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2013年度 第2回 自動車業界(タイヤ)(通算30回)

服部 毅 様
出身地:福岡県久留米市
1967年:上智大学理工学部卒
1967年:現 株式会社ブリヂストン入社 初任配置は那須工場技術課
      生産技術、海外技術サービス、海外工場、国内工場と技術系の仕事を29年間担当
      この間アメリカの技術サービスとオーストラリア工場で約8年間勤務
1996年:人事本部長(1998年取締役就任)
2002年:ブリヂストンサイクル株式会社代表取締役就任
2007年:退職

タイヤ産業の現状と課題

日本のタイヤ産業

 日本国内では、約2億本のタイヤが販売されています。国内で販売されるのは1億2000万本で輸出は8000万本です。タイヤは自動車部品の1つですから、日本の自動車会社の海外進出や海外自動車会社とのビジネス拡大に伴い海外での生産体制整備が行われています。
 タイヤの機能の説明と構造について説明します。
タイヤは①荷重を支える機能、②駆動と制動の力を伝える機能、③方向を変える力を伝える機能、④路面からの振動を吸収する機能を持っています。乗用車用タイヤの場合、路面との接触面積は、わずかハガキ1枚と同じです。タイヤ1本が支える荷重は、乗用車用の場合約500Kgです。一方世界最大のダンプトラック用では、100トンにも及びます。これらの機能を支える為にタイヤは、複雑な構造をしています。天然ゴムや合成ゴムにカーボンブラック、硫黄やその他の薬品を混ぜ、強靭なゴムを作り、さらにナイロン、ポリエステルやスチールコードを使いタイヤを作ります。

ブリヂストンの会社紹介

 1931年に石橋正二郎が福岡県久留米市で創業しました。創業当時は日本に自動車が400台しかない時代でしたが、自動車の発展を予測し、当時高価な輸入品に対抗すべく自主技術で創業しました。設備や材料の輸入代価の外貨を自ら稼ぐ為に、創業直後からタイヤの輸出に挑戦しました。その為に、社名は自分の名前を英語で表した、Stone(石) Bridge(橋)からBridgestoneと命名しました。
 現在、連結の会社規模は、売上が3兆397億円、従業員は14万3千名で、売上の84%がタイヤ、16%がベルト、ホース、防振ゴムなど工業用ゴム製品と自転車、ゴルフ用品などの多角化製品で占めています。ブリヂストンの製品は世界25ヶ国、173工場で生産しており、今後ベトナム、ロシアなど新しく進出する国やアメリカ、インド、トルコ、タイなど既に進出した国で新工場建設も進めています。また材料の安定入手や技術開発の必要性から、天然ゴム、合成ゴム、カーボンブラック、スチールコードなどの自家生産も行っています。

タイヤのビジネス

 タイヤは3つのルートで販売されます。
  ・第一は自動車の組み立てラインで装着される新車向け、
  ・第二は走行により摩耗したタイヤの交換用、
  ・第三は輸出です。それぞれのビジネスの特徴を紹介します。
 新車用ビジネスは、乗用車用の場合次期モデルのコンセプト決定と合わせて、性能や価格について提示があり、車両の開発ステップに合わせてタイヤも開発します。ビジネスの窓口は、新車メーカー担当の営業です。次期モデルのコンセプトは自動車メーカーにとって最大の企業秘密ですが、新車メーカー担当の喜びは次期モデルの開発に参画できることです。乗用車の場合4~5年、大型建機や航空機の次期モデル開発には5~10年かかるので、一人の担当者が開発の最初から、次期モデルのラインオフまで担当できないこともあります。ビジネスの形態はB to Bと呼ばれ、相
手は企業(自動車メーカー)です。
 交換用(補修用)ビジネスは、タイヤを使用するユーザーに近い販売活動です。昨今は、価格の競争が厳しくなり、性能やブランド力だけで売上を守ることは難しいので、新しいサービス形態の提案に努めています。例として、摩耗したタイヤに路面と接触する部分(トレッド)に新しいゴムを貼り付け、再生するサービス(リトレッド)をトラック用タイヤと航空機用タイヤについて行っています。補修用タイヤ販売の喜びは、お客様の声を直に聞き、それを新製品や、新規
サービスの提供に結び付けることです。ビジネスの形態はB to Cと呼ばれ相手はユーザーです。
 輸出ビジネスは、世界中に自社の商品を販売するビジネスです。市場開発は、まず現地代理店の起用、育成を行い、次のステップでは販売会社を設立します。市場で異なる要求や商習慣、更に法律上の問題など一人で担当する範囲は広く、不慣れな海外での仕事は苦労もありますが、やりがいもある仕事です。
 タイヤのビジネスの表舞台は販売部門ですが、販売部門をバックアップしている部門は、事務系分野では、経理財務、人事総務、広報宣伝、法務など企業活動を円滑に行う部門です。他に製品を開発する技術部門、生産を担当する製造部門もタイヤビジネスを支える重要な仕事です。長い会社生活では、仕事のローテーションで新しい挑戦をする機会に巡り合うことが何回かあると思います。私もそのような経験をし、社内外の多くの人との触れ合いが成長に役立ちました。
 現代の企業は、直接の事業のほかに、従業員や社会との関係を円滑に保つために社会貢献活動を支援しています。皆さんも、これらの活動に参加し会社生活を一層充実したものにしては如何でしょうか。

私からのメッセージ

 在学中に身につけておくべき能力は、専門知識と同時に基礎学力(読み、書き、算数、基礎ITスキル)です。会社の仕事では、ゼミやクラブ活動の仲間同士の付合いと異なり、会社を代表する見識や行動様式が求められます。高い専門知識や資格取得以前に社会人基礎力を身につけてください。
 会社で働く時、入社時は規範や規定など学生時代とは異なる部分が多くあり、堅苦しさを感じることもありますが、会社は社員の成長を期待しています。自己成長の努力を欠かさず、自己PRもすることで、希望の分野で仕事ができるよう頑張ってください。皆さんのご活躍を祈っています。