「第5回英語教師授業力 ブラッシュアップセミナー」を開催
敬愛大学地域連携センターでは、2022年11月27日に「第5回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」(協力:敬愛大学英語教育開発センター、後援:千葉県教育委員会、千葉市教育委員会、千葉県私立中学高等学校協会)を開催いたしました。
本セミナーは、小・中学校では既に全面実施、高等学校では今年度から学年進行で始まった新学習指導要領の着実な実施に向け、どのように授業をデザインし、 具体的にどのような言語活動を導入していく必要があるか、さらに新学習指導要領に基づく指導と一体化した学習評価はどうあるべきかなどを中心として 、 指導・評価の両面で活用できる実践的な情報を提供させていただくことを目的としています。
今年度は、「新学習指導要領に基づく授業改革及び指導と一体化した学習評価」をテーマとして、小・中・高等学校各校種で求められる授業指導や学習評価の具体的なアイディアやヒントをご提供いただきました。
本セミナーは、小・中学校では既に全面実施、高等学校では今年度から学年進行で始まった新学習指導要領の着実な実施に向け、どのように授業をデザインし、 具体的にどのような言語活動を導入していく必要があるか、さらに新学習指導要領に基づく指導と一体化した学習評価はどうあるべきかなどを中心として 、 指導・評価の両面で活用できる実践的な情報を提供させていただくことを目的としています。
今年度は、「新学習指導要領に基づく授業改革及び指導と一体化した学習評価」をテーマとして、小・中・高等学校各校種で求められる授業指導や学習評価の具体的なアイディアやヒントをご提供いただきました。
授業実践(小学校)
児童が「学習した表現を使ってみたい! 話してみたい!」という思いを持ち、使いながら学ぶ外国語活動・外国語科を考える
小学校英語では、コミュニケーションの目的・場面・状況に合わせて児童が英語を使うことが大切です。講師の一二三真先生(千葉市立小中台小学校教諭・英語専科)は、小学校の児童には、授業の中で実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合う活動を通して、英語を楽しく、使いながら学んでほしいとお話しくださいました。
一二三先生は、単元を通して言語活動を行い、児童が学習した表現や語彙を実際に使いながら、単元で必要な力を身に付けていく指導方法や活動を考えるため、グループワークを通じて日々の授業での取り組みを紹介してくださいました。特に一人1台持たせている情報端末を活用した学習指導や、6年生が1年生にタブレットでプレゼンテーションを行うなどの具体的な実践例を、多数ご紹介いただきました。また教科としての評価についても、児童の学習改善だけでなく教師の指導改善のために評価が必要で、ルーブリックを活用したパフォーマンス評価(生きて働く知識・技能)についての実践を披露していただきました。
一二三先生は、単元を通して言語活動を行い、児童が学習した表現や語彙を実際に使いながら、単元で必要な力を身に付けていく指導方法や活動を考えるため、グループワークを通じて日々の授業での取り組みを紹介してくださいました。特に一人1台持たせている情報端末を活用した学習指導や、6年生が1年生にタブレットでプレゼンテーションを行うなどの具体的な実践例を、多数ご紹介いただきました。また教科としての評価についても、児童の学習改善だけでなく教師の指導改善のために評価が必要で、ルーブリックを活用したパフォーマンス評価(生きて働く知識・技能)についての実践を披露していただきました。
基調講演
What Is English Education For?
