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2014年度 第8回 電力業界(通算50回)

松本 一紀 様

1964年 東京電力株式会社 入社
1993年 支社長で転出までの二十数年に亘り経理業務のほか会社設立や子会社業務支援などにも携わる
監査役業務部長、理事・東京南支店長を経て、グループ会社の東京発電株式会社 社長就任
2010年 退任

電力事業の業務内容と将来について

電力事業とは

簡単に言えば「需要家(電気の使用者)の電気を使用する状況に応じて電気を供給する事業」を言います。
事業分野としては、まず商品(電気)の生産(発電)があって、輸送(電力の流通=送電)し届けます。この商品の特徴として生産されたら直ちに消費(使用)される点です。このため、消費者(需要家)の使用状況に合わせて生産・輸送を調整(系統運用)することが大切なポイントになります。工場に当たる発電設備には水力、火力、原子力などを利用した発電所の他に、近年大きな関心を呼んでいる太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用したものも含まれます。

日本では「電気事業法」の下で、10社の一般電気事業会社がそれぞれの供給地域ごとに発電から一般家庭への小売まで、一貫して運営をしてきました。しかし一般産業と同じように自由競争の下で効率化を競わせるべき、との議論が強くなり、現在電力システムの大幅な改革が進行中です。2018年には今までとは全く異なる事業形態に変わる予定ですが、培ってきた企業力を活かし成長発展をして行って欲しいと願っています。

電力事業の業務

電気事業の扱う商品は電気であり、電気の生産・販売が経営の根幹です。
営業機関では電気の供給に関わること、電気料金に関わること、電気に関する各種相談やコンサルトなどが具体的な仕事になりますが、消費者へ供給する電圧(高いものでは15万4千v、一般の家庭では100/200vで送電)の種類によって扱う営業機関が変わります。現場第一線で営業力として求められるスキルは、消費者のニーズに合わせたコンサルト、省エネルギーや電気使用合理化へのアドバイスなどと共に、電気を供給する上で様々な業務を所管する部署との総合調整力も大事なポイントです。担当部門とのスムースな意思疎通が出来るよう日頃の努力が問われます。

電力事業経験者からのアドバイス

入社早々直接消費者と接した3年間、多くの失敗を経験した時期です。顔の見えない消費者とのやり取りはややもすると会社にとって都合の良いことだけを押し付けて、それで納得を頂いたつもりになっていたのではないか、自分の本意が伝わらないもどかしさの中で、相手の言い分をしっかりと受け止める大切さを実感した頃です。常に学べる処にいた上司の背中こそがその原点でした。その後、本店の管理部門業務や会社設立、子会社の業務支援、事業所長などの経験を重ねてきましたが、その中で鮮明に記憶している一つです。

事業所長時代、顧客と契約更改の交渉を進めていた際、最終段階での顧客の一言が「東電を信頼しているから」でした。そのまま契約を継続出来ることになったのですが、この時ほど自分の仕事への達成感を感じたことは無かったように思います。「東電」の看板を背負った私、顧客から見れば私が東電であり東電イコール私であったことを実感した瞬間でもありました。

現場最先端の担当者の立場であっても事業所長の立場であっても、顧客を始め様々な層の人々との出会いがあります。社内、社外を問わず相手が誰であれ、お互いの間にしっかりとした信頼感が築けるかどうかの一点にかかって仕事の遣り甲斐や達成感に通じて来ます。相手を十分に知り同時に自分を知って貰う、その努力が貴重な財産となってその人を磨き上げていくものと信じています。

電力事業の将来

エネルギーについての世論も大きく変わり、電力システム改革についても待った無しの状況にあります。
大きく姿を変える電気事業も今後は非常に厳しい経営環境を迎えることとなりますが、電気を供給すると言う事業の基本が無くなる訳ではありません。電気は国民生活に欠くことの出来ない根幹のエネルギーなのです。
私の長い経験からの実感ですが、東京電力にはDNAとして徹底的に刷り込まれた「供給本能」と言う独特の企業風土がありました。「電気は止めてはならないもの」と思い込む公益事業としての極めて強い責任感の発露とも言えるでしょう。まさにこれこそが電気事業の現場活力の源泉なのです。この活力だけは決して失うことなく引き継いで行って欲しいと願っている処です。

近い将来、ガッツあるみなさんの電力事業における活躍を期待しています。