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問いづくりの教育実践-The Question Formulation Technique(QFT)を活用して-


国際学部の教員を対象とするファカルティ・ディベロップメント(FD)の一環として、問いを立てることの意義についてのディスカショッンと、問いづくりのワークショップの体験が行われました。

RQIの大友朋子氏(左)とファシリテーターの佐藤准教授(右)

ファカルティ・ディベロップメント(FD)とは、教員の能力開発等を行う研修です。今回は、アメリカのマサチューセッツ州に本拠を置くRight Question Institute(RQI)の大内朋子氏を講師に迎え、Question Formulation Technique(QFT)という独自のメソッドを活用した問いづくり体験に参加し、問いを立てる目的やその意義、方法論について理解を深めました。

QFTの実践方法を学ぶ

QFTのプロセスは、大きく分けると以下の5つの活動からなります。①あるテーマについて問いを立てる、②問いを分類する、③問いの形を転換する、④問いに優先順位をつける、⑤問いを振り返る、というものです。

①~⑤の作業を通じて、テーマを多角的に考える(発散的思考)、問いを絞り込む(収束的思考)、問いを通じて自分自身を俯瞰する(メタ認知的思考)ことを行います。問いを作ることで、学ぶ者の意欲や知的好奇心の向上、思考の深まり、学ぶ楽しさへの気づきなどの効果が期待できます。また、QFTは小学校から大学院まで、幅広い年齢の学習者に対して活用できます。
今回は、3~4名のグループに分かれてQFTを行い、グループで問いを出し合った結果を共有しました。テーマは「授業で質問をしない学生」です。教員が考えた問いには、「授業で分からないところがあるのではないか」「授業を中断させてしまうことを心配するではないか」など、多様なものがありました。気づかないうちに先入観に縛られて思考してしまっていたといった感想も出され、自分を見直すきっかけにもなったようです。

グループに分かれて問いを考える

問いを書き出す

学生たちは卒業後、社会に出て未知の問題に向き合い自分なりの仕方で対処し、新しい知識を発見・創造していくことになります。問いを立てることは、このような課題に対応していく重要な方法の一つであり、自分の考えを成長させる原動力ともなるものです。教員は日頃から、学生が問いを考える力を身につけられるよう、様々な授業の工夫を行っていますが、今回の問いづくりの研修で学んだことを活かして、更にいっそう良い授業を行っていきます。

報告: IR・広報室、佐藤邦政