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君にすすめる一冊の本(WEB版)2025年度


大学・短大の教職員が「学生のみなさんにもぜひ読んでほしい!」と感じた、面白くて学びのある本を紹介しています。紹介された本はメディアセンターの専用コーナーにそろえていますので、気軽に手に取ってみてください。

君にすすめる一冊の本(WEB版)2025年度

『学校は誰のもの?』
―子ども主役の学校へ、いま名古屋から

『学校は誰のもの?』の表紙

名古屋市教育委員会(著)/中谷素之・松山清美(編)
発行:東洋館出版社
出版年:2024年




【推薦者】市川洋子 先生(教育学部)

*コメント*
名古屋市は教育改革を市全体で推進していて、NAGOYA School Innovationと銘を打って、「子ども中心の学び」を進める学校づくりを推進しています。2019年にスタートしたこの事業の一環として、名古屋市立矢田小学校の生活科・総合的な学習の時間にプロジェクト・ベース学習の方法を取り入れた実践が始まりました。その結果、子どもを主役にした教育環境が学校や先生や子どもたちをどう変えていったのかを、ぜひこの著書で確かめてみてください。
『心を育てる英語授業、はじめました』―英語教師たちの挑戦と実践

『心を育てる英語授業、はじめました』表紙

三浦孝・加賀田哲也・
柳田綾(編著)

発行:研究社
出版年:2025年




【推薦者】向後秀明 先生(国際学部)

*コメント*
初等中等教育で育成する資質・能力は「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つですが、多くの教師が「学びに向かう力、人間性等」の育成に苦悩し、結果、前者2つだけに注力しがちになります。しかし、「学びに向かう力、人間性等」は教育の根本であり、本書では、英語の枠組みで人間性を育む授業(=人間形成的英語教育)とはどのようなものか、理論と実践の両面で示唆を与えてくれます。
『調べ物に役立つ図書館のデータベース2025年版』

『調べ物に役立つ図書館のデータベース2025年版』表紙

小曽川真貴(著)
発行:勉誠社
出版年:2025年




【推薦者】山田隆昭 氏(職員)

*コメント*
「データベースってよくわからない…」という人におすすめの一冊です。
この本を読めば、その使い方と活用のコツがわかります。
メディアセンターでは、百科事典や新聞記事など、さまざまなデータベースを契約していて、以下のURLから利用できます。
https://www.u-keiai.ac.jp/kulir/dbkensaku/
(学内からのみ)
レポートや卒論作成に、信頼できる情報を活用しましょう。

『白百』

『白百』の表紙

原研哉(著)
発行:中央公論新社
出版年:2018年



【推薦者】久保田美和 先生(教育学部)

*コメント*
無印良品のアートディレクションなどで知られるデザイナー原研哉による、「白」をめぐる百編のエッセイです。「記憶の束から思いつくままに百の白を引き抜き、一葉ずつの『白』を味わってみたい。 もはや、『白い』という形容も希薄になるほどに。」と前書きにあるように、日常で接する道具や食べ物、記憶の束から引き抜いたもの、日本文化のなかの白、仕事のなかで感じていることなど、様々な白が語られています。
『スケーリング・ピープル』
―人に寄り添い、チームを強くするマネジメント戦略 

『スケーリング・ピープル』表紙

クレア・ヒューズ・ジョンソン(著)/二木夢子(訳)
発行:日経BP
出版年:2025年




【推薦者】八田一史 氏(職員)

*コメント*
筆者が、GoogleやStripeがまだ規模の小さい企業だったころから、シリコンバレーの現場で培った人材採用・育成の実践論を体系化した一冊。リーダーやマネージャが強いチームを形成するために重要視すべき内容が書かれており、メンバーであっても頭に入れておくと、主体的に行動し、価値のある人材となるための基盤を築けるきっかけになるのではないかと思います。
『清掃はおもてなし』―9年連続世界一の羽田空港の清掃を支える職人の働き方と考え方

