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第9回日本語弁論大会を開催しました

最優秀賞は、4年生のシュレスタ・ロサン君に!
2010年11月13日(土曜日・敬愛フェスティバル1日目)に、第9回日本語弁論大会を開催しました。

本学で学ぶ外国人留学生が出場する「第9回日本語弁論大会」が、大いに盛りあがりました。激戦の結果、今年はシュレスタ・ロサン君(ネパール・国際学部4年)が最優秀賞、陳愛虹さん(中国・経済学部3年)が優秀賞を獲得しました。
また今年は日本で就職・進学した卒業生3名を招き、自らの体験談を語っていただきました。
ご来場いただいた皆様、有り難うございました。
学部氏名学年出身国演題
国際梅?路寛4年中国愛のあふれる日本
経済陳?梅梅4年中国日本への提案
最優秀賞国際シュレスタ・ロサン4年ネパール日本での体験
優秀賞経済陳?愛虹3年中国私の国と日本
国際林?秀雲3年中国二つの道
国際毛?瑞娟2年中国私の日本像

卒業生体験談発表

米 源源さん(2006年3月 経済学部卒業)
現在、(株)山田平安堂インターナショナル勤務
アザヤ シンさん(2010年3月 国際学部卒業)
現在、拓殖大学大学院国際協力学研究科在籍
張 静さん(2010年3月 国際学部卒業)
現在、八洲器材(株)勤務

入賞者の発表内容

最優秀賞「日本での体験」シュレスタ・ロサン君

シュレスタ・ロサン君

皆さん、こんにちは。国際学部4年生、ネパール出身のシュレスタ・ロサンと申します。本日、私は日本での留学で得た貴重な体験についてお話ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
皆さんは旅行が好きですか。世の中に旅行が嫌いと言う人は多分いないでしょう。私も旅行するのが何よりも好きです。私は、日本へ来てからずっとどこか旅行に行きたいと思っていました。ある日、友だちと東京へ遊びに行きました。世界の三大市場の一つ、そして私の夢の大都市、東京。とてもワクワクしていました。私たちは都内のいろいろなところへ行きました。例えば東京の中心と言われる、新宿、渋谷、六本木などです。どこへ行っても高層ビル、道路をみると世界のブランド車が走っていました。そして街角を見ると人込み。さすが大都市の東京だと思っていましたが、よく考えてみると、とても悲しくなってきました。ないものはないぐらいだったのに、どこへ行っても人工的なものばかりで美しい自然の景色が全然見えませんでした。日本は経済発展の頂点まで辿り着いたけれど、その反面自然が崩壊しているような印象を受けました 。
一方、昨年の夏休みに栃木県の日光というところに行きました。そこは東京と違って緑も多く、美しい滝や神社などがそのまま残され、自然や文化がとても大事にされて保護されていました。帰ってから色々調べて見ると、日本は日光のような素晴らしい自然が自然のまま残されている場所が沢山あることが分かりました。例えば青森県と秋田県に跨る白神山地や、鹿児島県の屋久島などです。経済を発展させながら自然や文化が保護されている日本は、とても素晴らしいと思います。国民の自然に対する認識を高めることができれば、発展しつつ自然を保護することも可能だということが分かりました。
人間は豊かな生活をしているうちに自然の大切さを忘れてしまいます。自然はとても大切です。自然が豊かな国として有名だったネパールですが、現在は色々な問題が起き、自然の美しさがだんだん失われています。未だに政治問題が起こり、国家の発展も遅れています。きれいな水を飲めない地域も沢山あります。首都の空気は排気ガスで汚れ、ゴミを分別しないで適当に捨てている人々が多いのです。自然環境を悪化させないために、私たちはどのような暮らし方をすればよいかを一人ひとりが考え、私たちが一体となって取り組まなければなりません。政府の力と国民の力が一体になって初めて、自然環境を守ることが可能になるのだと思います。
私はいつか発展のためにネパールの自然の美しさが失われてしまうのではないか、と心配でたまりません。私は母国ネパールの人たちに、どのようにして自然を保護しながら国を発展させることができるかということを、実際に日本で見て感じたことを通して伝えて行きたいと思っています。
もちろん国民の生活のためには発展することも大事ですが、それよりも大切なのは自然を保護することです。自然よりも経済発展のほうが大切だと思う人もいると思います。しかし私は、自然を悪化させずに国民の生活を発展させることも可能だと思います。美しい自然を持つ現在の日本でも、以前は自然環境悪化の影響で水俣病をはじめ汚染で多くの人々が苦しんでいました。美しい自然を取り戻すためには、長い年月と膨大なコストをかけなければならなかったのです。自然が失われ、環境が悪化してからでは遅すぎます。保護と発展のバランスを考えることはとても重要なことだと思います。
また、環境を保護するためには 一国だけの努力では限界があります。全世界の人々が自然保護の知識をもつことによって効果をあげることができるのです。このことは、ひいては地球温暖化をストップすることにもつながっていくと思います。
皆さん、未来の地球を守るため、そして未来の子供たちのため、自然の美しさを失いたくないとは思いませんか。
これで私の発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

