グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2016年度 第11回 IT・ソフトゥエア業界(通算81回)(平成29年1月12日)

2016年度 第11回 IT・ソフトゥエア業界(通算81回)(平成29年1月12日)

講義風景

福原 茂喜様  

  元・NECモバイル企画本部長代理

テーマ:IT・ソフトウェア業界における営業職とは

◆はじめに

まずはIT・ソフトウェア業界の動向を左右する市場規模であるが、シンクタンクのIDCが2016年2月に公表した2016年の国内IT市場全体規模(予測)は14.8兆円(前年比+1.4%)で、その内訳は国内ハードウェア市場が6.4兆円(前年比▲0.5%)、国内ITサービス市場が5.5兆円(前年比+2.0%)、国内パッケージソフト市場が2.9兆円(前年比+4.6%)となっています。国内ハードウェア市場は低価格化にマイナス成長となっているものの、数量ベースでは着実に伸長しており、国内ITサービス市場および国内パッケージソフト市場は今後も高い成長が見込まれています。

◆企業規模

ひと言で「IT・ソフトウェア業界」といっても、NECや富士通、日立、NTTデータ、日本IBMといった大企業から、スタートアップしたばかりの4~5名程度のソフトウェア開発ベンダーまで大小様々な企業があり、国内には約3,000社程度の企業が存在するといわれています。また、そうした数多くの企業がそれぞれの強みを生かした機能を担っており、垂直的あるいは水平的に分業体制を築き上げてきました。

◆ユーザー企業とIT企業、そして導入形態

そこで、まず各ユーザー企業がITシステムを自社に導入・運用するにあたり、どのようなIT企業が関わっているのかを紹介しておきたいと思います。そして、ネット事業を展開するのに必要なITシステムを導入する、あるいは社内の各種業務を効率化・高度化するためにITシステムを導入・運用するにあたり、大別して大きく二つの導入形態があります。ひとつは、「オンプレミス」と呼ばれる導入形態で、ITシステムをユーザー企業が所有し、自社の管理下で運用する形態です。もうひとつが、「クラウドサービス」と呼ばれるクラウド事業者が開発して運用するITシステムをサービスとして利用するという形態です。

◆オンプレミス型とクラウドサービス型

オンプレミス型のITシステム導入を請け負うにも、導入にあたっては、①システム企画・要件定義、②システム設計、③開発・テスト、④運用・保守といった開発・導入プロセスがあり、そのプロセスのすべてを1社ですべて担っているIT・ソフトウェア企業はなく、ITコンサルティングやシステムインテグレーター、ハードウェアベンダー、ソフトPKGベンダー、ソフト受託開発会社、システム保守運用会社といった企業がそれぞれ強みを生かして相互にそのプロセスを分担・協力し合っています。
他方、クラウドサービス型のITシステム利用は、従前のオンプレミス型の導入に伴うデメリットに着目し、自社固有のITシステムを開発・導入するには巨額のシステム開発投資や開発期間もかかるばかりか、開発リスクを伴うために社内の業務プロセス改革を推進することにも不向きであるといった問題意識の下、すでに他社で利用されているITシステムを流用すれば、IT投資金額の抑制や開発期間の短縮、開発・導入・運用リスクの軽減、他社で実際に利用されている業務ナレッジを簡単に流用することができるといったメリットに着目して台頭してきたITシステムの利用形態です。そのため、汎用的な業務領域で利用するには大きな成果がある一方で、ユーザー企業独自のニーズを満たすためのカスタマイズには制限があり、時として導入企業の特性を生かすためにオンプレミス型のITシステム導入を選択するケースも少なくありません。

◆求められる人材

そうした顧客企業ニーズの変化に対して、これからのIT・ソフトウェア企業の営業に求められている資質は、高い人間性や論理的思考を磨くことはもとより、柔軟かつ的確なソリューションの提案力です。言い換えれば、顧客企業やパートナーが抱える真の課題や問題を的確に理解し、具体的なITシステム導入の成果を明示することができる提案力が求められています。そのためには、業界の景況感や顧客企業の経営課題などの業種・業界特有のポイントを常に押さえる習慣を身につけること、あるいはIT技術や経営に関するビジネススキルを有している必要となります。もちろん、そうしたスキルは大学就学中に習得できるものもありますが、実際に企業に就職してからも幅広く自身の人間性やビジネススキルを研鑽する努力を惜しまない人材こそが、IT・ソフトウェア業界が求めている有能な営業人材です。

◆今後のIT業界は

今後のIT・ソフトウェア業界において注目すべきは、第三のプラットフォーム市場(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)が急速に立ち上がってきており、そうした第三プラットフォームの進展は、車の自動運転に代表されるような社会インフラの飛躍的な高度化をもたらすでしょう。そうした変化をもたらすキーワードは、①クラウドサービス、②IoT(Internet of Things)、③ビッグデータ、④データサイエンティスト、⑤AI(Artificial Intelligence:人工知能)、⑥ウェアラブルといったところです、そうした社会インフラに劇的な変化をもたらす重要な担い手が我々IT・ソフトウェア業界であると言っても過言ではありません。

◆さいごに

最後に、これから社会へ出ていく皆さんへの贐として、講師自身が現役時代に長く信条として行動や思考の規範としてきた言葉を紹介しておきたいと思います。ひとつは、「過去を肯定的に否定しろ。」という言葉ですが、常に従前やってきたことは間違えていないのかという視点に立って、今やるべきことを冷徹に見定めるということです。もうひとつは、「常に、1+1=3の工夫を凝らせ。」という言葉ですが、二人(二つの事象)で力を合わせて二人(二つ)分の成果を出すことを目指すのではなく、常にどう工夫すれば三人分の成果をさせるのかに知恵を出すということです。いずれの言葉も、言葉の奥底には、常に周囲や過去に流されることなく、自分自身で過去の殻を破り、自らを変化や変革の渦中に身を置いていくことこそが自分自身を輝かさせてくれるということなのです。ぜひ若い皆さんがこれから社会に出ても、何事にも臆することなく、益々、成長されることを期待しています。