グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  国際学科News >  獣による農作物被害の拡大、ジビエを千葉のブランドへ ~国内スクーリング 第一弾~

獣による農作物被害の拡大、ジビエを千葉のブランドへ ~国内スクーリング 第一弾~


国際学部の三浦知子教授

7月2日(金)、国際学部の三浦教授による「国内スクーリング」を実施しました。今年度のテーマは「房総ジビエ」です。ジビエとは鹿やイノシシといった野生鳥獣を捕獲して得た肉のことを言います。現在、千葉県では、県内で捕獲された野生鳥獣の肉の利用拡大を図っています。そこにはどんな意図や課題があるのでしょうか。 

第1回目は、千葉県庁の農林水産部農地・農村振興課、流通販売課、環境生活部自然保護課の職員の方からそれぞれお話を伺いました。

拡大する農村のイノシシ被害

千葉県農地・農村振興課では、イノシシ等の野生鳥獣による農作物被害対策に取り組んでいます。右図の赤いエリアは、実際にイノシシによる農作物被害があった市町村です(令和元年度)。思いのほか広い地域に被害がでていることがわかります。イノシシが農地に入ると、農作物が食べられるだけでなく、土から根こそぎ荒らされてしまいます。また、作物に臭いまでついて、出荷できなくなってしまいます。被害は年々増加しており、金額に換算すると年間2億円前後にのぼります。

千葉県では電気柵や金網柵を用いた農作物を守る方法、イノシシの餌となる収穫物の取り残しの撤去を促す 指導、イノシシの捕獲の3つの対策を行っています。ただ、イノシシは年間4~5頭の子供を産み、人間以外には天敵がいないので、捕獲しなければ増える一方です。

環境生活部自然保護課からは、野生鳥獣の捕獲にかかわる法律や狩猟免許の制度について説明をいただきました。農村部の人口減や耕作放棄地の拡大などの社会環境や自然環境の変化などの複合的な要因により鳥獣被害が広がっているという基本的な点を改めて学びました。

イノシシを「房総ジビエ」としておいしくいただく

そこで、千葉県ではイノシシ肉とシカ肉を資源として活用する施策を打っています。イノシシ肉とシカ肉を「房総ジビエ」と商標登録し、飲食店での利用を促しています。ジビエは余計な脂が少なく高たんぱく、ビタミンも豊富です。アスリートの中には専門店から購入する方もいるそうです。

ただし、ジビエの美味しさを保つには、捕獲後すみやかに血抜きをするなど、鮮度の確保が必須です。千葉県には関東の他県より多くのジビエの食肉処理場があるとはいえ、年間2万頭以上の捕獲されたイノシシのうち、食肉処理されたのは1568頭(令和2年度)というのが現状のようです。

需要を掘り起こそうと千葉県農林水産部流通販売課では、「房総ジビエ」のサイトで、房総ジビエを提供する飲食店や消費者向けの仕入れ先も紹介しています。そのほか、有名なシェフを呼んでジビエの料理コンテストを行うなどジビエの普及に努めています。観光地経営が専門の国際学部 三浦知子教授は、食を通じた地域振興策として「房総ジビエ」の伸びしろに期待を寄せています。

学生の感想

人間の生活圏内に悪気もなく入ってきてしまったのに、捕獲されてしまうことはあまり心地の良いことではない。ただ、そのまま放っておくわけにもいかず、せめて最後まで人間が動物に対してありがたい気持ちを持って、ジビエ料理を食していくべきだ。この問題は非常に難しく、今後も慎重に見ていかなければならないと感じる。

三浦教授のコメント

学生の感想に私もはっとしました。イノシシやシカは、何も望んで人里に来たわけではありません。私たちは、スーパーで販売されている豚肉や鶏肉に慣れているので、それが動物の体の一部であるということを忘れがちだと思います。昨今の食品ロスの問題も含め、総括的に「食」について見直すきっかけになればというのも、授業の一つの意図でもあります。

環境生活部自然保護課の職員の方から狩猟方法や規則、免許の取り方も教えていただきました。

報告:IR・広報室