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ホーム  > 国際学部だより  > 【国際学科】フード&アグリビジネス・コーナー(2016年度)

【国際学科】フード&アグリビジネス・コーナー(2016年度)

 担当者の体調不良によりペースダウンしていた「フード&アグリ」の活動を再開しました。今年度は、敬愛大学国際学部揺籃の地であり、本学と包括連携協定を結んでいる佐倉市を主たるフィールドに活動を行った。活動は佐倉市との連携協定を土台とした事業と、かねてからお世話になっている水土里ネット印旛沼の高橋関連の事業二系統で進めた。

7月7日 水辺リング「水辺で乾杯2016」

 印旛沼流域水循環健全化会議の「水辺で乾杯2016」に参加した。7月7日の七夕の夕方7時7分に佐倉ふるさと広場に集合、ということで、授業終了後、学生4名と駆けつける。高度経済成長期にゴミ捨て場と化した川が随分綺麗になっているが、かつての「川は危ない。良い子は近づくな」というネガティブキャンペーンもあって、水辺が生活者から遠いものになっている。そんなパラダイム(規範・常識)を変えるには、川を楽しむ仕掛けが必要で、水際にアクセスしやすくしたり、川沿いをランニングできたりするハード整備ばかりでなく、川でこんな楽しいことがあるっていうソフトも同じくらい大切(配布されたチラシより)だとされている。チラシには「1万人がタナバタに乾杯」とあったが、実際に集まったのは30数名前後であった。高橋氏に「これが1万人ですか」と問うと、「いや、本当にそのくらい集まっていると思います。」一か所に1万人を集めるということでなく、親しい人たちが、近くの水辺に集まって楽しむ。世の中の仕組みを変えるには、こんなさり気ない、無理のない形が効果的なのかも知れない。
 活動は1時間くらいで終了し、人々は三々五々去っていった。その後、学生と私は誘われて夕食会に参加。8月24日の催しに向けての顔合わせ会となった。

8月24日 親子で学遊ぶ印旛沼:トキと田んぼと生きものと

 ミレニアムセンタ―佐倉(京成佐倉駅前)で、「親子で学遊ぶ印旛沼:トキと田んぼと生きものと」というイベントの手伝いをした。夏休みの子どもたちを集めて、自由研究に向けた指導をしつつ、環境保護への意識を育てる目的をもった試みであった。学生の発案で迷路を作って、誘導しながら問題を解かせることになった。
 当日は残念ながら、雷雨で、人出は今一つであった。それでも参加してくれた10人の学生は大学で見ているより遥かに溌溂と動いていた。印旛沼の「沼」をもじった「赤インバー」との写真撮影も子供たちには人気であった。その後の関係団体の報告会では司会も務めてくれた。来年は我々の研究報告も行いたい。

11月27日 収穫祭(下総トキ誘致懇談会)

合鴨農法に使われた合鴨

 下総トキ誘致懇談会は、「印旛沼の水質浄化と印旛沼流域の子どもへの豊かな水環境の実現のため」平成27年に発足した。「トキ=朱鷺」の誘致と聞いて当初「何故千葉で?」と思ったが、昭和28年まで千葉でも生息していたという。印旛沼流域の約80万人の市民が、沼の汚染度や飲み水としても全国ワーストワンであることを知らないことから、「トキ」の誘致運動を起こすことで、流域の市民に印旛沼の現状に関心をもってもらうことが設立の趣旨であった。

鴨鍋

 収穫祭(於青菅会館)には教員2名、学生4名(内、2名はネパール人学生)が参加した。ユーカリが丘線の中学校駅から耕作放棄された田んぼの路を歩き、以前、「アグリ」の活動で訪れた三門増雄氏(下総トキ誘致懇談会副会長)の田んぼで「あいがも農法」の合鴨を見る。会場では平成28年度の事業報告をうかがい、その合鴨を使った鍋と合鴨農法で育てた米のご飯、お餅をご馳走になった。

懇親会

 印旛沼の水は上水道、農業用水、工業用水に用いられている。上水は佐倉市臼井で漂流水を取水し、千葉県柏井浄水場で高度浄水処理をして、市川市、浦安市全域と千葉市、船橋市、習志野市、市原市の一部、渇水時は佐倉、八街、冨里、四街道、酒々井にも供給される。水道人口は千葉県総人口の約4分の1に相当するという。
 水が汚いというイメージは人々を遠ざけ、沼の汚染には注意が払われない。一朝一夕で片づく問題ではないが、下総トキ誘致懇談会のゆるやかな催しは、人々の注意を印旛沼に向けさせる確実な一歩であるように思われた。

学生のレポートより:
 会長さんの挨拶で、「印旛沼のことに全く関心がない人が多い」ということを聞きました。・・・どうすれば水質が改善されていくのかを考えていかなければ・・・普段の生活との関係性を考えると良い勉強になると思います。・・・(略)鴨鍋の味は、噛んだときに肉本来の旨味がつまっており、汁にも出汁として含まれ、スープの美味しさ引き立てています。・・・あいがも米で炊いたご飯は、香りが違いました。甘さがとても強く、食感は少し硬めですが冷めても美味しいので、今日出された海苔や漬物とも相性抜群です。(一年 矢村将希)
文責:村川