優秀賞「私の国と日本」 陳 愛虹 さん

陳 愛虹 さん

私は経済学部3年生の陳愛虹と申します。
私が留学生として日本に来て、もう5年になります。日本に来た頃まず驚いたのは、若い日本人女性のファッションでした。私と同世代の若い日本人女性の多くが、元々明るい髪色なのに髪の毛をわざわざ茶色に染めていました。またまつ毛が長くマスカラだけでも充分美しい女性でさえも、わざわざ付けまつ毛をして目を大きく見せようとしたりしていたことに、私は驚きを隠せませんでした。中国では、若い女性でも日常生活や職場などではほとんど化粧をしません。服装などでも特別なお洒落はしませんので、若い日本の女性の化粧の仕方やファッションには大変違和感を覚えました。しかし日本人女性のように、日常生活でもそれなりにお洒落をすれば、確かに綺麗に可愛く見えるし、何よりも自分に自信が持てるようになることもあるので、適度なお洒落をすることは自分を演出するのに必要かなと、今では思うようになりました。
次に私が驚いたことは、日本人が非常に秩序正しい国民であるということです。日本では、道路で車が混雑した時でもドライバー同士がお互いに譲り合う光景がよく見られます。また朝の通勤電車では、通勤途中のサラリーマンの人たちが誰に言われるとなく列をなして並んで順番を待っている姿を見た時は、実に驚きました。それらは中国ではとても考えられない光景でした。一方私の国では、先月に終わった上海万博の入場の際にも随分と話題となりましたが、通勤電車やバスに乗る時には並んで順番を待つことはしないので、乗り降りする際はまるでたくさんの“蜂”が一箇所に集まっているような慌しい光景になってしまいます。そう言えば昔、日本では「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とういう川柳が流行ったそうですが、皆さん覚えていますか。中国では、この川柳そのものが日常のことで、たとえ信号が赤であっても車が来ていなければ人々はみんな道路を渡るのが普通なのです。このようなことから、日本人は社会で決められたルールをしっかりと守るのが一般的で、中国人に比べてとても規律正しい国民だと思いました。
こうした中国人と日本人の違いは、仕事を通じて感じることもあります。私はこれまでサービス業を中心にいろいろなアルバイトを経験し、多くの日本人と出会い、知り合う機会がありました。その中でまず感じたことは、日本人は一様にマナーのレベルが高いということです。アルバイトをするにあたっても、日本人は容姿にも気を使い、誠実で礼儀正しい上に真面目だと思いました。仕事に取り組む気持ちはみんな真剣だし、その上ユーモアもあり、手抜きはほとんどしないと感じました。サービス業の仕事で言えばまさに言葉通りで、サービス=奉仕の精神に満ち溢れていると感じることがあります。対して中国では、お店で働いている人達は、日本人のようにお客さんに対して笑顔で接することを普通では見られません。日本では「お客さまは神さまです」という思いで接客をしなさいとアルバイトの店員にも教えます。しかし中国では、お店の人達は自己中心的な考えの人が多く、自分の都合を優先させてあまり心を込めて接客しようとはしません。その為、どうしても店員の接客態度は決して感じの良いものとは思えません。たとえば、日本のお店では、店員さんはお客さん一人ひとりに対して、笑顔で「いらっしゃいませ!」と挨拶するのが普通ですが、これがもし中国の店だと、店員さんはお客さんが来ても、ほとんど無言のままで、ただメニューを手渡すだけです。こうした中国人と日本人の接客の大きな違いは、日本人は「カスタマー・イズ・キング」、お客様第一主義という考え方が全従業員の中に深く、定着しているからだと思います。
これからも、私自身、更に日本の文化と日本人に対する理解を深めて、真の国際人になれるように一所懸命学んでいきたいと思っています。