~English Education beyond Entrance Exams
学習指導要領が改訂されても、社会がどう変化しても、児童生徒の将来を見据え、あるべき英語教育を追求しようとした結果、周囲から疎まれる存在になってしまったという経験はないか。向後秀明先生(敬愛大学英語教育開発センター長)は、英語教育改善のための5つの要素を挙げながら、学校での英語教育が入学試験のための技術指導になっていないかと警鐘を鳴らしました。
これは、日本社会における英語の位置付けや、児童生徒が将来どのように英語と関わっていくのかについて、英語教師や学校教育関係者の間で認識が一致していない実態があるのでないかと向後先生は提起しています。世界での英語能力指数比較では、日本のレベル低下が指摘されています。試験合格のための指導の結果として、私たちは早急な方針転換が必要だと向後先生は指摘し、「英語教育は何のためにあるのか」という根本的な問いについて考えることが、授業指導や学習評価の改善につながっていくと語りました。
これは、日本社会における英語の位置付けや、児童生徒が将来どのように英語と関わっていくのかについて、英語教師や学校教育関係者の間で認識が一致していない実態があるのでないかと向後先生は提起しています。世界での英語能力指数比較では、日本のレベル低下が指摘されています。試験合格のための指導の結果として、私たちは早急な方針転換が必要だと向後先生は指摘し、「英語教育は何のためにあるのか」という根本的な問いについて考えることが、授業指導や学習評価の改善につながっていくと語りました。
授業実践(中学校)
学習指導要領の趣旨を踏まえた中学校外国語科の学習指導の改善・充実
~コミュニケーションを図る資質・能力の育成を目指して
これからの中学校外国語科は、小学校及び高等学校とをつなげるハブ的な役割の視点を踏まえ、「目標と指導と評価の一体化」を図り、言語活動を通して、生徒の資質・能力を育成することが求められています。入ノ内昌徳先生(文部科学省初等中等教育局外国語教育推進室 教科調査官)は、令和3年度の英語教育実施状況調査の結果から、「CAN-DOリスト」により学習到達目標を設定・公表・把握している中学校の割合は増加した一方で、目標の公表(共有)や把握にはなお課題が見られると解説されました。 「生徒を行先のわからないバスに乗せていませんか」という先生の問いかけにはっとした受講生が多かったようです。そして、教師は「学習指導要領が変わったから教え方を変える」のではなく、「生徒の資質に応じた教え方をする」ことが必要だと説かれました。
講座では、小中連携やICTの活用の視点も含めた、効果的な指導のありかたや評価についてもお話しいただきました。
講座では、小中連携やICTの活用の視点も含めた、効果的な指導のありかたや評価についてもお話しいただきました。
授業実践(高等学校)
5領域の指導と評価 ~自律した学習者の育成を目指して
急激な発達など変化の激しい世の中に対応していくことができる子どもたちを育てるため、高等学校では2022年4月より学年進行で新学習指導要領が実施されています。
花沢典行先生(茨城県立水戸第一高等学校教諭)は、新学習指導要領にも挙げられている5領域の言語活動例として、「帯活動」や「技能統合型の活動」「目的・場面・状況の設定」をこれまでの豊富な授業実践を交えて紹介され、場面の中でコミュニカティブに学ぶ場を設けることで、自分ごとにできるような言語活動が実現するとお話しいただきました。また今年度から高等学校でも導入された観点別評価についても、ルーブリックによる評価の可視化等により、指導と評価の両面で活用できる実践的な情報を提供していただきました。
最後に「(難関大学合格という)結果を出せばいいのか」と問いかけられ、「そのような結果は、目標の一つにすぎない。だからこそ、英語のコミュニケーション力自体を高めるだけでなく、物事に取り組む際の姿勢、すなわち「Challenge: Mistake is OK」「Cooperate: Work hard with your classmates」「Accept: Everyone is different」のマインドの育成が大切なのだとまとめられました。
花沢典行先生(茨城県立水戸第一高等学校教諭)は、新学習指導要領にも挙げられている5領域の言語活動例として、「帯活動」や「技能統合型の活動」「目的・場面・状況の設定」をこれまでの豊富な授業実践を交えて紹介され、場面の中でコミュニカティブに学ぶ場を設けることで、自分ごとにできるような言語活動が実現するとお話しいただきました。また今年度から高等学校でも導入された観点別評価についても、ルーブリックによる評価の可視化等により、指導と評価の両面で活用できる実践的な情報を提供していただきました。
最後に「(難関大学合格という)結果を出せばいいのか」と問いかけられ、「そのような結果は、目標の一つにすぎない。だからこそ、英語のコミュニケーション力自体を高めるだけでなく、物事に取り組む際の姿勢、すなわち「Challenge: Mistake is OK」「Cooperate: Work hard with your classmates」「Accept: Everyone is different」のマインドの育成が大切なのだとまとめられました。
向後先生をはじめとする講師陣の熱が多くの受講者にも乗り移り、今回も英語教育への情熱の熱気で満ち満ちた一日となりました。
講師の皆様、またご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
なお今回も、多くの本学教職課程の学生たちも一緒に学ばせていただきましたことに、御礼申し上げます。
(地域連携センター)
講師の皆様、またご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
なお今回も、多くの本学教職課程の学生たちも一緒に学ばせていただきましたことに、御礼申し上げます。
(地域連携センター)