グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  国際学部News >  【イチオシゼミ!】“社会貢献”と“利益の追求”って両立できるの? ~千葉銀行の取り組み~

【イチオシゼミ!】“社会貢献”と“利益の追求”って両立できるの? ~千葉銀行の取り組み~



国連が採択した持続的開発可能な社会に向けての17個のゴール(SDGs)を実現するために、企業では今、ESG投資に注目が集まっています。ESGとはE:Environment(環境)、S:Social(社会)、G:Governance(企業統治)の頭文字をとったものです。具体的には、温暖化対策のために企業が自社から排出される二酸化炭素を削減したり、男女平等参画社会を実現するために、女性管理職の割合を増やしたりなどの長期的な視点から経営をしている企業に投資をしようという考え方です。
11月25日(月)、庄司ゼミ大月ゼミにおいて、SDGsやESG投資について地方銀行がどのような役割を果たしているのか、千葉銀行の経営企画部サステナビリティ担当部長の渡邉氏と福井氏にご講演いただきました。

なぜESG投資が注目されているのか

左から千葉銀行の経営企画部の福井氏と渡邉氏

これまで千葉銀行をはじめ、さまざまな企業では「企業の社会的責任(CSR)」という考えのもと、さまざまな社会貢献活動が行われてきました。しかしながら、近年は、単なる「社会的責任」を果たすことに留まらず、本業を通じて積極的に社会的課題に取り組むことによって持続的成長を目指す考え方が広まっております。
こうした背景のもと、環境・社会・ガバナンスを考慮したESG投資が拡大しており、社会的価値と経済的価値の追求を両立させ、SDGsを達成するための手段として期待されています。

千葉銀行の取り組み

千葉銀行では「ちばぎんグループSDGs宣言」を掲げ、ESGに取り組む企業を手助けするさまざまな施策を行っています。
例えば環境保全分野では、太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーに対する融資に積極的に取り組んでいるそうです。千葉銀行が融資した太陽光発電の年間の総発電量は973ギガワットであり、二酸化炭素の削減効果は年間44万トンにものぼります。これは杉の木に換算すると約5000万本分(千葉県の森林面積の3割分)に相当します。
また、SDGsに沿う事業に対し、事業開始から安定した利益が出せるようになるまで、最大3年間の元本返済の据置期間を設ける制度を活用して、これまでに義肢・装具メーカーなどに融資されたそうです。

ちばぎん職員、OBのボランティアによる海岸清掃活動

ちばぎん職員、OBのボランティアによる植樹活動

なぜ千葉銀行はSDGs・ESG金融に取り組むのか

千葉銀行がこうした活動を取り組む背景には、人々が暮らし、企業が経済活動を行う地域社会が地方銀行にとって存在基盤そのものであるという考えがあるようです。
千葉県では、今年2回の大型台風に襲われました。温暖化の影響を感じざるを得ないと危機感を強める渡邉氏は、このままの方向で人類が経済活動を続けていけば、企業や社会は存続できなくなるのではないかと強い憂いを感じているそうです。

講義を受けた学生からは「地域の問題をくみ取り、その上で実行した活動はあるのか」などの質問があり、関心の高さがうかがえました。渡邉氏が言うように、学生にとっては就職先を選ぶうえで、企業のESGへの取り組みが、本物の社会貢献ができる企業探しの指標として活用できるのではないでしょうか。
お忙しいところご講演いただきました渡邉様、福井様に心より感謝申し上げます。

報告:IR・広報室