４年山口ゼミでは卒業前の研修旅行として広島を訪れました。国語科指導法のゼミですが，文化遺産を中心に文学，歴史，芸術に触れる研修でした。おおまかな日程は次の通りです。

　１日目　呉：大和ミュージアム，てつのくじら館
　２日目　宮島：厳島神社，豊国神社
　３日目　広島：本川小，ひろしま美術館，平和記念公園

◆１日目　呉
　大和ミュージアムではボランティアガイドの説明を聞きながら，歴史的な背景を踏まえて戦艦大和に関する理解を深めました。ちなみにデパートの最上階にある回転レストランは大和の技術の応用だそうです。

　お隣のてつのくじら館では機雷について具体的に理解し，掃海の実情を知りました。見学の翌日２月１７日の新聞では，安倍首相が機雷掃海の必要性を強調したと報じていました。必要性をどう評価するかについては学生の判断に任せますが，機雷掃海については考える素材となる事実がインプットできました。また，ここでは本物の潜水艦の艦内を見学し，その狭さ，機能性等を実感しました。

◆２日目　厳島神社
　厳島神社と言えば重要文化財の大鳥居や能舞台などが有名です。しかし，こども学科の学生としては小学校の学習指導要領社会科にも出ている平清盛に関心を持ちたいものです。ゼミ生の中には事前研修として平家物語を読み直した人もいました。
　ところがこの日は清盛入道の機嫌がよくなかったのか，おみくじを引いた結果９名中４名が凶でした。

◆３日目　広島市内
　平和記念公園は市内観光の定番です。私達もボランティアガイドの解説を聞きながら研修しました。これに加えて，ひろしま美術館と本川小学校にある平和資料館を訪れました。
　本川小学校は原爆ドームの隣にある小学校です。原爆が投下された時は朝礼をしていました。その時の被害の様子が保存され，公開されています。ちなみに見学には予約が必要です。
　旅行中，ゼミ生には『いしぶみ　広島二中一年生　全滅の記録』（ポプラ社）が回覧され，通読が義務付けられました。

　ヒロシマにどっぷり浸かることも大切ですが，教養として芸術に触れることも大切です。ひろしま美術館には印象派を中心とした作品がコンパクトに展示されており，名画に親しむにはちょうどいい一時が過ごせます。
　Wさんたちは感銘を受けた絵画のポストカードを買いました。大人の楽しみ方を実践しています。

◆今回はゼミ生のKさんが旅の企画をし，大変充実した研修ができました。こども学科に相応しい卒業旅行です。旅は命の洗濯とも言いますが，若いうちにどんどん見聞を広めていってほしいものです。

（文責・山口）