グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



カテゴリ画像
ホーム  > 就職・キャリア支援  > チバイチバン  > 社会を知る  > 2015年度 第3回 マスコミ業界(通算59回)

2015年度 第3回 マスコミ業界(通算59回)

嶋矢 志郎 様  元日本経済新聞論説副主幹

論説副主幹/論説委員を最後に、1994(平成6)年から大学教授に転じ、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授、同先端工学研究開発機構客員教授等を歴任。この間、1990(平成2)年から筑波大学で特任科目『環境と文明』を担当するなど10有余の大学/大学院で非常勤講師。長年に亘り、講義/講演、新聞/雑誌等への定期寄稿、テレビ東京ニュースキャスター、ラジオ日経のパーソナリティーなどにレギュラー出演。学校法人桐朋学園理事/評議員を25年間(1973-98)にわたり携わる。専門領域は、日本経済論、地球社会論、現代文明論、情報社会論、環境共生論、企業経営戦略論など。著書・論文多数。

テーマ:マスメディア界の問題点と課題 ‐ジャーナリズムが健全に機能するために‐

本日は、次の3点について講義をします。一つは、ジャーナリズムの機能と役割。二つめは、ジャーナリズムの仕事とその特性。そして、最後に、マスメデイア界を目指す人たちへ、その心得についてです。

◆ジャーナリズムの機能と役割

ジャーナリズムは三権分立に次ぐ第4の社会的な責務を担っています。近代民主国家では、国家権力の濫用を防ぐ一方、国民の民主的な自由を保障するため、立法、司法、行政の三権を分離、独立させて、相互に監視、牽制できる仕組みとして三権分立が存在するが、それでも権力の濫用もあれば、三権間の逸脱や侵害など、権力のバランスが崩れることが多い。  
このため、ジャーナリズムが中立、公正な立場から三権分立が健全に機能するように、客観的な立場から監視、牽制する機能と役割を担っている。これが第4の社会的な責務と言われる所以であります。
ジャーナリズムには、社会の価値観の醸成と秩序の維持、形成に参画、貢献する担い手としての機能と役割も担っており、これには3つあります。一つは、強きを挫き、弱きを扶けること。二つは、勧善懲悪、公序良俗の奨めです。そして、三つめは、近代化、民主化、人権擁護など、世直しへ先導役を果たすことであります。さらには、国民の「知る権利」の預託を受けて、その履行責務を果たすことが何よりの本務であります。三権など広く社会のニュース源から取材し、情報を収集して、基本的人権の一環である報道、言論の自由を駆使して、不特定多数の読者や視聴者により多くの情報を届けることが最大の仕事です。

◆ジャーナリズムの仕事とその特性

中立公正な客観報道に徹して、最善の努力を払い、尽くすことです。コミュニケーションとは送受信の双方の信頼関係があって初めて成り立つように、マスメデイアの世界も同じで、ジャーナリズムは信頼性が生命線であります。読者や視聴者がその情報は信頼できるか否かを判断するのは、結局は媒体そのものの信頼性であり、報道機関に対する信頼性に尽きるからです。
それには、公共性と商業性のバランスが大切で、そのバランスを支えるのが収入源の両輪である販売と広告であります。いうまでもなく、ジャーナリズムは国家権力をはじめ、社会のいかなる圧力にも屈することなく、経営的にも自主、独立している必要があります。その意味で、販売と広告の収入バランスも偏ることなく、車の両輪と言われる所以です。特に、マスメデイア各社の経営力は他業種に比べて脆弱で、常に技術革新とグローバル化の波に晒されているため、経営の安定性が中長期的に強く求められています。

◆マスメデイア界を目指す人たちへ、その心得

他業種に比べて、ジャーナリズムという点では仕事/業種を選ぶ心掛けが必要であり、公益業種という点では使命感や倫理観がより強く求められることになります。ただ、逆に仕事を通しての遣り甲斐や生き甲斐を実感できることも確かです。是非、より多くの学生諸君に挑戦していただきたい。