動であります。
   これらのすべてが新しい仕事の開発でありました。

ここでともに息を抜き、コーヒーブレークとしていくつかを紹介します。
経営学の神様と称されたP.Fドラッカー教授、成都イトーヨーカ堂進出に当たり物件を視察、邱永漢に話している様
子。中国は福健省アモイでの講演の帰り、北京により世界初のチエーン展開権を得た写真。教歴、研究歴、3冊の著書の表紙です。最後に生家の写真に加え、慶應義塾大学ビジネススクールでの活躍等に言及し、刺激を与えました。

◆ 生きる道として2つのタイプの提案

生き方には意識のない「生きている」いわば植物的な生き方、これに対して「生きてゆく」動物的、人間的な生き方の2つです。目的を持って生きてゆく道の大切さを強調しました。「社会の為になすべきこと」を早く見つけてほしいことをも期待しました。

◆ 社会人になるために

仕事が最大の教師であると考えます。どんな仕事でも与えられた仕事に全力でぶつかり、人間として真摯に、誠実に生きてほしいと願いました。好きなこと、できることに全力を挙げてほしいのです。そして、一番大切な言葉は、「ありがとうございます」という言葉、感謝の精神です。

◆ 業界とIY(イトーヨーカドー)グループ

総合スーパーの誕生と成長、1990年代からの停滞を駆け足で紹介しました。企業の寿命は本当に短いです。小売業は毎日、お客様にテストされています。
最後に、IYグループの事業を紹介。セブン-イレブンを含む日本最大の小売業、生活産業集団であることを伝えるとともに、皆様のご健闘、ご健勝を願って終わりにしました。
                                                                    以 上