『清掃はおもてなし』表紙

新津春子(著)
発行:日本能率協会マネジメントセンター
出版年:2025年






【推薦者】丁明 先生(情報マネジメント学部)

*コメント*
「成功とは何か」。派手な成果や称賛もその一つかもしれないが、誰にも気づかれない地道な仕事はしばしば見過ごされてしまう。空港の清掃に携わる人々は、自らの仕事に誇りをもち、「世界一清潔な空港」に選ばれるという成果を陰で支えてきた。人目につかない場所にこそ心を配り、「おもてなし」の精神を徹底する姿は、目立たずとも誰かの役に立つことこそが、“本当の仕事の成功”であることを教えてくれる。
『鉄路の行間』
     ―文学の中の鉄道

『鉄路の行間』表紙

土屋武之(著)
発行:幻戯書房
出版年:2024年




【推薦者】増井由紀美 先生(国際学部)

*コメント*
世に鉄道ファンは多い。「鉄オタ」「乗り鉄」「撮り鉄」「鉄子」と呼び名も様々だ。著者は「鉄道に関する著述を業としている」文筆家。本著では明治以降の文学作品が如実に表す鉄道のある風景を拾い出し、ユニークな文学体験をさせてくれる。千葉県最初の私鉄「総武鉄道」を題材にしたのは、新しもの好きの正岡子規―汽車道の此頃出来し枯野かな。
『翔ぶが如く』(一)~(十)

『翔ぶが如く』表紙

司馬遼太郎(著)
発行:文春文庫
出版年:2002年




【推薦者】高岡正幸 氏(役員)

*コメント*
本学の校訓である「敬天愛人」の思想を持ち、人生を駆け抜けた西郷隆盛を中心にした、明治維新をめぐる物語である。そのなかで、作者は、「征韓論の衝突は、西郷隆盛と大久保利通という両大関の衝突である」とした。廃藩置県を実施しなければ明治維新は完成しないと言われ、大久保は、それを建白すれば殺されるとして、自分は手を出さずに、西郷にやらせた。その帰結が、職を失った武士の行く先として、西郷は征韓論を唱えて、結局は失脚し、鹿児島に帰ったことが西南戦争につながったと作者は指摘する。
『本を読む女』

『本を読む女』表紙

林真理子(著)
発行:集英社/集英社文庫
出版年:2015年



【推薦者】金珍淑 先生(経済学部)

*コメント*
林真理子さんの母をモデルとした本作は、激動の昭和を駆け抜けた女性、万亀の半生を描きます。結婚や家庭に縛られながらも、読書を心の拠り所に生きた万亀。彼女は自由への渇望と社会の通念との間で葛藤し、「自分はどう生きたいのか」と問い続けます。自らが納得できる形で人生を切り開いていくその姿は、理想と現実の狭間で自分らしい生き方を探す私たちに、力強い指針を示してくれるでしょう。 
『蘭医繚乱』
     ―洪庵と泰然

『蘭医繚乱』表紙

海堂尊(著)
発行:PHP研究所
出版年:2024年




【推薦者】小島憲明 氏(役員)

*コメント*
緒方章(後の緒方洪庵そして適塾創始者)と田辺昇太郎(後の和田泰然そして和田塾創始者でその後佐藤泰然)の二人が、長崎で蘭学を学び、江戸時代から明治時代にかけて日本の医療の礎を築いた人物伝である。緒方洪庵は、蘭学の医学書の翻訳に力をいれ内科や種痘普及を目指す。佐藤泰然は禁じられている出島に出入りし医術に力をいれ外科を目指す。波乱に富んだ二人の人生を取巻く背景には、シーボルト、渡辺崋山、髙野長英、村田六蔵(後の大村益次郎)が関わってくる。そのうえ西洋医学と漢方医学の確執が長く続く。緒方洪庵の適塾は、後の大阪大学となり、佐藤泰然の和田塾は、後の順天堂大学となっていく。彼らの開いた塾は、現在の日本の最新医療の発信地となっている。詳細な資料に基づく本著はわが国の近代医学の始動を分り易く描かれており、読み応えのある一冊である。