グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  TOPICS >  「第4回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」を開催

「第4回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」を開催


敬愛大学地域連携センターでは、去る11月28日に「第4回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」(協力:敬愛大学英語教育開発センター、後援:千葉県教育委員会、千葉市教育委員会、千葉県私立中学高等学校協会)を開催いたしました。新型コロナウイルス感染拡大により昨年度は中止いたしましたが、今年度は『児童生徒の可能性を切り拓く英語指導のあり方~「いま」そして「これから」教師に求められること』をテーマに、充実した研修の場となりました。
本セミナーでは、小学校では昨年度(2020年度)、中学校では今年度(2021年度)から全面実施、また高等学校では令和4年度(2022年度)から学年進行で始まる新学習指導要領の着実な実施に向け、同学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」を外国語(英語)教育の側面から実現するために必要な知識とともに、授業で活用できる実践的な情報を提供させていただくことを目的としています。
4年目となる今回のセミナーでも、基調講演のほか、優れた英語教育を実践されている小・中・高等学校の先生方をお招きし、求められる授業指導や学習評価の具体的なアイディアやヒントを提供いたしました。

基調講演 「今すぐ、そしてこれから求められる英語力の育成に向けて」

本学英語教育開発センター長の向後秀明教授にお話しいただきました。
大学入学共通テストにおける英語の民間資格・検定試験の導入見送りには様々な考えがあります。「しかし日本の英語教育が再び世界標準から外れていかなければいいが・・・と心配になる気持ちもあります」と向後先生。また大学入試だけでなく、今でもスピーキング能力がほぼ問われない高校入試、5つの領域を育成しづらい教材等々、課題は山積しています。
そんな中でも、児童生徒の可能性を切り拓いていくための英語教育という視点から、できないことを嘆き続けるのではなく、何であれば可能か、どこから始めていくべきかを考え、実践していくことの大切さを訴え、日本において英語はどのような存在(位置付け)になっていくか、児童生徒が社会に出て求められる英語力とは何か、さらにそれらを踏まえた小・中・高等学校の英語教育の在り方について考える契機となりました。
なお講演は、日本語と英語の両方を用いて行われました。

授業実践(小学校) 「小学校英語-やはり大事な「指導と評価の一体化」!」

佐藤裕子先生 (船橋市教育委員会指導課)、林次郎先生(敬愛大学国際学部特任教授)、佐藤佳子先生(敬愛大学国際学部准教授)の3人にリレー形式でお話しいただきました。
昨年4月に完全実施を迎えた新学習指導要領のもと、全国各地の小学校において中学年で外国語活動、高学年では教科としての外国語科への取り組みが始まりました。その中でまだまだ迷走を続けているのは、授業の「評価」。小学校英語の授業は児童の興味・関心を引き出し、それぞれの場面や状況での必然性を与えながら児童が笑顔で元気いっぱいのコミュニケーション活動を進められるように展開することが求められています。そうした活動の中、どのように担任教師が評価を進めるかという悩みを、具体的な評価の仕方にスポットをあて、小学校英語授業の進め方とその活動に応じた評価の在り方を、参加者全員で考えました。

授業実践(中学校) 「どんな生徒の英語力もグングン伸ばす指導法を目指して」

川村光一先生(栄東中学・高等学校教諭、「橋架村塾」塾長)からお話しいただきました。
すでに中学校に上がる前から、英語の学力差がある中学生。だからこそ、一人ひとりの学習意欲が生徒各自の英語力アップに大きく影響していきます。そこで、小学校で培った英語の基礎を生かしながらも4技能を絡めた段階的指導で生徒の学力を伸ばすこと、またコミュニケーション活動だけに偏らず文法指導をきちんと行うのがさらなる飛躍の鍵だと、川村先生。今回は、語彙指導、コミュニケーション活動、文法、英作文指導等での様々なアイディアを披露していただきました。
川村光一先生といえば「弾丸インプット」。その弾丸インプットだけでなく、「イングリッシュサロン」など様々なアクティビティを全員で体験し、大いに熱のこもった講義となりました。

授業実践(高等学校) 「グローバル社会で求められる英語力の育成に向けて」

塚本裕之先生(静岡県総合教育センター教育主幹・指導主事)にお話しいただきました。
新学習指導要領では、学校において「何ができるようになるのか」の視点から生徒に身に付けさせたい資質・能力を明確化すること、また、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を行うことが求められています。英語教育においては、告示に先んじて「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の設定及び英語による言語活動の充実が求められてきました。
当日は、全ての生徒にグローバル社会で求められる英語力を育成することを目指し、CEFRを参考にしたCAN-DOリストやその活用に向けた静岡県の取組を紹介した上で、新指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業設計の在り方について共有しました。また新指導要領が求める英語授業を実践する上で、静岡県が抱えている課題を明確にするとともに、それを解決するために教師に求められている授業力について、受講者全員でディスカッションをしながら考えました。

向後先生をはじめとする講師陣の熱が多くの受講者にも乗り移り、今回も英語教育への情熱の熱気で満ち満ちた一日となりました。
地域連携センターでは、今後もブラッシュアップセミナーを継続しながら、現役教員向けプログラムの開発にも取り組んでまいります。
講師の皆様、またご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
なお今回も、多くの本学教職課程の学生たちも一緒に学ばせていただきましたことに、御礼申し上げます。
(地域連携センター)