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【イチオシゼミ】オンライン株式学習ゲームでESG投資について学ぶ 東京証券取引所による特別授業 part2


国際学部ではSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、ESG投資の仕組みについて学んでおり、庄司ゼミにもESG投資を卒論のテーマとしている学生が11名中5名います。ESG投資とは、投資先の企業をE:environment(環境)・S:society(社会)・G:governance(ガバナンス)に関する取り組みを評価して投資することを言います。庄司ゼミでは、今年7月からオンライン株式学習ゲームを通して実践的にESG投資を学んできました。

>>仮想イベントルーム上で「株式市場」について学び、オンライン株式学習ゲームに挑戦

東京証券取引所の様子をバーチャル見学

12月1日(水)、東京証券取引所の前川真一朗氏をお招きし、ESG投資についての特別授業を行いました。学生からは事前に「ESG投資は企業のSDGsの取り組みをサポートするというのが目的であっても、その株価が上がれば売却してしまうのか」「ESG投資によるSDGsへの効果は、どのような指標で表されるのか」など、ゲームを通して気付いたことや疑問に感じたことが多数寄せられました。
前川氏はESG投資について解説しつつ、コロナ禍で実際に現地に行くことができない学生たちに、ライブ映像で東京証券取引所の中を見学させてもらうなど、興味をかきたてられる授業を展開してくださいました。東京証券取引所の心臓部にあたる部分もライブ映像で間近にみることができ、学生たちは「コロナ禍が終息したら直接現地に行ってみたい」と興味深く映像を眺めていました。

「なぜその企業に投資をしたのか」を発表

株式投資ゲームを行った3チームのうちの1つは、投資先としてトヨタとソニー、KDDI、資生堂を選びました。チーム代表のFさんは各社を次のように評価したようです。
  • [トヨタ自動車]新車CO2ゼロチャレンジに対して2010年比で3割減を達成していることを評価
  • [資生堂]管理職のうち40%以上を女性が担うことを目標とするなど、‟新しい目標にチャレンジする姿勢”を評価
  • [ソニー]「地球環境」に集中して取り組む姿勢を評価。
  • [KDDI]多岐にわたる分野に対して細かな目標が明確に立てられているところを評価
財務情報ではなく、ESGに対する企業の取り組みに着目して投資先を選んだFさんのチームですが、1000万円の資金を元手に数ヵ月で15.5万円の利益を確定しています。前川氏は「異なるビジネスを行っている4社を選択していて、純粋に株式投資という観点でも上手に投資先を分散させているところが良い。(中略)トヨタはカーボンニュートラルへの対応がまさに求められる企業ということで動向が大変注目されますが、その点についても言及されていて良かったです」と評価しました。

前川氏による株式ゲームの結果の評価

各チームの取引状況を拝見しました。各チームとも、取引した中で利益が出せた銘柄もあれば、出せなかった銘柄もあったようです。数カ月という短い投資期間でしたので、たまたまタイミングが悪く期待した値動きをしない銘柄が出てしまうのは仕方なく、これが株式投資の難しいところです。
ただ、どの企業もESGの点でもしっかりした会社ですので、今後、長期的に見れば安定した値動きをしていく可能性が高いのではないかと思いますし、この長期的な投資こそ、個人投資家にお勧めできる資産形成の方法と考えています。今回、皆さんが投資した期間で値段が下がった/上がった銘柄について、どういう理由でそのような値動きになったのか調べてみると、今後株式投資をしていくうえでの参考になると思います。今後とも頑張ってください。

国際学部の庄司教授のコメント

ESG投資は、単に株で儲けるという短絡的な見方ではなく、投資家を含めた国際社会が、「地球社会の将来を我が事として真剣に考えるようになってきた」証です。企業の取り組みを見ると、人々による地球社会への思い、意思がESG投資によって反映されるようになってきたように思えます。自分たちが将来働く職場が、どのようにこれからの国際社会に貢献し、適応していくのか。共に考えていきましょう。

報告:国際学部教授 庄司 真理子