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2013年度 第10回 水産業界(通算38回)

千原 長美 様

1964年:
・東京外語大学 卒業
・丸紅株式会社入社 国際業務部配属
以降:
・丸紅株式会社フランス会社食品部長
・株式会社マルナミフーズ代表取締役
・丸紅冷蔵株式会社(現:株式会社ベニレイ)取締役経営企画室長
・丸紅冷蔵株式会社(現:株式会社ベニレイ)監査役

     

世界と日本の水産業の実情

水産業界の現状と課題

 まず「世界の水産業の実情」につき、お話しを致します。
 世界の総漁獲量は 2011年度 1億8,000万トンもありました。
内訳として、通常の漁業(Captured-Production )による生産高は9500万トン、養殖生産( Aqua-cultured Production )は、8,500万トンでした。
 世界最大の生産国は、中国で 6,600万トン、第二位がインドネシア1,400万トン、三位 / インド890万トン、四位 / ペルー840万トン、五位 / 米国560万トン、日本は 第八位で 480万トンです。
 今後の見通しですが、通常の漁業による漁獲高は、地球の温暖化や海流の変化海水汚染等により 漸減傾向で、養殖による生産増が期待されています。
 世界の主要生産国並びに消費国は、人類にとって貴重な「蛋白源」である漁業資源を、協力して保護・管理してゆかねばなりません。日本は、漁獲技術や品質管理で 世界のトップレベルにあり、主導的な立場にあります。

日本の漁業実情

 日本の漁獲量は、1984年 / 1,282万トンもあったのですが、今や三分の一に激減してしまいました。
 漁獲量が減っている理由としては、上述した自然的要因の他に乱獲・密漁、並びに禁漁や休漁の不徹底等 人為的要因もあります。一方、ハイテク技術等を導入して、漁獲効率を高め、水産業を国の主要産業に育成しているNorway の様な国もあります。
 日本の水産業界には、マルハニチロ・日水・ニチレイ・極洋・マリンフーズ・ベニレイと云った大手水産会社がありますが、最近では 水産物だけを扱うのではなく、畜産物や一般加工食品も扱っています。又海外に自社の加工場を所有し対日輸出のみならず、三国間取引も増やしています。三国間取引とは、例えば中国に進出した日本の水産会社が、加工用原料魚を日本以外から輸入し、製造した製品を 日本以外の米国やE.Uへ輸出することです。
 最近の水産業界の話題と云えば「偽装表示」があります。この問題は、実は 既に二十年ほど前より存在しており、水産物のみならず、畜産物や一般加工食品でも多く発生しています。一流ホテルの社長が、この海老の表示は、単なる「誤表示」で「偽装表示」ではない ! と云っているようでは、日本は世界の食品・水産業界から益々敬遠されてしまいます。今後 斯様な事件を防ぐためには、罰則を強化する等 抜本的な「食品・水産行政」の見直しが必要です。

北海道 根室沖での「秋刀魚 (さんま) 漁業」を例に挙げて

① 最近の秋刀魚漁船による漁獲がどのように行われているか、実際のVideo を見て貰いました。
通常の漁業は、天候や漁獲技術等により、漁獲高が大幅に変化する リスクの高い産業です。秋刀魚漁業も例外ではありません。但し、本 Video では、「Led照明」等を 新規装備することにより、漁獲量アップ → 売り上げ増、収益増に結びつけた 成功例を紹介しました。  

② 日本での複雑な水産流通の実態.
通常日本での水産物流通は 下記となっています。漁業者 / 生産者 → 水揚げ→ 地方卸売市場 → 中央卸売市場 →仲卸業者 → 小売店 / スーパー → 消費者。
以上より、かなりの中間経費がかかっていること、理解頂きました。つまり、中間経費が、かかればかかるほど 末端小売価格は高くなり、売れ行きが悪くなります。漁業者 / 生産者にとり、手取りの魚価を 少しでも高くする必要があります。欧州(仏)では、漁業者 → 中央市場 → 消費者と、流通は極めて簡素化されています。
従って 漁業者は適切な利益を享受しており、若者の参入も多いと云われています。日本でも、漁業は “ 利益の出る産業 ”に 育てて行かないと、これから若者の参入を期待するのは 難しいかもしれません。

③ 日本の地方の漁港では、時々大量に水揚げされる、知名度の無い魚があります。
 市場では、値段もつかず、破棄するか、Fish-Meal の原料とするか、困っていました。但し、スーパーや水産加工会社等の努力で、フライ等付加価値を付けた商品に仕立てたところ、とても美味しく 売れることがわかりました。この Video が教えていることは、今まで売れなかった魚(未利用資源)も工夫をすれば、売れる / 有効利用出来ると云うことです。

水産業に携わり45年

 高校生の頃より、将来海外で活躍をしたいと考えていました。
語学も好きでしたので、英語以外に 2-3カ国語を マスターしたいと考えて、東京外国語大学へ入学し、マレーシア語、オランダ語、インドネシア語仏語等 勉強しました。
 大学卒業後、商社の丸紅へ入社することが出来、「水産部門」への配属となりました。
 水産部門へ配属されたことで、鮭・海老・鮪・烏賊・蟹・鰻等 色々な魚に巡り合うことが出来ました。特に 鰻はとても不思議な魚で非常に興味を持ちました。
 
 最後に、皆様にお願いしたいことは、是非色々な 魚を食べてみてください。千葉県にも日本有数の漁港が沢山ありますので、是非見学をして下さい。漁港で水揚げされたばかりの、新鮮な魚を、刺身や焼き魚にすると、とても美味です。魚にはEPA / DHA 等身体に良い酵素が多く含まれており、頭がよくなるとも云われています。又日本人は 世界一の魚好き民族であり、最長寿国の主因ともなっています。
 今後、皆様に是非 “ 水産 ”に興味を持って頂き、日本の水産業を再興させて頂きたいと考えております。