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千葉敬愛学園 Chiba Keiai Gakuen


講評

第9回(2011年度)

村川 庸子 教授

 第9回目となる敬愛大学高校生論文コンテストに今年もたくさんのご応募ありがとうございました。「3.11後の日本を考える」というテーマもあってか、昨年の2倍を超える1550の応募がありました。第一次、第二次審査を経て20作品が残り、最終審査で6つの受賞作が決定しました。分量もさることながら内容面でも充実した力作揃いでした。
3.11は様々な意味で我々の生活、我々の社会ばかりでなく、人生観、価値観まで変えてしまうものでした。特に、高校生の皆さんが応募作を準備してくださった時期は混乱の極みにあったと思います。その中で、当日の経験を描いたもの、その後の社会の不安感を綴ったもの、ボランティア活動、原発の是非など、自らの心の内を見つめ、巷に溢れる情報を整理し、自分なりの議論をまとめていただいた全ての方々に敬意を表したいと思います。
それでもやはり、被災地の方々の生の声には圧倒的な説得力がありました。最優秀賞、優秀賞に選ばれたお二人が福島県の高校の生徒さんであったことは偶然ではなかったように思います。最優秀賞の増子光希さんの作品は、震災と原発事故で失われてしまった美しく豊かな自然への思い、その後の風評被害に対する怒りと悲しみが、驚くほど理路整然とまとまった形で提示されています。智恵子抄に謳われた「本当の空」が一日も早く取り戻せるよう祈ると共に、我々も支援していきたいと思います。優秀賞の斎藤理佳さんの作品は、災害時に利用可能であったメディア―ラジオと新聞―が情報の具体性・実用性と迅速性という面での問題を露呈したことを指摘しています。「災害時には情報は商品である以前に『人々を助ける手段』なのだ」という言葉はとても重いものでした。
佳作の石川さんの作品では震災当日の帰宅途中に感じた見知らぬ人々との「心の絆」が素直な文章で綴られ、岸さんの作品では今回注目されたソーシャルメディアの可能性と問題点が丁寧に分析されていました。
天変地異が相次いだ2011年でありました。未だ復興への道は緒についたばかりです。それでも若い皆さんの作品の中に幾筋もの光明を見た思いでいます。