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2016年度 第2回 電器業界(通算72回)(平成28年10月6日)

講義風景

杉村 和智 様  元東芝家電営業本部 部長
元営業人材(家電・携帯・エネルギー業界)派遣会社 代表取締役


テーマ:電器業界の営業職とは

本講義は、履修学生が家電産業(広義には、電機産業やエレクトロニクス産業を含む)への関心の醸成を図ると共に、将来の就職を睨み、面接時に知っておいた方がよい業界の知識と情報の提供に重点を置いた内容とした。

◆電機関連産業について

・電機に関係する産業は、電機産業・エレクトロニクス産業・家電産業などと呼ばれていますが、その内容は少しずつ
 違います。まず、その内容の違いを知っておく必要があります。電機産業というと火力発電機などの発電機や大きな
 モーター・工場設備やエレベータ・電車などの製品を含む場合が多く、エレクトロニクス産業は半導体などの電子部
 品や情報通信機器や情報サービスが中心となります。家電は家庭で使う電気製品が中心となります。本日の講義
 は家電、特に国内マーケットを対象とします。
・また、家電メーカーの代表であるパナソニックでも、電気店で売っている家庭電気製品の全社に占める売上の割合
 は1/3強です。パナソニック、東芝、日立、三菱などの企業で、各社の家電部門の売上がどの程度のウェイトを占め
 るのかを知っておくことは、就職活動の上で大切だと思います。

◆国内市場について

・国内の家電年間需要は7~8兆円あります。これ以上大きな国内需要を持つ耐久消費材は自動車くらいで他にはあ
 りません。大きな需要のある産業を選び、その業界の知識や技能が身につくと、仮に務めている会社を辞めても次
 の仕事を探しやすいと考えます。下世話に言うと「くいっぱぐれ」が少ないのです。実は、私もこう考えて電機メーカー
 に入りました。
・一口に家電製品といっても、その性格は相当違います。家電製品は、AV機器(テレビ・DVD・音響など)、白物家電
 (洗濯機・冷蔵庫・理美容など)、情報関連機器(PC・PC関連機器など)、携帯電話関連機器、その他(家庭設備・車
 載機器など)に分かれます。AV機器は技術革新で大きく進歩しますし、白物家電は風土や生活文化で益々多様化
 しています。家電は成熟化・コモディティ化したと言われますが、私は一時的にそのように見えるだけで、決してその
 様なことはないと思います。たとえば、2020年の東京五輪に合わせて8Kテレビが始まると市場は一挙に活性化す
 る筈です。

◆電器業界の営業職とは

・さて、本日のテーマの家電の営業職はどこにいるかというと、メーカー、販社(卸)、家電小売業にいます。それぞれに
 役割が違います。メーカーの営業は商品企画・販売企画・家電量販店との商談などマーケティングでいう
 4P(Product, Price, Place, Promotion)を担当します。販売会社営業担当は、店頭の情報をメーカーに・メーカーの情報
 を店 頭で働く人々に伝える情報伝達機能や具体的な売上促進策の提案や販売支援などの役割を担います。家電
 小売 業で働く営業は、つまり“販売員さん・店員さん”は、お客さまの要望に応えた商品を推薦し、買って戴く活動を
 行います。
・営業とは何か? 営業はどうあるべきか?は本講義でいろいろなお話がでると思います。その内容は様々で、結局よ
 くわからない!となるかもしれません。よって、「私は営業をこう考えている」と述べるのではなく、15年くらい前に
 日本の商学会とマーケティング学会で行われた“営業の研究”から、営業機能を三つに集約して紹介します。営業機
 能の一つ目は「販売チャンスロスを無くす機能」。二つ目は「コミュニケーション機能」。三つ目は「売上促進の提案機
 能」です。

◆今後の電器業界は

・ここまでは、これまでの国内家電の話です。実は1-2年前から家電の様子が変り、大変おもしろい時期に差し掛
 かっています。なぜかというと、AI・IoTの進歩と普及、少子高齢化を背景とした家電の持つ機能への社会的な関心
 の高まり、自然環境への対応などに家電製品が深くかかわっているからです。例えば、IoTで冷蔵庫の扉が大型
 ディスプレイになるかもしれません。ソフトバンクのロボット「ペッパー」も家庭に入れば家電品ですし、自動車会社が
 開発しているコミュニティーカーはモーターで走る電気製品です。高齢単身宅の電気ポットをネットに繋いで使用の
 有無で安否確認する仕組みも出てきています(講義ではそれぞれをYouTubeで紹介)。
・また、家電ベンチャーや家電製品を作って売る人たち(メーカーズといいます)が次々に現れています。バルミュー
 ダ、UPQ、Bsizeなどです。made in AKIBAの光る靴OrpheはCFにも使われ、売切れが続いています(講義ではそ
 れぞれをYouTubeで紹介)。売るより創る方が好き方は、将来このような道もあるかもしれません。

◆就職活動に向けて

・私は働いていた最後の7年間は人材ビジネスにいたこともあり、最後に、お仕事を探す上でのアドバイスをさせて戴
 きたいと思います。会社の平均寿命は30年、皆さんが大学卒業後働く期間は多分40年以上です。ひとつの会社で
 勤め上げることは事実上、難しいのです。就活が大学卒業時だけにあるのではなく、今後も就活がありうることを人
 生設計の前提としてください。だから、大学卒業後も「自分磨き」を続け欲しいのです。まず、健康で人との縁(繋が
 り)を大切にすること。そして具体策として「読み・書き・そろばん」をしっかりと身に着けて下さい。
 “読み”の第一歩は新聞です。紙の新聞を是非読んでください。“書き”は就業後の日報・月報を書く力です。そろば
 んは、数字を上手く使えること、少なくとも表の縦計と横計が合うことです。次に、運転免許以外の資格をもう一つ取
 得してください。そして、学生の間にゼミ長やサークルの役員或いは旅行の幹事など“まとめ役”の経験をして欲しい
 と思います。
最後に、何か一つ記憶に留めて戴ければ幸いです。受講お疲れさまでした。