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「房総ジビエ」を利用した地域振興策を学ぶ ~千葉駅前のビストロへスクーリング~



前回に続き、2回目となる「房総ジビエ」をテーマとした「国内スクーリング(担当:国際学部 三浦教授)」を実施しました。1回目の様子はこちらからご覧ください。

前回の授業で千葉県内の鳥獣被害の現状や、自然保護と共存した地域振興策、ジビエ(狩猟肉)の普及策を県庁職員から学んだ国際学部の学生たち――今回は千葉駅前で「地産地消」を意識し、房総ジビエをメニューに取り入れている「Bistro Recolte(ビストロ レコルト)」を訪問しました。
ジビエの魅力や課題を教えてくれるのは店長の大塚裕敬氏。敬愛大学の系列高校、敬愛学園高校の卒業生でもあります。休店日ですが学生のためにジビエを使った特別なテイクアウトプレートを用意してくれました。フランス料理のビストロ(レストランよりも気軽に入ることができ、価格も手頃な店)に初めて入るという学生がほとんどで、ジビエも今回が初挑戦です。

消費の最前線である飲食店から見たジビエの課題

実はジビエの「固くて臭い物」というイメージはすでに過去のものになりました。猟銃ではなく罠猟で生きたまま捉えた獣を、その場で血抜きし、冷蔵室内で適切に処理することで、品質が各段に向上します。また、調理法の面でも丁寧に加熱することで柔らかく美味しく食べることができるようになったのです。
ただし、それらの手間が価格に跳ね返ってきます。また流通面でも食品卸がないので、各生産者にひとつひとつ直接連絡して取引しなければならないという手間もあります。そして、ハンターが少ないため仕入れが安定しません。これら3つの問題が密接に絡み合っているのがジビエの問題であると大塚氏は言います。

ジビエはフランス料理の花形食材ですが、食材の7~8割を千葉県産にすることで他店との差別化を図ってきたビストロレコルトでは、当初ジビエの導入には消極的でした。国内の飲食店に流通するジビエのほとんどがフランスからの輸入品で、千葉県産のジビエを手に入れることは難しかったからだそうです。

ジビエに掛ける思い

「ジビエを扱うことで大切にしていることは?」という学生からの質問に対し、「そもそもは人間側の理由から、鳥獣の生息・活動域が拡大し獣害が増えている。その肉を無駄にはしたくない。感謝の心で骨まで出汁として使い、美味しく調理している」と大塚氏。その他にも安定的にジビエを入荷する方法や1回の調理にかける時間などの質問があがり、学生たちは大塚氏の丁寧な仕事に驚いていたようでした。
ビストロとして手頃にジビエを味わってもらいたいという大塚店長の思いは手間がかかり、採算を取るのが難しいのではという質問には、大塚氏は「食に興味をもってもらうことでその土地にも興味をもってもらいたい。地元の生産者・製造者と一緒に継続してやっていけるようにしたい」と地元千葉に対する情熱を語ってくれました。

三浦教授のコメント

新型コロナ感染拡大の中、千葉県はまん延防止等重点措置中での実施となり、店内では大塚店長のお話と質疑応答のみ、飲食は一切せずに実施しました。テイクアウトプレートの、ジビエの未知の味には学生の反応も正直さまざまでしたが、実際に味わう経験ができてよかったという声がほとんどでした。テイクアウトにより、ご家族と一緒にジビエをより深く知る機会ができたこともよかったと思っています。
次回は大多喜町にある「道の駅 たけゆらの里」にて狩猟や食肉加工の現場の話を伺いました。第3弾もお楽しみに!

報告:IR・広報室