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2015年度 第8回 情報通信(ネットワーク)業界(通算64回)

大金 正 様  前 KVH副社長
元 日本IBM営業推進本部長

・1970年:日本IBM(IT業界) 職種:SE
       担当業界:運輸、電力ガス、通信、流通、小売、薬品、サービス
・1999年:日本ジェームズマーチン(コンサルティング業界) 職種:代表取締役
       担当業界:全般(特に金融)
・2002年:KVH(通信業界) 職種:営業VP,COO(営業、企画、運用)取締役
       担当業界:全般(特に金融、サービス)
・2014年末より講師

テーマ:情報通信(ICT)業界(特に通信ネットワーク)の営業職

◆情報通信業界とは

情報通信業界(以降ICT業界)は日本標準産業分類の大分類G「情報通信業」で規定されているように通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、および映像・音声・文字情報制作業の5業種に広く亘っていす。

◆通信業界30年の構造変化(1985年~2015年)

特に通信業は、1985年の通信自由化によるNTT(日本電信電話)の発足以来大きく産業構造が情報通信技術の進
展とともに変化発展してきました。1985年の通信自由化から1995年の10年は固定電話中心の時代であり、キー
プレイヤーはNTT,AT&Tなどの少数、大企業中心でありました。1995年~2005年の10年は、インターネットの
普及による通信と情報の融合の時代であり、キープレイヤーとしては上記に加えて皆さんがご存知のようにIBM、
Microsoft、富士通、日立NTTデータ、GoogleやAmazonがあります。
2005年~2015年の10年は、通信速度の急速な進展によるブロードバンドとスマートフォンの時代であり、通信業の川下川上を越えた競争が起こってきました。キープレイヤーとしては上記に加えてGree、DeNA、楽天、
Apple、Facebook、Samsung、Huaweiなど日系、外資の多くの新規プレイヤーが参入してきています。
ICT業界は、1985年から2013年で約2.4倍の経済規模(約100兆円)へと発展しました。中でも通信業はこの間約4倍(22.5兆円)の発展をなしました。経済規模の拡大に貢献してきた事業分野は長距離・国際、移動体、データ通信があり特に移動体の分野の発展は著しいものがあります。
通信事業者としてはNTT、KDDI、ソフトバンク以外に通信事業のいくつかの事業分野を選別・注力して電力会社系や外資が参入してきました。特に移動体の分野では回線網の設備を持たないMVNO(MobileVirtualNetworkOperator
仮想移動体通信事業者)と呼ばれる事業者が通信業の隣接業界のみならず広く他業界よりも参入してきています。
これからの社会・産業のキーワードの一部にIOT、AR(Augmented Reality)、自動車の自動走行、テレワーク、MO
OCs等あるが、通信業界は社会・産業のインフラとしてますますその重要性を増してきています。業界内の構造変化
としては地理的には日本国内からよりグローバル化してきており、また業種的にはインフラから、より業務・仕事に近
いアプリにビジネス機会が移行してきており、他業界よりの参入も多くなっています。

◆通信業界の営業プロセス

このような進化発展をしてきている通信業界における営業職は下記のような基本的な営業プロセスを実施しており、他業界と本質的に異なるものではありません。企業によっては下記の1~4と10~13のプロセスを営業部門の専任部隊で担当させて、営業職には顧客との訪問・面談時間を最大化させる分業体制を敷いているところも少なくありません。
  1.営業対象(担当)業界・企業の特定
  2.対象業界・企業分析
  3.課題・ニーズの想定・仮説
  4.コンタクト・アポ取り(電話・メール・飛び込み・紹介)
  5.製品サービスのプレゼン リハーサルと本番
  6.顧客課題ニーズの確認
  7.自社(およびパートナーの)製品サービスによる解決策策定と提案書作成
  8.提案プレゼンテーション リハーサルと本番
  9.受注クロージング
 10.契約書処理
 11.製品サービス提供準備
 12.サービスイン検収
 13.請求・回収処理

◆通信業界営業職の知識・スキル・能力

営業職に必要な知識・スキル・能力は、その製品・サービス、顧客ニーズ、競合他社等多岐にわたっています。通常、
顧客への提案営業活動を一個人で完結できるケースはまれであり、自社内エンジニア、協力パートナーとチームワークが必要となります。このチームをリードして顧客に対する最善の提案を行うためには何よりもまず、営業職が顧客の真の課題・ニーズ・条件を正確に把握理解してチームメンバーに伝え理解させることに尽きます。
そのうえで、自社製品・サービスやパートナー製品、競合他社製品を段階的に習得理解していくことが必要になってき
ます。通信業界の動向にて述べたように、この業界は、日本の顧客の海外進出、海外顧客の日本参入、外資競合の参入等グローバル化がますます進展してきています。このグローバル化に対応できる営業職として、英語は当然として、長期計画でアジアの言語を習得しておくことが肝要であります。

◆営業職のキャリアパス

営業が知識スキルを身につけてキャリアパスを広げていく道筋は、企業内および企業間(顧客を含めて)で多種多様
でありますが、経験的には、技術系、ソリューション系よりの営業職への職種変更は顧客に対する関心、理解力持っ
ていればやりやすいです。逆に営業職より技術系、ソリューション系への職種変更は、技術習得の高度性によりハー
ドルが高いと言えます。よって最初から営業職を目指すのか、どの職種からスタートするのかはよく検討して就職
活動に臨むことが必要となります。

◆「できる営業」とは(経験談)

通信業界の一企業で営業担当副社長、そしてCOOとして営業を採用、指導、観察してきた経験から「できる営業」の
共通項を抽出してみます。

「できる営業」とは、顧客に対する興味・関心・理解力が高く、常に顧客の真の課題・ニーズ・条件を正確に把握し理解
しようと努める行動パターンを持つことであります。その営業職が社内チームで、顧客の真の課題・ニーズ・条件の最
善・最終の理解者であれば、他の提案営業活動に必要な要素は、社内チームの他のメンバーによって補完できるからです。