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東日本大震災復興支援(学長プロジェクト) 事前視察2013年3月10-11日

2013年夏、再び東日本大震災の被災地へ

キャンドルナイトに寄せて。東日本大震災から2年の日々。

2013年度の東日本大震災復興支援ボランティアは、学長プロジェクトとしてたちあがった。その事前視察ということで、3月10日から11日まで、名取市閖上地区を視察してきた。

3月10日には、名取市観光物産協会復興部会実行委員会主催、閖上ルネッサンス(閖上中学校卒業生有志)共催の絵灯篭、キャンドルナイト イベントに参加した。イベントには、全国から大学のボランティアが集まった。ボランティア参加大学は、 早稲田大学 約80名、名古屋学院大学 約15名、福岡女子大学 約10名、神戸学院大学 約10名、尚絅学院大学 約15名、東北大学 約10名、東北福祉大学約2名、敬愛大学 1名であった。

絵灯篭のイベントは、避難所である閖上 中学校に到達できずに津波に飲まれて亡くなってしまった皆さんに、灯篭の光で中学校までの道を照らして、道を迷うことのないように願うものだった。14名 の中学生、たくさんの中学を卒業して間もない、高校生や大学生も津波に飲まれたそうだ。

当日は、風速30~40メートルの暴風のため、交通機関のない現地まで、車が吹き飛ばされそうになる中、現地に到着した。キャンドルや絵灯篭は、風で吹き飛ばされる危険があるため、当初の計画よりは大幅に縮小し、中学の校舎の中や、風の当たらない校舎周辺で行った。学生たちが灯篭をおさえながら点灯し、風で吹き飛ばされると、また点灯するということの繰り返しであった。

津波到着時間には、東北大学の吹奏学部のトランペットで黙祷をした。大学1年 生でトランペット部のミキさんというお嬢さんが、避難所の中学校にたどり着けずに直前で津波に飲まれたということで、同じトランペット部の仲間が 演奏をしていた。ミキさんとともに練習していたというAve Verum Corupusは、本当に意味深い曲だった。彼女はこの曲をとおして自分の運命を知っていたかのように感じられた。遺体はトランペットを背中にくくりつけたままだったそうだ。瓦礫はかたづいても心の傷は簡単には消えない。吹奏楽部の学生たちも涙ぐみながら演奏していました。

絵灯篭

僧侶による法要@閖上地区日和山

同じ閖上中学の卒業生の方が、AMAZING GRACEを歌ったり、閖上太鼓の演奏があったり、閖上の子供たちが、大人を励まそうということで「閖上子ども会議」をたちあげ、大きな絵灯篭を作って披露したりした。
絵灯篭は、製作段階で全国の皆さんから絵を集め、灯篭を作成した。絵を通して、たくさんの人が被災地を思っていることが伝わったのではないかと思う。暴風のためにすべてを飾ることは出来なかったが、残った絵は次回のイベントに利用することになるそうだ。

キャンドルナイトも同時開催であったが、強風のためとても小さな規模で、風をよけながら実施した。ボランティアの学生たちも、絵灯篭のイベント、キャンドルナイト双方について、主催団体を問わず、その場で臨機応変に手伝っていた。

3月11日には名取市市民会館で、慰霊のイベントがあり、尚絅学院大学が、地元のロシア民謡会の皆さんと、「花は咲く」被災地復興支援ソングをうたうということで、現地に出向いた。会場は、喪服でなければ入れないような、追悼式であった。また、マスコミも一切お断りというかたちでしめやかに儀式が執り行われていた。その後、日和山に行った。3月11日ということでたくさんの人が訪れており、山頂では僧侶がお経をあげていた。日和山の祠は、新たに建築するらしく、土台ができあがっていた。

「閖上の記憶」に立ち寄った。鳩風船を慰霊のために飛ばすということで、白い風船にメッセージを書いてほしいといわれた。メッセージを書いて、慰霊イベントに参加した。隣でメッセージを書いていた親子は、「19歳になった将君、おめでとう。おとうさん、おかあさんと妹が見ているよ。」というメッセージを亡くなった将くんにむけて書いていた。生きていたら19歳になっていただろう将くんに向けた家族からのメッセージだった。閖上中学校の慰霊祭は、閖上中学校で亡くなった14人の生徒の遺族が中心となって執り行われた。遺族それぞれが、亡くなった中学生に向けてスピーチをした。また中学の在校生たちも亡くなった中学生に花を献花していた。地震が発生した2時46分に、当日は停電のために鳴らなかった津波警報のサイレンを鳴らして、一分間の黙祷をした。その後、鳩風船を空に飛ばした。風は強かったが青空に白い風船が美しく天国まで飛んでいく様子を見ることが出来、美しかった。
暴風の中ではあったが、被災地の現状を視察でき、夏の研修旅行にむけての対応策も検討することが出来た。
(庄司真理子)

閖上こども会議の様子

閖上中学校の遺族の方々