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「特別支援教育に関する特別講義」を実施


11月20日(月)、特別な支援を要する子供への理解を深めるため、「特別支援教育に関する特別講義」が行われました。経済学部の中村敏行教授(専門: 社会科指導法)が担当する「教育実習指導」や「教職実践演習」の受講生、中村ゼミに所属する学生を対象として、教育実習等への準備を目的に実施されたものです。千葉県教育庁教育振興部特別支援教育課の嶋田仁子指導主事をお招きし、長く特別支援教育に携わってきたご経験から、これからの支援の在り方をお話しいただきました。

はじめに、特別支援学校の設置数や制度の変遷が紹介されました。資料によると、千葉県では特別支援学校で教育を受ける幼児児童生徒の数は10年間で約1.2倍、特別支援学級で教育を受ける児童生徒の数は約1.9倍に増加したといいます。背景には、児童の状態に応じて必要な専門的指導が受けられるよう制度の改善が進められ、その理解が広がったことが挙げられます。具体的には、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム」の構築が推進され、教育現場に導入が図られてきたことです。

続いて、具体的な障害と支援への基本的な考え方が説明されました。障害には、他者との関係の構築に困難を抱える場合や知的発達に遅れはないものの「聞く・話す・読む・書く・計算する」のうち、いずれかに支障が生じる場合などがあります。適切な支援を行うには、基礎的な環境整備や合理的配慮が必要です。保護者と学校が理解を共有すること、教員が個別の指導計画を作成し、きめ細やかに対応することも求められます。例として、(1)分かりやすい情報の提示、(2)取り組みやすい環境の整備、(3)安心して参加できる学級づくりが挙げられました。(1)では、「ちゃんと」「ちょっと」などの曖昧な表現を使わず、短く具体的な指示を行うことが考えられます。(2)では、電子黒板やタブレットの活用、学習の流れの可視化など、(3)では、学習ルールの明確化や着席時の姿勢の例示などが紹介されました。
最後に、教育実習や学校体験ボランティアに参加した学生から質問が寄せられました。いずれも各自の体験から生じた課題や迷いです。本日の講義で学んだことを活かして、さらに実践力を高めてもらいたいと思います。

受講者からの質問

Q 「たまプロ」(ちば!教職たまごプロジェクト)に参加したとき、コミュニケーションに困難を抱える児童がいましたが、どのように対応したらよいですか。
A 好きなことを尋ねたりして、きみのことを知りたいという姿勢を示すことから始めてみてください。
Q 教育実習では、学級全体への指導と個別指導のバランスが難しかったです。
A ここまでは学んで欲しいという授業のポイントを絞って計画を立てることをお勧めします。
Q 教育実習で寝ている生徒を見つけたが、障害があって集中力が切れたのか、授業がつまらなくて寝ているのか、判断が難しかったです。
A どのようなときに寝ているのかをよく観察してみてください。その上で、集中力を高める工夫を試行錯誤してみるとよいでしょう。
報告: IR・広報室