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2016年度 第4回 総合スーパー(通算74回)(平成28年10月27日)

テーマ:社会人として働くことの楽しさ、その成功のカギ

稲岡 稔 様  元セブン&アイホールディング常務取締役

◆会社とは

一般的に、社会で貨幣価値を創出する最大の存在は企業、即ち会社である。会社も活気あるすぐれた学生を求めて
いる。会社の究極の目的は利益を上げることである。会社が利益を産むから株主は出資し、国や自治体も会社の活
動を支援し、その利益は税となって国家、社会全員の幸せのために使われる。そこで働く会社員も報酬を受け取り、
社会人として税を納めて社会に貢献していく。
 会社に利益をもたらすものは「ユーザー」即ち「お客様」であり、会社にとってはお客様に喜んでいただき、満足していただくことこそが繁栄の源である。しかし、これからの日本社会は会社にとって厳しい時代となる。まず、世界的に低
成長が続いている。そして日本の人口は減少し続け、生産年齢人口は急速に減少していく。2036年には東京都です
ら、すべての区で人口が減少する。
 わが国は巨額の財政赤字を抱えており、その先行きは楽観できない。消費税はさらに上げられることになっている。

◆働くこととは

こうした中でいかにして社会人の楽しさを享受し、仕事をなしとげ、組織の中で成功していくか。そんなに簡単なことで
はない。日本の会社に入社すると、通例「研修」を受けることになる。まずはこの研修期間を、受け身で受動的に過ご
さないことが大切である。グループ分けされて話し合うことになった時には自ら司会を申し出る。会社の研修担当社員
に、研修の進行を手伝いましょうか、と申し出て補助的役割、雑用を引き受ける。新入社員全体に気を配り、困ってい
る社員を助けてあげる。これらはすべて研修担当社員が注視しており、当然に評価に結びつく。
 これが後の会社人生に大きく影響する。やがて新入社員として会社内の部門に配属され、上司、先輩に教えてもら
いながら社会人として成長していく。そこでは当然組織の中でのマナー、動き方、生き方が厳しく見られている。上司、
先輩、同僚との接し方が大事なことであるし、この人はどういう人間か、を厳しく見られていく。
 会社、組織で働くことは楽しいことである。自分が他の人たちから認められ、評価され、組織の目的に貢献することができ、報酬をもらえる。よくやったとほめられることがあるし、賞をもらったりもする。この時、のぼせ上がらないこと。
「組織は嫉妬の海」である。多くの人から嫉妬された時、思いもかけない扱いを受ける。

◆社会人と学生の違い

社会人の生活は学生とは大きな違いである。何より社会人としての責任が伴う。組織の中で求められる成果は達成し
なければならないし、組織の求める価値を増大しなければならない。
 これができないと上司からは厳しく見られるであろうし、さらなる努力を求められ、それでもできなければ異動の対象
ともなる。求められた成果を上げられないで上司から厳しく見られる時、組織人は苦しむことになる。ストレスを受け
る。その苦しみが大きくなっていくと、うつになったり出社拒否したりする場合が出てくる。難しい仕事をしている人ほ
ど、そうした場面に陥ることがありがちである。

◆組織の一員として

日本の組織は本質的に「ムラ社会」である。ムラの掟には従わないと「ムラ八分」にされかねない。組織のリーダーの
いうことによく耳を傾け、その考えが自分の考えと違う時には、まずは黙してよく考える。いきなり「私はこう考えます」
というと、多くの場合、大変なことになる。しかしリーダーの考えと違う考え方で進めないと物事が解決しないことも少
なくない。そのような状況でどう行動するか。このあたりが組織の中で働く時のむずかしいところである。内々に先輩た
ちに相談し、自ら考え抜き、大きな成果を上げることができれば成功である。しかし、その間、相談した人が上司にこっ
そり告げていやがらせを受けたりもしよう。決まったやり方はない。
 まず、自分の趣味や友人との交友の中で気分を立て直していく。上司が率直に相談できるなら上司と相談し続け
る。しかしそうでない場合がしばしばである。あるいは他の部門、なるべく現部門から離れた部門の親しい先輩に相談する。他部門の友人と相談する。あるいは他社にいる友人たちに相談する。
 こういう状況の時、どう打開していくか、ここが社会人として生きていく上での大事な関門である。これは公務員あるいは研究者、教育者として生きる人も同じであろう。人の世のことゆえ、こうすれば解決するという定理はないのだが、こういう状況はだれにでもあること。そして組織の内部情報は外部に絶対にもらさないこと。悩みすぎないで、これを乗り越えること。
 幸い会社には人事異動があって上司も変わる時があるし、自らも異動することがある。この時、思いつめない、無理をしないことが大切である。

◆働くことの楽しさ

営業こそが会社の利益を産む会社のエンジンである。しかし、会社のどのような部門にいても、会社を支え、前進させ
るその使命はある。会社に必要な人であることに誇りを持ち、そのような組織の中でしかできないことができる喜びを
見失わないように。
 人は何のために生かされているのか。我々は何のために生を受けているのか。自らなりによく考えて生きる喜びと
誇りを見出してほしい。家族とともに豊かで幸せな生涯を生きてほしい。そして回りの人々を幸せにしてほしい。
 あなたには、それができる。