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2013年度 第7回 証券業界(通算35回)

山田 稔 様

1970年:早稲田大学卒業 山一証券入社
1976年:ロンドン現地法人
1982年:香港現地法人
1987年:ジュネーブ支店長、山一スイス銀行社長
1993年:山一ロンドン副社長、山一マーチャントバンクシンガポール社長等歴任
1997年:山一証券取締役アジア・オセアニア担当
1998年:退任
1999年:コアパシフィック山一証券社長、その後丸三証券を経て、ナスステンレス常勤監査役、荒井商事顧問、インヴァスト証券常勤監査役等を歴任。

証券業界の将来性について ~講義を通して~

はじめに

 株式会社制度は、1600年頃のイギリス東インド会社が起源であると言われております。
 当時はインド迄往復できれば莫大な利益が上がりました。しかしながら、往復時に船が沈んだり海賊に襲われたりすれば、総て無くなってしまいました。
 ハイリスク、ハイリターンの典型的なビジネスだったわけです。そこで、リスクを分散させるために株式会社が考えだされました。従って、よく日本で耳にする「会社は誰のものか」という議論は全く無意味であり、株主のものであるというのが世界の常識です。

証券業界

 証券業界は、株式等のファイナンスを通じて企業等への効率的な資金提供を計り、同時に法人・個人等へ金融資産の適切な投資機会を提供するという社会的な役割が有ります。
 法律面では平成18年に証券取引法から金融商品取引法に代わり、証券業者は金融商品取引業者となりました。(例外規定により、証券会社・証券取引所等の名称の使用が許されています。)
 業界環境の変化として、手数料が自由化された事により、それまでの手数料に頼るビジネスモデルが行き詰まり自己勘定取引が重要視されて来ました。また、I.Tの発達・普及及びグローバル化の進展により、新技術、新商品、新ビジネスが生まれています。この結果、プレーヤーの新陳代謝がみられます。
 学生の皆様方の就職活動の参考にするために、講義内では野村ホールディングの2013年度の連結損益計算書を例として収入源を説明しました。また、業界の主な職種の説明及び登録外務員数の推移を参照しました。

日本経済について

 マーケットで生きる業界ですが「マーケットは経済を映す鏡である」と言われておりますので日本経済を数字で見ることに致しました。
 デフレに喘ぐ状況を見る為に名目国内総生産及び全国消費者物価指数の推移を学びました。1000兆円を超える政府の巨額借金については財務省のデータを参照しました。加えて、経常収支及び貿易収支の推移及び外貨準備の推移から対外支払い能力を見ました。

証券業界の将来性について

 アベノミクス(デフレからリフレ政策)もあり、日本の投資家の資産ポートフォリオの組み換えが起こる可能性が有ります。つまり、低金利の銀行預金・債券に対しインフレ率が既に上回ってきている。この状況が続くとインフレに強いと言われる株式へのシフトが加速される公算が有ります。業界では2014年から導入される少額投資非課税制度(NISA)がその引き金になればと期待されています。

 投資部門別株式保有比率の推移をみるとデフレにも拘わらず、外国人が一貫して買い越しており、先進国では例を見ない水準である28%(日々の出来高では60%)にまで達しています。一方、日本人投資家を見るとほぼ横ばいの個人を除いて金融機関・事業法人ともに保有比率を大きく減らしています。デフレという特殊要因が有ったとはいえ、異常な状態が続いていると言えます。
 ところが、家計金融資産の推移をみると順調に増え続けています。また、日米欧の家計の資産構成比較を見ると、日本は現金及び預金が54%と突出して高く株式及び投資信託は合わせても12.4%しかありません。これに対し、米国では現金・預金は14%、株式及び投信は45.6%となっています。ユーロ圏では現金・預金35.8%、株式・投信22.4%となっています。どう考えても日本の構成が偏っていると思われます。
 各国の公的年金でも株式は60%以上債券は40%以下となっているのに対し、日本のGPIF(世界最大のファンド)では株式24%債券71%と全く逆になっています。
 従って、異常な状態から脱出するため、今後は日本人投資家の日本株へのシフトが続く可能性があると思われます。昨年末の本邦対外純資産負債残高によれば純資産残高が296兆円と世界一であり、日本人が対外投資をやり易い環境に有ります。特に、今後の国内でのインフレを考えるとヘッジ目的での外国投信を販売する当業界にとってはビジネスチャンス到来と言えます。
 このように見てきますと、証券・銀行業界にも業容を拡大する余地は十分有ると思います。

私の経験をベースにした学生の皆様へアドバイス

 経験したいくつかの例を話し、外人は自身のキャリアアップに関して如何に貪欲であるかを説明しました。
 グローバル化した時代には彼らとの競争は避けられないので、早いうちから進路を絞り込み、不断の努力・勉強が欠かせないと思います。