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「第8回英語教師授業力 ブラッシュアップセミナー」を開催


英語教育において維持すべきこと・改善すべきこと・訴えるべきこと

敬愛大学では、「第8回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」を、2025年11月1日(土曜日)に開催いたしました。
今年のセミナーは、現行学習指導要領の着実な推進に向け、各校種においてどのように授業をデザインし、目標に沿って具体的にどのような言語活動を展開していく必要があるのか、さらに指導と一体化した学習評価はどうあるべきかなどを中心として、指導・評価の両面における実践的な情報を提供させていただくことを目的に開催いたしました。
今回は『英語教育において維持すべきこと・改善すべきこと・訴えるべきこと~テクノロジーの進化等に私たちはどう向き合っていくか』をテーマに、基調講演のほか、優れた英語教育を実践されている先生方をお招きし、小・中・高等学校各校種で求められる授業指導や学習評価の具体的なアイディアやヒントを提供いたしました。

小学校実践発表
小学校英語教師として今後に求められる力

講師の高橋奈央子先生(千葉市立朝日ヶ丘小学校 教諭)は、小学校での英語教育が教科化される前から現在までの変化を振り返った後、私たちには「児童の学びにとって何が必要なのか(何を学び、何が身に付いたのか)」という視点で考えることが大切であること、「言語活動」を通じたコミュニケーションを図る素地・基礎の育成が求められているということを、整理してくださいました。その上で、3・4年生を対象とした外国語活動、5・6年生を対象とした外国語の具体例を豊富にお示しいただき、ALTの効果的な活用や「指導と評価の一体化」など評価への工夫も詳細にご紹介いただきました。中学年(3・4年生)と高学年(5・6年生)では指導も評価も視点を変えなくてはならないとお話しくださいました。

基調講演
21世紀の日本の英語教育が向かうべき方向性

文部科学省の調査によると、小学校では90%以上の学校が半分以上の時間、言語活動を行っていることが分かっています。またパフォーマンステストの実施回数やCAN-DOリストを用いた達成状況の把握でも、小学校が進んでいることが明らかです。小学校英語教育が変化していることに、まだ中学校・高等学校では対応し切れていないようにも思われます。向後先生は、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実やICT・生成AIの活用など、対応を迫られる新たな課題が次々と降りかかってきていると語られました。英語教育において私たちが維持すべきこと(変わってはいけないこと)、改善すべきこと(変わらなければいけないこと)はなにか、さらに、英語教育に携わる者として社会に何を発信していく必要があるのかについて熱弁をされ、「学び続けるモチベーション」を持たせられるような教師であり続けましょうとお話しくださいました。

中学校実践発表
生徒の英語力を伸ばすために「変えてはいけないもの」と「変えなくてはいけないこと」

講師の橋本晋作先生(渋谷区松濤中学校主幹教諭)は、英語教育においても「変えてはいけないもの(不易)」と「変えなくてはいけないもの(流行)」 があるとお話しくださいました。私たちはどうしてもその時々の「流行」に目が向きがちです。ICTやAIの活用に始まり、All Englishでの授業、個別最適な学びや協働的な学習など、一見「流行」のものを取り入れているようでも、やること自体がゴールになってしまっていることは避けなければなりません。「流行」の前に、確固たる「不易」の部分を授業の基盤に据えることで、両者が有機的に融合し、生徒の英語力は確実に伸びていくと橋本先生。その具体例を「不易」と「流行」の両面から詳細に解説いただいた上で、自立・自律した学習者を育てる強い姿勢を見せてくださった先生には、多くの受講者が感激していました。

高等学校実践発表
対話×テクノロジーによる未来志向型英語授業の探究

講師の石川真由美先生(静岡県立静岡城北高等学校 教諭)は、グローバル化が加速するにつれて、生徒が日本にいながら英語を使って世界とつながり、自他を尊重しながら対話ができる人間に育つように求められている今、「個別最適な学び」と「協働的な学び」をいかに両立させるかが重要な課題だとお話しになりました。その上で、生徒一人ひとりの学びをICTや生成AIの活用を通じて支援しながら、教室での対面による対話や協働活動も充実させる方法を検討され、その実践をご紹介いただきました。先生が授業で使用しているAI採点システムを実際に体験させていただくなど、これまでにないセミナーになりました。他方、AIやICTの使用が教員の負担軽減になるのか、模試などの成績向上につながるのかといった疑問にも対応した内容に、多くの受講者が驚かされたようです。特に本学学生(中高英語課程履修者)には大きな刺激になったようです。
講師陣の熱が多くの受講者にも乗り移り、今回も英語教育への情熱の熱気で満ち満ちた一日となりました。
講師の皆様、またご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
なお今回も、多くの本学教職課程(小学校、中高英語)の学生たちも一緒に学ばせていただきました。