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高校生の発表に学ぶ「こどもと地域の教育論」


国際学部こども教育学科の市川洋子教授が担当する「こどもと地域の教育論」では、SDGsやこどもの貧困、不登校など様々な問題をとりあげながら、これらの現代的課題を解決するために地域や教育がどう関わっているのかを学んでいます。今期最後に取り上げたテーマは「防災教育と地域貢献」。東日本大震災で津波などの被害を受けた千葉県旭市の高校生がこのほど来学し、大学生を前に自分たちの取り組みを披露してくれました。

発表した旭農業高校の生徒たち(右がプロジェクト代表の篠塚さん)

発表してくれたのは、千葉県立旭農業高等学校(伊藤聡校長)の復興支援プロジェクトに参加する3名。普段は草花の生産や園芸全般を学んでいる、ごく普通の女子高生です。彼女たちは、旭市が平成19年度にスタートさせた「旭市総合計画」の基礎となった「あさひ夢ビジョン」(旭市内の全中学校で当時取り組まれた、市長への提言書作成活動)を契機に発足した「旭・学び助成金(旭3S)」からの助成を得て、農業高校だからできる防災活動に取り組んできました。

もともと学校近隣の小中学校とは農業・畜産業を通じて交流を深めていた旭農業高校ですが、2011年の東日本大震災で大きな被害があったものの、その風化を強く感じていたそうです。そこで「旭3S」に参加することで必要な助成を得、小中学生の防災意識を高める活動を展開しているそうです。例えば宮城県や伊豆大島の災害現場を視察し、現地で花植えや自ら収穫した農産品の販売・配布などを行うことで被災者の思いを学んだり、現地で自ら学んできたことを小中学生に発表したりして、小学生の防災意識の向上に努めているそうです。

プロジェクト代表の篠塚奈那さん(3年生)は、「私たちはこれからも旭市のこどもたちの防災意識を高められるよう、活動を続けます。あの大震災から8年がすぎました。復興を意識して活動をすることが、災害を忘れず、いざという時の備えになると考えています」と語りました。そして発表者全員からのまとめとして、「震災の記憶は少しずつ薄れていきますが、共に活動すること災害の記憶を共有することで、記憶を風化させないための活動を続けていきます。」と力強いメッセージを伝えてくれました。

教室には普段この授業を受講していない学生も多数集まり、高校生の真摯な取り組みに耳を傾け、心打たれていました。敬愛大学では震災発生の年から毎年夏に宮城県を学生たちが訪問していますが、地元千葉県での地道な取り組みがあることを知り、改めて地域に根ざした取り組みの大切さを学ぶ機会となりました。

なお同校の取り組みは、同校ホームページ( https://cms2.chiba-c.ed.jp/asahi-ah/ )にも紹介されています。

報告:地域連携センター