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ホーム  > 経済学部だより  > 【経済学科】政策提言インターンシップ@埼玉県春日部市

【経済学科】政策提言インターンシップ@埼玉県春日部市

実習先の春日部市役所

 自治体職員を目指す学生に地方自治に関する実践的な学びの場として「地方自治論実習」という科目を用意しています。この講義を履修した上で、3 年生の夏休みの間、10 日から 1 ヶ月程度、地方自治体にて職員の指導のもと、政策作りを行うものです。
 6 月 29 日付の「経済学部だより」で準備状況を報告したとおり、今年は埼玉県戸田市役所(戸田市政策研究所)と春日部市役所(かすかべ未来研究所)で合わせて 4 名の学生がこの特別インターンシッププログラムに挑戦しました。今回は春日部市役所(かすかべ未来研究所)での実習の様子を紹介します。
 今年度かすかべ未来研究所で実習を行ったのは、経済学部 3 年生の川村君です。放置自転車減少対策について研究し、提言をまとめ、19 日に副市長ら市の幹部に報告して実習を終了しました。

政策課内のデスクで提言書づくりをする川村君

 実習期間は8 月中旬~下旬にかけての11 日間でした。8 時30 分から17 時 15 分までフルタイム「勤務」し、自治体職員(かすかべ未来研究所が設置されている総合政策部政策課)の仕事を体験しました。同時に、自らが設定した政策研究テーマである「放置自転車減少対策」について、春日部市内の現状や対策状況等を調査。担当課にヒアリングを行い、他自治体の対策も調べ、提言を考えました。提言の検討と報告書の作成は、8 月下旬から 9 月上旬にかけ大学や自宅で、ゼミ担当教員に相談するなどして行いました。
 限られた時間の中で苦心の末にまとめ上げた提言を、9 月 19 日に春日部市の副市長、市民生活部長、総合政策部長ほか関係者に発表しました。

提言発表の様子(1)

 川村君の提言は、市民のモラルの低下が放置自転車の主な原因ではないかとの分析を踏まえ、
(1)市営有料駐輪場の利用にポイント(一定のポイントがたまれば市内の商店で使える商品券に引き換え可能)を付与
(駐輪場の利用促進と地域活性化の両立を期待)
(2)小中学校で実施している交通安全教室に、放置自転車についての啓発を組み込む
(放置自転車の迷惑さを実感するデモンストレーション含む)
(3)小学生から放置自転車対策についてポスターを募集
(優秀作をステッカーにし、放置自転車の多い地域の路面に貼付)
といった内容でした。

提言発表の様子(2)

提言に対してコメントをする副市長(左から2 人目)

報告を終え笑顔で副市長に提言書を渡す川村君(右)

 さらに、提言書には書ききれなかったものの、駐車禁止区域に警告を無視して一定期間止めていて撤去された自転車の撤去・保管手数料を引き上げ、抑止力を高めると同時に各種の対策の財源の一部を確保することも付け加えました。

 提言を受けた副市長や部長からは、報告書がよくまとまっていて、内容も実行性や即効性が高いこと、担当部署で専門的に対策を検討する際に見落としがちな視点(市民の心理面の考察)が含まれていることに高評価をいただきました。
 インターンシップ生として、限られた知識の中で手探りしながらまとめた提言でしたが、その内容が今後の放置自転車対策で参考にされ、春日部市民の福祉の増進につながれば、川村君の苦労や疲れも一気に吹っ飛ぶことでしょう。
今年度の地方自治論実習の成果報告会を行います。
日時:10 月15 日(日)(敬愛フェスティバル2 日目)13 :00~
場所:敬愛大学 3 号館内

※本プログラムにご関心のある方は、ぜひご参加ください。詳細は追って「経済学部だより」等でお知らせします。

かすかべ未来研究所の職員の皆さんと

 実習生を受け入れてくださった春日部市役所総合政策部(かすかべ未来研究所)の皆様、指導に当たってくださいましたすべての職員の皆様に心より感謝申し上げます。

文責:金子(経済学部教授)
編集:IR・広報室 
撮影:金子(経済学部教授)、IR・広報室