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ホーム  > 国際学部だより  > 活躍する卒業生たち(1) 平野志穂さん(NPO法人プログラムオフィサー)

活躍する卒業生たち(1) 平野志穂さん(NPO法人プログラムオフィサー)

 各界で活躍している国際学部の卒業生を紹介するコーナーです。
 第1回は、NPO法人「HANDS」でプログラムオフィサーとして精力的に活動されている、平野志穂さんをご紹介します。平野さんは、国際学部の第1期生です。

学生時代

聞き手:平野さんのことは、国際学部1期生の中でも特によく覚えています。毎回授業に行くと、結構イケメンの留学生の隣に座って、世話を焼いている姿が目に入りました。また、長い休みに入ると、いつも東南アジアやインドに出かけていた印象があります。

平野:もともと国際協力に興味があって、敬愛大学に国際協力についていろいろ詳しく学べる学部ができるというので、入学を決めました。実際に途上国がどんな感じなのか、自分の目で確かめたくて出かけて行ったのですけど、日本とはあまりに違い過ぎて、ショックでした。
インドのマザーテレサの施設で、ボランティアをしていた時の様子がこちらです。期待して入学してくれたわけですが、実際に授業を受けてみてどうでしたか?

平野:JVC(日本国際ボランティアセンター。日本の国際協力NGOの草分け的存在)でずっと国際協力に携わってこられた星野先生の「NGO論」、国際協力の現場を経験されている講師の先生方をお呼びして、生の声を聴くことができた山本健先生の「ボランティア論」の授業が、特に印象に残っています。自分の将来に対するイメージがわき、強いモチベーションにつながっていきました。増井先生と落合先生の引率で訪れたフィリピン(海外スクーリング)では、JICAの専門家やNGOの方が活動している現場をいろいろと見ることができて、実際卒業後に関わることになりました。増井先生からは「まずは挑戦してみる」という姿勢も教わりました。今も影響を受けている考え方です。

卒業後途上国へ、そして大学院へ

卒業後いきなりフィリピンに行って、NGOの仕事を始めたのは、ある程度予想はしていましたが、驚きました。

平野:スクーリングで訪れたのがきっかけで、スカベンジャー(ゴミ漁り)をして生活している人たちを支援するNGOで、職員(プロジェクト調整員)として働きました。フィリピンとは縁があって、大学院生時代(後述)にも、WHO(世界保健機構)のフィリピン事務所で実務研修をすることになりました。
フィリピンから帰国後、今度は青年海外協力隊に応募して、ガーナに行くことになったのには、別の意味で驚きました。私もガーナには2年間住んでいて、協力隊の人たちとは、ずいぶん交流がありましたから。

平野:ガーナでは村落開発普及員として、現地NGOが実施している地域保健総合改善プロジェクトに一員として加わり、女性グループの収入向上と小学校での保健クラブ活動の仕事に取り組みました。続けていくうち、カウンターパートの突然の死や、同居家族の子どもの死など、日常的に人々の死に遭遇したことがきっかけで、「健康」や「保健」に興味を持つようになりました。帰国してから、「国際保健の実務家養成」に特化したプログラムをちょうど導入していた、長崎大学の大学院(国際健康開発研究科)に進学することに決めました。
ガーナでの活動の様子は、こちらで紹介されています。本当に学びたいことが見つかって大学院に進むというのは、理想的です。受験前には何回か英語の試験の特訓をしました。英語は必ずしも得意ではなかったようですが、特訓の成果はあったのでしょうか?

平野:おかげさまで?無事合格できました。公衆衛生学(MPH)は疾病治療ではなく、予防に重点を置いているため、保健医療従事者以外のノンメディカルと言われる人々も多く学び、学位を取得しています。さまざまな経歴を持ったノンメディカルが、その経験を生かして国際保健事業に携われることが、強み・魅力である分野です。
大学院で指導教授になられた増田先生とは、アフリカ学会でよくお会いします。「平野さんは論理的な思考は苦手ですが、現場に飛び込んで行くフットワークの軽さと過酷な環境に耐えられる鈍感さが武器ですので、よろしくお願いします」と申し上げたら、増田先生も全く同じ感想をおっしゃったので、二人して爆笑したことがあります。

平野:そんな話をしていたとは、全く知りませんでした。ほめられているのか、けなされているのか(笑)…微妙な感じですね。

もちろん、ほめています(汗)。

平野:敬愛大学でも長崎大学の大学院でも、多くの素晴らしい先生にめぐり会うことができて、本当に感謝しています。

大学院時代の様子がこちらの48ページから出ています。本当に何度も寄稿していただき、ありがとうございます。

現在の仕事

離乳食教室

離乳食教室

大学院を修了してから、NPOの仕事に就かれたわけですが、どんな団体でどんな仕事をされているのでしょうか?

平野:現在勤務しているNPO(特定非営利活動法人HANDS)は、国際保健の開発コンサルタントとしての業務と、NGOとしての草の根業務の両方ができるユニークな団体です。私は入職以来、草の根事業である東日本大震災復興支援事業を担当する傍ら、保健人材分野のコンサルタントとしても働いています。

被災地での活動

被災地での活動

東北の被災地でも活動されているそうですが。

平野:東日本大震災復興支援事業では、岩手県で大きな津波被害を受けた陸前高田市を中心に、地元行政や病院、子育て支援センターと連携して、子育て支援や子どもの健康増進に関する諸活動を行っています。

マラリア・デング熱対策に取り組む

マラリア・デング熱対策に取り組む

開発コンサルタントとしては、具体的にどういう仕事に取り組まれているのでしょうか?

平野:保健人材分野のコンサルタントとして、保健人材を取り巻く国際的な潮流や各国の取り組みに関する知識を生かし、ブラジルやタイで行われた国際会議の準備や、JICA職員・専門家向けの教科書作りを行いました。

在学中も卒業後も、次々と新しいことに挑戦し続けていて、今後どう変わっていくのか、本当に楽しみです。本日は、どうもありがとうございました。
(聞き手:大月隆成)