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「第2回英語教師授業力ブラッシュアップセミナー」を開催

敬愛大学地域連携センターでは、去る8月20日・22日に「第2回英語教師授業力 ブラッシュアップセミナー」(後援:千葉県教育委員会、千葉市教育委員会、千葉県私立中学高等学校協会)を開催いたしました。
本セミナーは、小学校では今年度から先行実施、中学校では平成33(2021)年度から全面実施、高等学校では平成34(2022)年度から年次進行で始まる次期学習指導要領の着実な実施に向け、同学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」を外国語(英語)教育の側面から実現するために必要な知識とともに、授業で活用できる実践的な情報を提供させていただくことを目的に開催。2年目となる今回のセミナーでは、優れた英語教育を実践されている小・中・高等学校の先生方をお招きし、中・高等学校だけでなく小学校においても役に立つ授業実践や具体的な授業のヒントを提供し、100名近い千葉県内外の現役小・中・高英語教員にご参加いただきました。

8月20日 小学校編

◆基調講演
「小・中・高の英語教育改革と小学校英語担当教員に求められること~学習指導要領改訂を踏まえて」をテーマに、本学英語教育開発センター長の向後秀明教授からお話しいただきました。
2017年3月に小・中学校、2018年3月に高等学校の次期学習指導要領が告示されるとともに、小・中学校については解説も公表され、2020年度からの日本の英語教育改革の方向性が明らかになりました。同時に、小学校については多くの自治体において、2018年4月から3・4年生の「外国語活動」、5・6年生の「外国語」が先行実施されています。文部科学省から小学校のデジタル教材や指導案などのサポートはあるものの、大きな不安を抱えながらスタートした先生方も多いと言われています。
本基調講演では、初等中等教育全体の英語教育改革を俯瞰し、今後目指すべきゴールを共有するとともに、特に小学校の「外国語活動」及び「外国語」の授業において留意すべきことや、英語担当教員に求められる資質・能力を身に付けるための方策を考えました。

◆授業実践
「『もう悩まない!』 教師と児童が共に楽しく進める英語の授業を創造する」をテーマに、佐藤裕子先生 (船橋市立若松小学校)、片岡由季先生 (船橋市立西海神小学校)、Michael Komar先生(元 中・高等学校ALT)、林次郎先生 (本学特任教授)、佐藤佳子先生(本学准教授)の5名に、3時間にわたり様々な立場から授業実践を紹介していただきました。
本年4月から2020年度からの完全実施を目指した新学習指導要領の移行措置として、全国各地の小学校での従来の外国語活動に加え、教科としての外国語科への取り組みが始まっています。小学校英語の授業は児童の興味・関心を引き出し、それぞれの場面、状況での必然性を与えながら児童が笑顔で元気いっぱいのコミュニケーション活動を進められるように展開するべきであるというコンセプトともとに、参加された方々にはワークショップの中で実際に体験していただきながら、小学校における英語授業の在り方を考える機会になりました。

8月22日 中・高等学校編

◆基調講演
「中・高の英語教育改革と教員に求められる資質・能力~次期学習指導要領や大学入試改革を踏まえて」をテーマに、本学英語教育開発センター長の向後秀明教授からお話しいただきました。
2017年3月に小・中学校、2018年3月に高等学校の次期学習指導要領が告示され、今後の日本の英語教育改革の方向性が明らかになりました。次期学習指導要領は中学校では2021年度に全面実施、高等学校では2022年度から学年進行で開始されますが、それまでただ待っているというわけにはいきません。本講座では、対話型の言語活動を一層重視するとともに授業は英語で行うことを基本とする中学校、スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション等の言語活動が導入される高等学校において、授業及び評価をどのように改善していくか、英語担当教員にはどのような資質・能力が求められ、今から何を準備しておくべきかなどについて、具体的な言語活動を交えながら考えていきました。同時に、高校入試や大学入試における英語の4技能化に向けた動きと、今後求められる対応についても触れていただきました。

◆授業実践①
杉本薫先生 (東京都立両国高等学校附属中学校)から、「気がついたら普通に英語を使っていた」のテーマで中学校における授業実践を披露していただきました。
これまでの中学校での授業実践の中から、ほぼルーティーンとして毎日の授業を支えてきた言語活動を、ワークショップの形式で紹介していただきました。先生がペア・ワークを呼ばれている、テキストの音読練習とともに、中学生の英語の基礎体力を支えるものであると認識しています。生徒から「毎日やるから難しくない」「シンプルなのですぐできる」「短時間なので飽きない」「いつの間にか新しい表現にも慣れてしまう」「英語が通じる感覚が当たり前になる」「コミュニケーションの実感がある」「楽しい」と好評の取り組みに、受講者一同の目が輝いたのは言うまでもありません。

◆授業実践②
下村明先生 (千葉県立成田国際高等学校)からは、「コミュニケーションを図る資質・能力を育成する言語活動~授業で行うディベートを通じて」のテーマで中学校における授業実践を披露していただきました。
次期学習指導要領における新科目「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の目標・言語活動の中にも示されているスピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション等の言語活動について、どのように授業で取り組み評価を行っていくかは、現場の先生方の悩みでもあります。これらの言語活動を特別な科目だけで特別な言語活動として行われるのではなく、生徒の実態や取り扱う教材に合わせて「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」の中でも十分に取り組むことが可能です。今回はその中の一つであるディベートに焦点を当て、生徒の実態が異なる2つの学校でそれぞれどのように授業で取り組んできたか、実際に体験していただきながら活動を紹介するとともに、評価の在り方や方法を共有いたしました。

向後先生をはじめとする講師陣の熱が多くの受講者にも乗り移り、英語教育への情熱の熱気で満ちあふれた2日間となりました。
地域連携センターでは、今後もブラッシュアップセミナーを継続するだけでなく、小学校から中学校、中学校から高校、また高校から大学といった橋渡し的研修の企画はもとより、生涯学習講座の現役教員向けプログラムの開発など、今後も様々な検討を進めてまいります。
講師の皆様、またご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

(地域連携センター)