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ホーム >  教育学部News >  【第2弾】「いじめや人権、話し合おう、変えていこう。Changers(チェンジャーズ)」プロジェクト

【第2弾】「いじめや人権、話し合おう、変えていこう。Changers(チェンジャーズ)」プロジェクト


私、阿部の参加している「いじめや人権、話し合おう、変えていこう。Changers(チェンジャーズ)」プロジェクトは、授業づくりの専門家、各界のクリエイターが共同し、学校や家庭、地域で活用できる無料教材を開発、公開するプロジェクトです。先日の第1弾に続き、第2弾としてイラストレーターの宮尾和孝さんによる2作品を公開しました。続いて今月中に、イラストレーターの呉々さん、伊豆見香苗さんによる4作品を公開する予定です。

©2021 宮尾和孝, CHANGERS

©2021 宮尾和孝, CHANGERS

教育の専門家とクリエイターとともに無料で公開するマンガ教材を開発

文部科学省の調査(*1)によると、令和2年度のいじめの重大事態の発生件数は514件となりました。社会全体でいじめ防止対策が推進されているとはいえ、まだまだ苦しむ子供の数は後を絶ちません。いじめは、固定化された人間関係や集団の中で生じる独自のルールやノリから発生していると考えられています。学校のような閉ざされた人間関係の中では、相手が悪いからいじめてもいい、いじめても相手が苦痛を感じていないと考える等、いじめや差別が正当化されてしまうことがあります。

本教材を通じて、さまざまな大人と子供が関わり、話し合う機会が生まれることで、学校と社会との風通しがよくなると私たちは考えています。そして、固定化された集団や教室でつくられる理不尽な「当たり前」に、子供たち自身が気づき、一人一人がチェンジャーズとなり、いじめや差別が起こる環境を変えていくことを願っています。

*1 令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(文部科学省)

詳細情報・教材の内容紹介・ダウンロード
(Changersバナーをクリック)


ホームページ:
https://wearechangers.jp
YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCrP-zzSxh0NxgsLxDao-Tjg/

従来の道徳教育では、教科書を活用し、比較的長い文章を読解した後に、問いに答える形式が中心となっています。しかしこの形式では、児童生徒によって読み終えるスピードや理解力が異なるため、読解に時間がかかり対話や議論の時間を十分に確保できない傾向があります。

現在、文部科学省により「考え、議論する道徳」を行うことが推奨されている現状を踏まえ、私たちは2〜3分で内容や論点がすべての子供に理解できるマンガ形式の教材を開発しました。そして内容の理解や作品への興味関心を高めるため、子供向けのコンテンツをつくるプロフェッショナルであるマンガ作家やイラストレーター、編集者、映像ディレクター、デザイナーが参加し、人物の心情や人間関係がリアルな作品をつくりました。開発後、検証授業を複数の学校で行いましたが、ねらい通り、対話の時間がたっぷり確保でき、活発な議論が生まれる授業になっていました。

 

いじめや人権について深く話し合うためには、これまでの教材では描かれなかった善悪がはっきりしない状況や、つい見落とされがちな繊細な問題を取り上げたリアリティのある教材をつくる必要があります。これまでの教材ではリアリティあるテーマを扱ったものが少ないという学校現場の強い要望を受け、今回新たな教材を開発しました。
学校の授業はもちろん、家庭での学習や様々なワークショップなど、これまでになかった場所でも議論が生まれることを願っています。


報告:教育学部准教授 阿部 学
本記事は、ストップイットジャパン株式会社のプレスリリース(2021年12月6日)を参考に作成しました。