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2013年度 第14回 通信販売業界(通算42回)

高橋 宜治 様

1974年: 横浜国立大学卒業
       株式会社リクルートセンター入社(現:リクルート)
       人事部次長を経て
1994年: 株式会社セガ・エンタープライゼス転職(現:セガサミー) 
       人事部長を経て
1996年: 株式会社ワイズ・ステージ設立 代表取締役社長
2012年: シャデイ株式会社 社外監査役
2013年: 株式会社エルテス 社外監査役

通販業界の現状と課題

通販業界の歴史

 通販は意外に早い時期から、国内で行われていました。明治時代には、農業学者の津田仙が『農業雑誌』によって、種苗の通販を行っていました。種苗業は江戸時代に創業され、京都のタキイ種苗、横浜のサカタのタネといった会社が老舗です。その他の業界では、百貨店が呉服の行商で得た地方の顧客向けに行ったり、大阪毎日新聞、報知新聞などの新聞代理部や実業の友社などの雑誌社等のメディアがその機能を併用して行ったりしていました。大正時代には、主婦の友社が代理部を通じて、主婦対象に参入しました。また、この時期に製茶業の通販が盛んになりました。しかし、この頃の代金決済は、利用者の前払いであり、それを悪用した悪質業者の出現により、一時通販は低調となりました。
 その後、通販が復活するのは、戦後の昭和20年代です。そのきっかけになったのは、アメリカの大手百貨店シアーズローバックと提携した西部百貨店による通販参入でした。また、アメリカのリーダーズダイジェスト社がレコード通販に、そのノウハウをもって、日本に参入したことが、レコード通販の盛況を招きました。

通販業界の現状

 2011年度の日本通信販売協会の推計で、初めて5兆円を突破しました。2001年度の2兆4900億円と比べて、10年間で2倍以上に成長しました。その小売業シェアは、3.7%で、コンビニ6.3%、スーパー9.3%、百貨店4.8%でまだまだ成長の余地のある産業といえます。
 商品のベスト3は、健康食品、化粧品、食料品です。東日本大震災による商品不足から飲料を扱う企業が増加したことが特徴になっています。
 通販業界は、カタログ通販からネット通販に大きく転換しつつあります。ネット通販利用者の商品認知は、ショッピングサイト【44.9%】クチコミサイト【36.9%】メルマガ【26.3%】となっています。しかし、今後、アプリ入れたスマホによるシームレスなオムニチャネル化が進行しそうです。例えば、リアルな店舗内でショッピングをしているアプリ搭載のスマホ持参の顧客に対し、ある商品の前を通るとその商品の購入を促すプッシュ通信が起動するといったような販促展開です。
 通販業界は大きく分けると5つのグループに分けられます。総合通販(ニッセン、千趣会、ベルーナ、フジメディアHD)、テレビ通販(ジャパネット、ジュピター)、健食化粧品系(DHC、ファンケル、サントリー等)ビジネス系(アスクル、大塚商会、コクヨ等)モール系(楽天、アマゾン、ヤフー等)

通販の仕組み

 通販の仕組みは、フルフィルメント機能(コールセンター、物流、システム運用)の上に、顧客・商品・販促・サービス戦略を実行することです。通販会社の基幹業務は、商品の企画・販売促進業として、商品の開発・調達、販売計画、カタログの制作、ウェブの製作、広告の制作、販売結果の分析等のマーケティングといった川上の業務と、フルフィルメント業務として商品管理・受注・配送・決済、顧客・商品・販売情報の管理といった業務になります。
 職種は、マーケッター(データを分析し、戦略の方向性を提案)、マーチャンダイザーMD(オリジナル商品の開発から品揃え計画立案)企画営業(個人消費者をターゲットにした企業のプロモーション提案)、編集(カタログのレイアウト構成から制作・撮影など)、プランナー(カタログのターゲット調査から企画立案までを担当)、スーパーバイザーSV(顧客センターの運営・管理の業務をサポート)、バイヤーBYR(国内外の取引先から商品を調達)WEBマーケッター(サイトについての企画を立案実施)といったものがあります。
 年収は、主だったところを示すと、アスクル721万、千趣会714万、ニッセン689万、ベルーナ491万等です。

通販業界の課題

 通販業界の課題を前出の協会データからみると、「新規顧客の確保」「独自性の高い商品開発・品揃え」「購入頻度のアップ」「スマホ・タブレット等の活用」といった項目上位を占めています。一般小売業界と同じような悩みをもっていると言えます。
 どんなに大手の会社といっても、既存の顧客だけでは売り上げが上がらず、常に新規顧客開拓を迫られています。そのために、斬新な特徴ある独自の商品の開発や新たな媒体による訴求といったことが各社共通の課題のようです。また、最近みられる小売大手と通販大手の資本提携、異業種の決済分野への進出なども、これらの課題を克服し、より大きな成長を狙う大きな打ち手と言えるでしょう。