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千葉県の観光事業の特徴を知る「千葉の観光研究」が新たに開講



「千葉の観光研究」とは

「千葉の観光研究」は、2021年度から観光マネジメント専攻の「発展科目」として開講された新しい授業です。千葉県内の複数の観光地の強み・弱みを分析し、今後の発展の方法を考えます。ディスカッション、プレゼンテーションに加え現地視察を組み合わせたアクティブな授業を展開しています。今年度は、
  • 幕張メッセを中心としたMICE※ビジネス
  • 東京ディズニーリゾートを有する浦安市と、浦安の歴史をふまえた観光のコラボレーション企画
  • 道の駅を活用した房総地域の広域観光
などについて、基礎的な知識を講義形式で学んだ後、学生たちがそれぞれのテーマに沿ってまとめた企画を発表し、毎回刺激的な授業となりました。

国際学部教授 三浦知子

MICEとは

企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。(観光庁による)

幕張メッセとMICEと「鉄道技術展」

学生による幕張メッセを活用したMICE企画提案は、そのまま千葉県に提案したくなるようなクリエイティブで魅力的な企画もありました。幕張メッセではちょうど2021年11月24日(水)~26日(金)に「鉄道技術展」が開催されることを知り、この見本市に合わせて視察の準備を重ねました。「鉄道技術展」は、鉄道・交通システムやインフラ技術、旅客サービス関連も含め、幅広い鉄道分野の技術が横断的に会する総合見本市で、2010年から隔年開催されています。学生の参加もできるため、各自で事前に参加登録をしました。
初日の11月24日(水)、会場はスーツ姿の男性がほとんどでしたが、学生の姿もみかけました。参加団体が359社、ブースは700を超える開催規模です。

中でも注目したのが「オーストリア大使館商務部」のブースです。オーストリアと日本の間の貿易拡大・促進を図る大使館の部署で、オーストリア企業の日本市場における活動のサポートや、製品、技術、サービスを求めている日本企業に対する支援活動を行っています。
大使館に電話で問い合わせると、「新型コロナ禍での開催のため、オーストリアからの参加は難しいが、日本に事務所のある企業が何社か参加する」とのことで、担当のフィノキアーロ上席商務官は流暢な日本語で当日の面会を約束してくれました。

会場に到着後、まずはオーストリア大使館商務部のブースを訪問し、フィノキアーロ氏の親切でわかりやすい、オーストリアの鉄道技術についての説明を聴きました。周辺にはオーストリアの企業をはじめ、ヨーロッパのブースが出展しており、関連する企業の方ともお話しすることができました。オーストリアの技術は、スキー場のゴンドラやリフトなどの索道技術でも大変有名です。また、防振や防音の技術は、鉄道のみならず、ホテルやコンサートホールのフロアにも応用されています。そうした企業がオーストリアの有名なスキーリゾートが集まる州にあることも大変興味深い点でした。

「鉄道」という名のとおり、JR各社、私鉄も含め、多くの鉄道会社、関連会社が出展していました。学生たちは思い思いにブースを訪れ、さまざまな製品の説明を聞くことができました。中には就職活動について熱心に教えてくださる若い社員の方にも遭遇し、とても充実したMICE体験となりました。

MICEと観光

「鉄道技術展」は大規模な見本市ではありますが、コロナ禍の中でさえ、3日間の受付登録者数が24,717人という実績でした。実際に訪れてみると実に多くの方々が参加していることを実感しました。履修している学生は幕張メッセの周辺にも目を向けており、会社単位で参加した人々がイベント終了後に海浜幕張周辺の飲食施設に入っていく姿などについて、考察していました。また、平日と週末にかけて行うイベントでは、平日はビジネス客、週末は一般客といったように、来場者の目的が異なっています。日本の多くの観光地は、従来、週末型が主流でしたが、MICE関連施設周辺は、平日の観光需要を得ることができます。
今回のイベントの視察は、意義深いものとなりました。オーストリア大使館商務部と事前に打ち合わせできたことで、達成感のある視察を実施することができました。実はこれも、担当教員(三浦)の旅行会社での数々の失敗から学んだ「技術」なのかもしれません。
大学からごく近くに位置する幕張新都心――同じ千葉市にある大学として、事前準備はなかなか大変ではありますが、今後もこうした機会を設け、ぜひたくさんの学生に経験してもらいたいと思っています。