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ホーム  > 経済学部だより  > 【経済学科】活躍する卒業生 神田山緑さん(講談師)

【経済学科】活躍する卒業生 神田山緑さん(講談師)

各界で活躍している経済学部の卒業生を紹介いたします。
第1回は、講談協会に所属する、講談師の神田山緑さん。1999(平成11)年に経済学部経済学科を卒業、民間企業での勤務や会社経営を経て2005(平成17)年に講談師の道に入りました。先頃、平成30年春に真打昇進が決まり、ますますご活躍の神田さんに伺いました。

学生時代

 勉強というよりは、仲間とわいわい言いながら、サーフィンやボクシング部の活動に明け暮れていました。2年生の時の保護者面談に参加した母が、帰宅するや「ご子息ほど大学生活を謳歌している学生はいないと先生(中山幸夫先生(現・副学長))から言われたが、なにか悪いことはしてないだろうね」と怒られたのが忘れられません。いずれにしても、友人に大変恵まれた学生生活だったことは間違いありません。今でも学生時代の友人たちとは連絡を取り合っています。

心のスイッチ

 そんな私も3年生になると、就職活動を意識するようになりました。4年生になったある日、高校時代の友人が大手自動車メーカーに就職し高級車を購入したことがきっかけとなり、「心のスイッチ」が入ったんです。
 それまでの学生生活を改め、参加した会社説明会で人事担当者から「自動車業界のことを人一倍勉強し、かつ大型免許をとりなさい」とアドバイスされたため、すぐに免許合宿に通って大型免許と大型特殊免許を取得しました。また卒業論文のテーマを自動車産業に定め、一生懸命研究をしました。やがて自動車販売店の就職試験に臨み、内定を勝ち取ることができました。
 勤務先では「お客様一人ひとりに真心込めることが大切だ」とアドバイスされ、そのことを守りながら人一倍努力し、1年目にトップセールスの新人賞を獲得しましたが、その後一大決心して自動車販売店を辞め、父親の事業を手伝うことにしました。

一人の寂しさを乗り越えて

 父親の事業を分社化し、社長となりましたが、様々な理由で社員が会社を辞めていきました。結果的にたった1人になり、その時初めて1人の無力さ、寂しさを痛感しました。
 そんな時、たまたま寄席を観に行く機会があり、そこで神田すみれ師匠の講談「白隠禅師」を聞かせていただきました。師匠の朗々たる講談を聞いていますと、まるで白隠禅師がそこにいるような衝撃を受けました。「これなら一から自分の力を磨くことができるはず」と、師匠に弟子入りを願い出たんです。
 はじめは「男性の弟子はとらない」と断られたのですが、何度もお願いをして、2005(平成17)年12月に弟子入りを果たしました。おかげさまで翌2006(平成18)年5月に正式に前座となり、2009(平成21)年9月に二ツ目に昇進を果たしました。

母校での再会

 二ツ目として修行を重ねていた2014(平成26)年3月に偶然、母校・敬愛大学の前を通りました。そこで15年ぶりに再会を果たしたのが、2年生の時のゼミ担任だった中山幸夫先生。そう、面談後に母から怒られた、あの先生です。この再会が私と敬愛大学を再び繋げるきっかけとなりました。
 おかげさまで2015(平成27)年5月には教育後援会(高校のPTAに相当する組織)の父母懇談会で講演をさせていただき、更には2016(平成28)年11月の敬愛大学創立50周年記念祝賀会で、敬愛大学の創立者である学祖・長戸路政司先生のお人柄を紹介した創作講談「敬天愛人を求め続けた男・長戸路政司物語」を披露する機会をいただきました。
 また、稲毛駅前の生涯学習センターでも「いなげ敬愛寄席」と題した講談体験教室を担当しました。これも敬愛大学の卒業生として、身に余る光栄でした。

真打昇進、そしてこれから

 母校の皆様のご声援もいただき精進してきましたが、去る4月5日の講談協会総会で、来年3月の真打昇進が決まりました。
 30歳の時に講談の道に入って11年目。今は正直ホッとしています。世界で80人しかいない講談師という仕事ですが、これからもこの世界の素晴らしさを伝えながら、講談を通じてワクワクするような世界を創るため、活動していきたいですね。
 一人ではできないことでも、人からアドバイスをいただくことで、できるようになることもあります。師匠からのご指導はもちろん、これからも人からのアドバイスを大切にし、講談師として修業に精進していきます。
 母校のみなさん、これからもよろしくお願い申し上げます。

講談師神田山緑氏プロフィール

昭和51(1976)年、東京都日本橋人形町生まれ。中野区立第六中学校、堀越高等学校を経て、平成7年4月に敬愛大学経済学部に入学、ボクシング部で活躍した。平成11年3月の敬愛大学卒業後は、自動車販売店に入社、一年目にトップセールスマンになり新人賞受賞。営業職、会社社長を経て、平成17年12月に講談師神田すみれに入門、三番弟子となる。翌平成18年5月に正式に前座となり、平成21年9月に二ツ目に昇進した。
平成26年10月に中野区観光大使に任命される。講談師としてだけでなく、講談教室の講師やラジオ番組、婚礼司会者など多方面で活躍中。平成30年春に、真打昇進が決定した。