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家近ゼミ旅行記(2012年9月12日~14日)

3年家近ゼミのゼミ旅行先は北海道でした。家近ゼミ随一のエッセイスト福嶋さんがつづった旅行記をどうぞ。


家近ゼミ 北海道夏休み旅行記

クラーク博士をまねて「大志を抱け」

 夏休みも残すところ僅かとなった9月12日からの2泊3日、私達3年家近ゼミは北の大地・北海道へと行ってきました。ゼミの活動としては初の宿泊旅行、残念ながら欠席者が出たものの、3年生の夏休みの最後を飾る大きなイベントでした。
 広い羽田空港での待ち合わせから旅行の始まり。私は中国人留学生の白君と一番乗りで到着しました。誰よりも早い到着というのはそれだけでわくわくするものです。続々と集まるメンバーと、今回初めてお会いするゼミメンバーの可愛らしい奥さん、優しそうな旦那さん。合わせて12人が顔を揃えた時、「旅行が始まる」と嬉しいやら不安やら。日常会話の中国語も出来ない私なので、話が付いていけなかったらと心配していたのですが、皆私には日本語で話してくれました。もう1年半の付き合い、笑いが絶えない飛行機までの時間。しかし機内に入ると問題発生、私の隣に座るのは見ず知らずの女性、その方を挟んでゼミの友人が。困っていた私達に「代わりましょうか?」と女性が席の交換を提示して下さり、機内での不安は解消。また、隣に座った留学生の友人は元々北海道に住んでいて、機内パンフレットにアルバイトしていた店が載っていたので感激していました。小さな巡り会いも旅を彩るスパイスですね。
 新千歳空港に降り立った私達はまずホテルへ向かう事に。その中の発見、中国人男子諸君のスマートな気配りのよさ。奥さんの荷物を持つのは当たり前、エスカレーター嫌いの私の為にキャリーを持って「筋トレ」と笑ったり、両手に奥さんと先生のキャリーを持ってにこやかな笑顔を浮かべ「当たり前です」と言い切る。格好いいです、中国人男子。
 電車や地下鉄を乗り継いでホテルへ到着、メンバー構成の都合上一人部屋になった私を待っていたのは、今回旅行の手配をして下さったJTBの白井さんからのお手紙でした。思い掛けない歓迎に心が温まります。
 ホテルで休憩後、機内で隣に座った楊さんの案内で夕食をするレストランへ。途中迷ったりしたものの、地図より住所でナビゲートしてくれた彼女はこの旅行で1番の功労者でしょう。時間があったのでテレビ塔も見学し、いよいよジンギスカンの食べ放題へ。3つのテーブルに4人ずつきっちり座り、鉄鍋を囲んでいざ食事。思い思いに用意された食材を鍋で焼くのですが、その両端の落差と言ったら。片やお野菜ばかりのヘルシー鍋。片や肉肉肉、肉しか焼いていないただの肉鍋。このゼミでは大食漢扱いされている私が囲む鍋は言わずもがなでしょう。美味しく頂きました。当初私は未年という事もあり共食いかと気が引けていましたが、私達の卓だけでお肉しかない大皿4枚平らげていました。この日は私が初めてゼミでお酒を飲む機会でしたので辛口の日本酒を頂いたのですが、途中で先生から禁止令が出てしまったり――言動が荒くなったそうです。何はともかく、不名誉な最も食べたで賞受賞したその夜は楽しく更けていきました。

 2日目の清々しい朝、日本人なら裸の付き合い、と温泉で家近先生を待ち伏せしていたのですが敢えなく失敗。気を取り直して昨夜の暴飲暴食で荒れてしまった胃袋に優しいお粥を頂き、この日は羊ヶ丘展望台へ。「少年よ大志を抱け」で有名なクラーク博士の立像が私達を迎えてくれました。この旅で言わなければならないと思っていた「北海道でっかいどう」も叫びはしなかったもののしっかり口にしました。お約束は踏襲すべきです。集合写真を撮り終えると自由行動に。私は千葉県を跨いで大分県に住む祖母へ手紙を書きました。旅の記念に葉書きを出すのもなかなか乙なものです。
 その後北海道日本ハムファイターズファンの学生が1人離脱。私も疲労の為離脱。私がホテルで休んでいる間、皆はラーメン横丁で食事。結局その後も私はラーメンを食べる機会がなく、本場の札幌ラーメンとはご縁がありませんでした。残念です。
 完全自由行動の午後、私と白君は家近先生とロープウェイとケーブルカーで登る藻岩山へ。黄昏時から、刻々と色を変える空をずっと見ていました。ゆっくりと夜へ姿を変えるさまはただただ美しく、無駄なお喋りさえ出来ず息を飲み、その光景をどうにか記憶しておきたいとシャッターを切り続けていました。頂上には「恋人の聖地」というものがあり、南京錠を柵に掛けて永遠の愛を誓う観光名所となっていました。ライトアップした小さなチャペルは私が今回撮影した中で最も多いカットです。口ではつまらない現実的な事を言っても、本能はそのロマンティックさに惹かれていたのでしょう。とても美しい夜の中にある輝きでした。
 そして夕食はホテルで寝過ごしてしまったゼミ一の語り家陳君も合流し、4人ですすきのの繁華街へ。私以外お酒が進む中、話題はゼミの研究テーマでもある日中関係や中国情勢に及びます。学習要素も欠かせません。現在の日中関係は決していいとは言えません。だからこそこの学校にいる留学生とは交流を深めるべき。お互いが歩み寄る為にも2年間学んだ中国語に再チャレンジをしようと決めた夜でした。

 そして最終日。荷物を拡張したスーツケースに詰めてチェックアウト。当初赤レンガ庁舎と時計台へ行く予定だったのですが、時間の都合で旧北海道庁舎のみにとなりました。樺太の歴史や北海道の歴史展示があり、玄関正面の階段には明治時代を象徴するような細工が施されていました。卒業アルバム載せるかもしれない、という事で集合写真もしっかり撮りました。
 そして空港ではお土産選びに花を咲かせ、惜しみつつも北海道旅行は終了。無事に帰ってきた羽田空港で解散となりました。

 初めてのゼミ旅行、学校では見られない素に近いメンバーと過ごす事で、教室にいるだけでは決して触れられない得難いものを感じました。私は殆ど家近先生とご一緒させて頂いたのですが、学校生活や将来の事を相談し、この北海道旅行という3日間に色とりどりの思い出がぎゅっと詰まった気がします。
 最後に、家近亮子先生、ゼミのメンバーのみんな、陳さんと兪君のパートナーのお二人、そしてJTBの白井さん、皆さんありがとう御座いました。食事をする度仲よくなって、酒を飲み交わして親しくなれる。素敵な旅の思い出となりました。
(国際学部3年 福嶋美貴)

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)にて